「補助線」(読売新聞土曜月一連載)2020/6/20の記事がやっぱりすごい

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《以上広告アナウンスでした。以下本文》

読売新聞の土曜日朝刊解説面には、月一でいろんな執筆陣が連載を続けている(いた)。

読売新聞愛読者の私が、長い間、楽しみにしていた芥川善好氏「時の余白に」もこのコーナーで連載が続けられていたが、先日2020/04/25付朝刊をもって最終回を迎えた。(当ブログ記事”今日も読売新聞はやっぱりすごい(2020年上半期)”「2020/04/25(土)」参照)。

私の土曜日の月一の楽しみは無くなり、この不満をどこにぶつければいいのか、と思っているところに、同じ土曜月一連載の解説欄のコラムが、「あまりにも」な内容だったので、当ブログで独立した記事として取り扱うことにした。

いろいろな意味で穴埋めのようなコラム(個人の感想です)を載せてしまう読売新聞はやっぱりすごい。

「補助線」についての補助線

今回、取り上げるのは、

法務・検察の不都合な真実

小田尚、「補助線」、読売新聞大阪本社版、2020年6月20日(土)朝刊、13版、12面。(参照2020-06-26)

この、「補助線」というコーナータイトルで月一掲載されているコラムについては、私も、過去、我慢できずに反応してしまい、何度か間接的に触れてきた。(当ブログ記事”今日も読売新聞はやっぱりすごい(2018年上半期)”「2018/06/16(土)」、”今日も読売新聞はやっぱりすごい(2020年上半期)”「2020/03/20(土)」ほか。)

今回のコラムも、私が読売新聞を読んで気になったことを備忘録的に残しておくブログ記事”今日も読売新聞はやっぱりすごい(2020年上半期)”の6/20(土)付のメモとしてその日のうちに残しておいた。基本的には(鼻で)笑いながら流し読みすることの多いコーナーなので(個人の偏見です)、独立したブログ記事として取り上げるつもりはなかったのだが、先日6/20付の記事は「あまりにも」な内容だったので、不本意ながら取り上げることにした。

まるで、楽しみにしていた「時の余白に」の連載が無くなった不満の受け皿になるかのように、ツッコミどころ満載の内容を載せる「補助線」はやっぱりすごい。

内容については、先に示した備忘録的ブログ記事にざっと書いたとおりだが、あの一段落程度の文字数では、まるで私が根拠なく誹謗中傷しているかと誤解されるかもしれない。それは本意ではないので、決して誹謗中傷ではなく、あくまで、読売新聞はすごいと賞賛していることを、このブログ記事でより詳しく書くことで証明してみたい。まるで「補助線」を引くかのように。

今回の「補助線」の内容についての私の補助線

タイトルのセンスがすごい

まずコラムの今回のタイトルが、『法務・検察の不都合な真実』。

「不都合な真実」という、いささか手あかのついた言葉。

従来の意味では、「(誰かにとって)都合が悪いために語られなかった真実をあえて語ろう」みたいな、批判精神のあふれた言葉だったように思うが(個人のイメージです)、手あかが付きすぎて、この言葉を語ると、「真実を知っているオレ、カッケー」的な、フェイク臭が漂うときがある。どう受け取られるかは、それを述べている人物・媒体・肩書等によって、左右される。

(いつも流し読みだけど)「補助線」愛読者の私は、「不都合な真実」という文字がタイトルに使われていることに、においを感じ取った。これは(やらかすことが)期待できる・・・。

手あかのついた「不都合な真実」という言葉を恥ずかしげもなくタイトルにするセンスが、まず、すごい。(タイトルは編集者が付ける場合もありますので、これは記者のセンスを評価するものではありませんし、誰がこのタイトルを付けたかは、当ブログでは詮索しません。)

いきなり冒頭からすごい

本文冒頭は、

検事長の「定年延長」問題は、法務・検察当局のご都合主義の面も否めないが、(後略)

同上

と、いきなり新解釈をさらっと述べていた。

黒川検事長の定年延長問題を、

「法務・検察当局のご都合主義」

とする解釈は、私の勉強不足のためか、全く知らなかった。それなのに、周知の事実であるかのように冒頭でさらっと述べることに驚かされるし、しかも、続いて、「の面も否めないが」と言っている。この書き方だと、

「法務・検察当局のご都合主義」と一般的に見られているが、実は・・・

という論旨になるので(少なくとも私はそう受け取った)、「実は・・・」の以降に「真実」が書かれていると予測された。ところが、その後をいくら読んでも、一向に「実は・・・」の部分が出てこない。途中もツッコミどころ満載だったが、最後まで読み切っても「実は・・・」の部分は、結局出てこなかった。

この疑問についての答えは、結論を言うと、

「法務・検察当局のご都合主義」が(コラムタイトルで言っていた)「不都合な真実」だ

と、このコラムで主張していることが分かった。つまり、冒頭でいきなり結論(不都合な真実)を答えていたことになる。

これが分かったときの感想を言うと、「ハア?」の一言だ。

コラムでそう主張するのは勝手だが、その趣旨であるのなら、「面も否めないが」は完全なミスリードであり、使うべきではなかった。不適切な言葉だ。「ご都合主義である」というのが主張であるのなら、そう言い切るべきなのに、「面も否めないが」と付けたことにより、一般的に思われていることなのか、本人(とその周辺)の主張なのか分かりにくくなった。

読み終わってから再読すると、まるで、主張に自信がないから「面も否めないが」と付けたようにしか見えず、それが混乱の元となった。

冒頭で、聞きなれない見方を提示して、「面も否めないが」と否定するのかしないのかどうかわからないようなミスリードをして、最後まで読み終わってから、結局冒頭で答えを言っていたのか、と怒りを覚えさせる補助線はやっぱりすごい、という面も否めない。

具体例がすごい

以降の内容は、いわく「ご都合主義」の具体的?な説明が続く。

稲田伸夫検事総長の後任に「内定」していた、黒川弘務東京高検検事長が5月21日、辞表提出に追い込まれた。

同上

この、「内定」していた、というのは、私は全く知らなかった。もちろん、私は「内部」の人間ではないので、この真偽は知りえない。しかし、このコラムの著者が、何をもって「『内定』していた」としたかの説明は、この後も一切出てこなかった。あえて読み取るとすれば、「内定」をかぎ括弧付きで表現したところか。まるで、後でツッコまれても、「」を付けたからその意味とは違う、と言い訳できるかのような「ご都合主義」さだ(カッコつき)。

その後は、一応、私も理解している通りの事実関係の記述が「だらだら」と続く(カッコつき)。

ところが急に、

だが、首相官邸関係者から見えた景色は、これとは異なる。

同上

と、語り出す。

この直前には、「メディアは『法務・検察関係者』を情報源に」報じていると言っているのだが、読売新聞社所属の小田氏がなぜそれとは異なる景色が見えたのかは、不明だ。まるで、「自分はメディア関係者ではなく首相官邸関係者である」と「自白」しているかのようで、私も「当惑」している。

その後は、「首相官邸関係者」から見た「景色」の説明が続く。

人事について「長年の慣行」と言い、「検事総長はほぼ2年で交代するのが慣例」と正直に述べておきながら、稲田氏が「やや早めの退職」という「慣例」に背くことを疑問に思わずに当然のように受け入れる、矛盾した「首相官邸関係者」の「景色」。しかもそれを、「伏せられた、ともいわれる」と、ここでも言い切らずに、「ともいわれる」という後から言い訳できる逃げ道を確保。

「やや早めの退職」という「伏せられた、ともいわれる」「前提」なるものがあって、「ほぼ2年で交代する」「慣例」どおりに合わせるために、黒川氏の勤務延長をつじつま合わせした、という「首相官邸関係者」の「景色」、だそうだ。

もしこれが事実なら、政治面に載せるべき内容だが、この景色については読売の政治面にすら載っていない。もしこれが事実なら。読売の政治面にすら載らない「景色」を、月一コラムで載せる「補助線」はすごい。もしこれが事実なら。

結論がすごい

この後、コラムには、区切りが入り、構成上は結論部に当たるのだろうが、「首相官邸関係者から見た景色」なのか、著者が見た景色なのか、区別がつかない内容が続く。

「反黒川」は「反安倍」と親和性がある。

同上

いきなりこう言い切っているが、その文の二段上には、

安倍首相も「私は、むしろ林さんと親しい。黒川さんはよく知らないんだ」と当惑していた

同上

と書いてある。つまり、同じ記事内で、

「黒川」と「安倍」は親和性は無い
「反黒川」と「反安倍」は親和性がある

と言っている。ここで言っている「親和性」の意味、「黒川と反黒川」の関係などがよくわからないので、この二者が論理的に同時に成立するのか不明だが、説明がなく、ただ言い切っているだけなので、私も「当惑」せざるを得ない。

いきなり言い切っていて説明がないので、後の記述から判断するしかないが、私が読んだ限りは、「反黒川」は「反安倍」だ、と、まるで被害妄想のように思い込んでいるみたいにしか見えない。

「黒川」と「安倍」に親和性が無いと言っておきながら、「反黒川」が「反安倍」に親和性がある、という理屈については結局わからなかった。

その後も、ツイッターでの拡散を取り上げ、検察OBの反対意見書提出については「と断じて、首相を批判する」と決めつけて、「首相官邸関係者」による被害妄想のように「断じて」いる。

では、この法案をどの官庁がどんな目的で書いたというのか。

同上

唐突にこの疑問文が出てくるので、てっきり、「どの官庁」「どんな目的」の答えを教えてくれるのかと続きを読んでみたものの、この答えも分からないまま、文章が終わっていた。「不都合な真実」を教えてくれるんじゃなかったのか。

仕方なく、改めて読み返し、私なりに補助線を入れると、この一文は、直前に書いてあった「検察OBの反対意見」に対する反語のつもりだったようだ。

要するに、「検察OBの反対意見書には『政治権力が介入』とあるが、では、この法案をどの官庁が(後略)」と反論したつもりになっていたようだ。書いてる当人は「首相官邸関係者」の「景色」(法務・検察の不都合な真実)しか見えていないから自明のように語っているかもしれないが、読者にとっては「ハア?」という内容なので、これが反語だとは気づきにくい。仮に反語だと気づいても、「いや、だから、どんな目的って、意見書に書いてあるじゃん。『政治権力が介入』って」、とそのまま答えてお教えてあげるしかないだろう。

その後は、黒川氏の処分についての、「首相官邸関係者」の景色の話。当然、「メディア」とは違う景色なので、読者にとっては「ハア?」という話。懲戒処分が任命権者である内閣でしかできないことは先月の時点ですでに指摘されているのに、6月20日にもなって今さら感満載の言い訳で、説得力のなさが痛々しい。

そして最後は、なぜか、河井夫妻の買収容疑を取り上げ、

(前略)週刊文春が発掘したネタだが、稲田氏ならではの指揮が必要らしい。

同上

と、今回のコラムを終わらしている。これも一読では意味がよくわからなかった。

これもよくよく読んで「補助線」を入れると、

・黒川氏の定年延長での「黒川氏でないとできない」との理由づけが批判された
・だったら稲田検事総長の退職延長?も批判しろ

という理屈らしく、「元は週刊誌ネタだろ」という皮肉のつもりだったようだ。

もちろん、私のような読者にとっては、稲田検事総長の「退職延長」自体が眉唾なので「ハア?」という印象しか残らない。

当人は、ウマいこと皮肉を言ったつもりなのかもしれないが、補助線が必要で分かりにくいし、その意図が分かったとしても痛々しさを感じる。今回の「不都合な真実」は誰が発掘したネタなのかわからないが、「補助線」ならではのオチが必要らしい、と言っているようですごい。

まだまだ続く「補助線」のすごさ

今回の「補助線」の内容については、以上のように、私が補助線を何本も入れなければならないものだった。

数学の図形問題がそうであるように、優れた補助線は、一本引くだけで、物事を簡潔に理解させる。今回の私のように、「補助線」に何本も補助線を入れたものは、美しくない。反省しなければならないだろう。

最後に、この「補助線」に私なりの一本のシンプルな補助線を引くことで、上記のごちゃごちゃとした内容をまとめることにしたい。

その補助線は、

読売新聞の「補助線」は誰も読んでいないのでは

ということだ。(個人の補助線です)

「首相官邸関係者から見えた景色」という(不都合な)真実を暴露したニュースな記事内容でありながら、読売の政治面にすら黙殺された事実。
(小田氏いわく)「反安倍」にとっての「不都合な真実」であることは、逆の立場にとっては「都合のいい真実」になりうるのに、いわゆる「親安倍」の連中にすら言及されないという事実。(個人の補助線です)

一方で、私のような読者であれば、思わずブログ記事にしてしまわずにいられない、ツッコミどころ満載の内容なのに、誰からもツッコまれないという事実。(個人の補助線です)

補助線引きまくりの内容なのに何の反応もない

誰も読んでいないのでは

このことに気付いたとき、私は、「補助線」の真の恐ろしさに気付いたような気がした。

現時点で、すでに掲載から1週間すぎており、ニュース性に欠けるが、あえて私が取り上げたのは、誰も話題にしていない、ことに同情したからでもある「面も否めない」。

誰も読んでいないという不都合な真実。

そして誰も読んでいない「補助線」を、誰も読んでいないブログで「補助線」を引いて批評したブログ記事を誰が読むのか。

このブログならではのオチが必要らしい。

・・・途中から思い付きで、今回の「補助線」をマネてみたが、うまくいかなかった。ただ単に、元の記事の「あまりにも」な内容をなぞっただけになった。スイマセン、誰も読んでいないという安心感から、脱線してしまいました。

なんやかんやで、「誰も読んでいない」というシンプルな不都合な真実を、補助線を引きまくった末に明らかにする、読売新聞コラム「補助線」は、やっぱりすごい、面も否めないが、

(あっ、中途半端だけど、今回の記事はここで終わりです、「補助線」のように)


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