「新聞週間」の読売新聞世論調査は2023年も「など」が深まってやっぱりすごい

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この記事のこの場所に「この記事には広告が含まれます」という一文が目立つように書いてあります(ここはそういうところですよ?)
《以上広告アナウンスでした。以下本文》

2023年も、秋の新聞週間がやってきた。毎年10月15日からの1週間だ。

例年おなじみの光景なのだが、毎度のごとく、読売新聞は、秋の新聞週間に先立って行った全国世論調査の結果を公表してくれた。

読売新聞社は、15日からの新聞週間に合わせ、メディアに関する全国世論調査(郵送方式)を実施した。

読売新聞、2023年10月15日朝刊、大阪本社版、13S、1面。<特集12・13面>。

・・・と、去年書いた当ブログ記事”「新聞週間」の読売新聞世論調査は2022年もやっぱりすごい”のほぼコピペ(年月日等を修正)で、今年2023年分の記事を書こう(コピペしよう)と思ったが、読売新聞の記事の冒頭部分が微妙に去年と異なっていることに気付いた。(2023年分は上記引用部分、2022年分は同上記事、さらに二年前の2021年の分は当ブログ記事を参照。)

また今年も例年とほぼ同じ内容(個人の憶測です)だろうから、今年のブログ記事もコピペでいいだろうと思いきや、微妙なところで変化をつけている、読売新聞新聞週間世論調査は2023年もすごいかもしれない。[ここまで、ほぼ去年記事の年月日だけを変えたコピペ、以下もほぼコピペ原稿が混じっています。だって内容にほぼ変化が無いので書きようが無いじゃないですか(逆ギレ)]

秋の新聞週間の「お約束」

世論調査の内容に入る前に、この時期の「お約束」について触れておきたい。(去年に引き続きの個人の約束です)

秋の新聞週間では、その年度の新聞協会賞も、先立って発表される。

2023年度新聞協会賞

一般社団法人日本新聞協会、トップページ>日本新聞協会について>表彰事業>新聞協会賞、新聞経営賞、新聞技術賞、「新聞協会賞、新聞経営賞、新聞技術賞受賞作」、”2023年度新聞協会賞”。https://www.pressnet.or.jp/about/commendation/kyoukai/works.html(参照2023-10-16)

受賞作については、上記のページを参照していただくとして、今年も、読売新聞が、新聞協会賞の受賞した。受賞したのは、「海外臓器売買・あっせん」を巡る一連のスクープで、去年(駆け込みで)受賞した「五輪汚職事件」に引き続いての二年連続となる受賞だ。(個人の観測結果です)。

この時期おなじみだった「ノーベル文学賞受賞ならず」が、ここ最近はすっかりスルーされるようになった(個人の感想です)だけに、読売新聞の新聞協会賞にも期待していなかったので、二年連続となる今回の受賞には不意を突かれて驚いた。関係者の方、おめでとうございます。

詳しくは前日(2023年10月14日付けの読売新聞朝刊の折り込みチラシ)に読売紙の記者自身が語っているので、深く知りたい人はそっちを読んでください。

2023年も「今年もやっぱり」ですごい

話がそれてしまったが、2023年の全国世論調査の内容について。

先に結論を言うと、経年比較できる項目については、

今年もほとんど変化なし(だけど、諸々ちょっとだけ低下傾向にあるかも)

だった。以上だ。

・・・と言うと、「ホントに調べたのか?」と疑う人もいるかもしれないので、(今年も)簡単に指摘だけ。(個人調べ)

経年比較できる内容については、(読売紙面で掲載されている数字は小数点以下が四捨五入されたものであり、それら同士での比較ではある程度の誤差があるという前提で)、まず、 回答率(有効回答率)については、約1.4ポイントの差(ダウン)だった。ほとんど変化なしと言っていいだろう。(なお、返送数は去年と比べて約1.9ポイントのダウン)。

そして、掲載されている毎年同じ質問と選択肢の回答について主なものをざっと調べてみると、今年の回答は、前年と比べるとほぼ同じで、違ってもだいたい2ポイント差以内で、大きくてもだいたい4ポイント差に収まっていた。(個人調べ)。

変化のない質問を今年も続け、やっぱり誤差の範囲のような小さな変化しかなかったことを改めて確認する読売新聞は今年もやっぱりすごい。(ただ、その小さな変化が、質問と回答のニュアンスとして、新聞が信頼されない方向へと数字がほぼ低下傾向にあるのは気にかかります。個人の感覚です)

今年の「答えない」質問は?

2021年のブログ記事では、有効回答の内、「答えない」との回答の割合について注目した。

「答えない」という答えが多かった質問は、質問として問題があるのではないのか

という観点からだ。

たとえば、「質問の意味が分からない」、「当てはまる選択肢が存在しない」などの理由がある場合は、「答えない」が増えることが予想できる。

もちろん、質問や選択肢を単純化しすぎたらしすぎたで、答えをどちらかに誘導してしまう問題があるが(内閣支持・不支持の更問いなど)、他の質問と比べて「答えない」が多い場合は、「質問が悪い」・「選択肢が悪い」という評価をされるのは仕方ないだろう。

2023年のベスト?・オブ・「答えない」質問は

そこで今年も、「答えない」の割合に注目すると、掲載されている質問と回答[読売新聞、同上、13面]の中で、「答えない」が一番多かったのは、

◆インターネット上のニュースについて、どこが発信、提供した情報を信頼していますか。いくつでも選んでください。
<引用者により、選択肢7つ省略>
・答えない  13

読売新聞、2023年10月15日朝刊、「質問と回答(数字は%)」。大阪本社版13S、特別面13面。

の質問と回答で、「答えない」は13%にもなっていた。

例年行われる前半の質問などでの「答えない」が、ほとんど1~3%であることを考えれば、この13%という数字は大きすぎる。後半にある、今年初めて登場した質問群でも、次に「答えない」が多かったのは、(最近やたら読売が推している印象の)「OP」についてで、(しつこいぐらい推しているのでうさん臭さを感じてしまっているが、個人の感想です)、それでも6%にとどまっていた。

今回の質問では、「いくつでも選んでください」との問いかけで、選択肢が7つもありその一つが「その他」だった。「いくつでも」選べて、かつ選択肢がなかったとしても「その他」を選べることを考えれば、「答えない」が1割以上あったのは、質問として問題があったと判定せざるを得ない。

この質問が問題なのは、「信頼していますか」と尋ねているのだが、「信頼している」かどうかを聞いているのではなく、「どこが発信、提供した情報」を「信頼している」かを選択肢から選ばせようとしているところだ。

つまり、この質問では、

端から「インターネット上のニュース」について「信頼していない人」には、選択肢が存在していない

ことになる。端から「信頼していない人」は「答えない」を「選択」(質問紙にその選択肢は表記されていないと思うが)するしかない。

ただ、そうなると、

「答えない」=「インターネット上のニュースを信頼しない人」と判定できるのでは

と、この質問と(「答えない」)回答に新たな意義?を見出す人がいるかもしれない。

しかしそれは早計と言わざるを得ない。他の質問と回答結果から矛盾してしまうからだ。

まず、他の質問でも、(有効回答数の内で)「答えない」が一定数質問に応じてばらついて存在するので、「答えない」がそのまま別の要素・要因に当てはまるわけではないのは当然だろう。

また、この一つ前の質問では、

◆インターネット上のニュースについて、どこが情報を発信したかを確認していますか、していませんか。(ヤフーなどの《・・・質問文後半略》
《引用者により選択肢と回答率の数字3組省略》
・全く確認していない 15
・答えない  4

読売新聞、2023年10月15日朝刊、「質問と回答(数字は%)」。大阪本社版13S、特別面13面。

とあり、情報の発信先を「全く確認していない」のが15%であるのだが、「全く確認していない」人が、「どこが発信、提供」しているかを選択できるはずがないので、この数字もそのまま今回の質問には「答えない」になるはずなのだが、そうはなっていない。(もっとも、「全く確認していない」ひとは「すべてを信頼している」とも解釈できなくもないので、すべての選択肢を選んだ可能性は否定できない。ただ、7つの選択肢のうち15%に満たない選択肢が3つ存在するため、論理的には「すべて」ということは否定される。)

そもそも、今回の質問がややこしいのは、(例えば選択肢の一つ)「新聞社」が「発信、提供した」「インターネット上のニュース」を「信頼」するかどうかを聞いているのだが、これは、

「新聞社」が「新聞紙」で提供したニュースへの「信頼」ではなく、新聞社がインターネット上に提供したニュースへの「信頼」

を聞くという形になっている。答える側が混乱するのも当然だろう。真面目に考えて答えようとすればするほど、「答えられない」結果になりかねない。

今回の質問は、いろいろな「答えられない」要素が詰まった、まさに、2023年のベスト?・オブ・「答えない」にふさわしい質問だったと言えるだろう。

読売新聞はいかに評価して記事にしたか

読売新聞では、この質問と回答について、特集面でのグラフを表示して記事で触れているものの、見出しは付けていなかった。

去年の2022年ベスト・オブ・「答えない」は、その内容を小見出しにしてまで(見)苦しい紙面にしていたのに(前年当ブログ記事、個人の感想です)、今年は見出しにはしなかったようだ。

ただ、載せていたグラフ(棒グラフ)は、「新聞社」がトップなのだが(ちなみに回答の選択肢の位置もトップだった)、複数選択ができる回答で56%しかなく、実質5位の「答えない」を省略したもので、どうなのかと思えるような内容で、見苦しさを隠しきれていない(個人の感想です)ところがすごい。

読売新聞が復活させた過去のベスト・オブ・「答えない」

読売新聞の秋の新聞週間の全国世論調査に対して、個人的には、例年存在する前半の質問に対しては、数字の変化(ほぼ変化していないこと)の確認、後半の新しい質問に対しては「答えない」の割合の確認、をするだけなのだが、今回、後半の質問群を見ていると、

「あれっ、どこか見覚えのある質問があるぞ」

と感じた。

その質問は、

◆あなたは、インターネットに多くの偽の情報が流れていると感じますか、感じませんか。

読売新聞、2023年10月15日朝刊、「質問と回答(数字は%)」。大阪本社版13S、特別面13面。

だった。

確認すると、2019年に存在していたが、2020年-2022年の3年間には消えていた質問が、今回、少し文章を変えて復活していたことに気付いた。(個人調べ)

この質問文と類似のものは、過去、当ブログ記事(2020年記事)で取り上げていて、確認すると、

◆あなたは、インターネットなどに多くの偽の情報が流れていると感じますか、感じませんか。

読売新聞、2019年10月14日朝刊、大阪本社版、13S、特別面30面31面。[現物は未確認。当ブログ記事の記述からの確認(参照2023-10-22)]

だった。

2018年と2019年の質問には存在していたのだが、2020年には無くなっていたので、当ブログでも記事にして、記憶に残っていた。

両者は同じかと思ったが、よく見ると、2018,2019年のものは「インターネットなどに」となっていて、2023年は「インターネットに」となっていて「など」が省かれていた。

「など」がついているか付いていないか、ただそれだけのことなのだが、驚くべきなのは、その回答の分布である。

実際のそれぞれの質問に対するそれぞれの回答結果を表にすると、

2018年2019年2020-2022年2023年
感じる776983
感じない151611
答えない9155
読売新聞の秋の新聞週間全国郵送世論調査での質問「◆あなたは、インターネットなどに多くの偽の情報が流れていると感じますか、感じませんか。」(2018年、2019年)、「◆あなたは、インターネットに多くの偽の情報が流れていると感じますか、感じませんか。」(2023年)、の回答割合(%)の表。2020年から2022年には同様の質問は無かった(個人的な確認)。[元データは未確認。同上から引用者の個人的なメモを元に表を作成した。(作成2023-10-23)]

となるのだが、注目すべきは、「答えない」の変動である。

(表記された数字は四捨五入されているので多少の誤差がある前提で、)2018年から2019年に、「感じる」が7ポイント減少して、「答えない」が6ポイント増加しているのだが、2020~2022年の質問空白を経て、3年後の(似たような)質問では、「感じる」が14ポイント増加、「答えない」が10ポイント減少している。

2023年の「答えない」は5%となっており、「答えない」ウォッチャー?の私としても、単独の質問として見れば見落としてしまいそうな低い数字になっていた。

2019年の「答えない」の増加も興味深かったが(個人的な分析では前後の質問に引きずられて「答えない」が増加したと見ている。当ブログ記事参照)、そこから3年後の(似たような)質問では、「答えない」が大きく減少したことになる。

この大きな変化について、読売紙は(過去との比較を出すこともなく)言及していない。(個人の確認です)

残念なのは、3年間の空白があったことと、質問文が少し変わっていることだ。どちらか一つであれば、それが変化した要因として推定できるのだが、現時点では、特定しかねる状況だ。

仮に、毎年聞いていてこれまで「インターネットなどに」と尋ねていたのに、突然「インターネットに」と「など」を抜いて聞いたら「答えない」が減ったというのなら、質問文で「など」を入れない方が答えやすい、という推定ができただろう。

また仮に、3年間の空白があったとしても、全く同じ文章で聞いていたら、3年前の回答との変化は、時間の経過による変化で「答えない」が減った、という推定ができただろう。

ところが実際には、質問文に新たに「など」を抜いたせいで、「答えない」の割合が大幅に減ったのは、質問文の変化によるものか、3年間の時間の経過によるものか、特定できなくなってしまっている。

せっかくの毎年1回の大規模全国世論調査なのに、「など」を抜いたことによって、「答えない」を減少させた要因を特定できなくさせてしまう、読売新聞は、やっぱりすごい。などなど。

今年もやっぱりですごかった

読売新聞の新聞週間全国郵送世論調査については、毎年の事なので、さすがに今年はブログ記事にしなくてもいいのかな、と思いつつ、今年もついつい書いてしまった。

「今年もいつもと同じだろう」と思い込んで、もう発見がないと思いきや、

「答えない」の割合が減る要因の仮定として
・時間の経過
・質問文から「など」を抜く

という新たな仮定の発見があった。(個人的な発見です。他の人にとってはそうでもないかもしれません)。

残念なのは、この仮定を、読売新聞が行っている世論調査では、証明できなかったことだ。

毎年同じようなことを聞いていているから変化が無くても価値があるのに、3年間の空白の後に質問文を微妙に変えて大きな変化があったのに、そのことに一言も言及しない読売新聞全国郵送世論調査(個人の確認です)などは、などを入れたり抜いたりで、秋に謎などが深まって、やっぱりすごかった。などなど。

「新聞週間」の読売新聞世論調査についての当ブログでの過去の記事は

「新聞週間」の読売新聞世論調査は2022年もやっぱりすごい
「新聞週間」の読売新聞世論調査は2021年もやっぱりすごい
「新聞週間」の読売新聞世論調査は2020年も安定してやっぱりすごい
「新聞週間」の読売新聞世論調査は2019年も予想通りでやっぱりすごい
「新聞週間」の読売新聞世論調査は2018年もやっぱりすごい
新聞週間(2017/10/15~21)でも読売新聞はやっぱりすごい(2017/10/13~21)


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