この記事のこの場所に「この記事には広告が含まれます」という一文が目立つように書いてあります(ここはそういうところですよ?)
《以上広告アナウンスでした。以下本文》
2021年も、秋の新聞週間がやってきた。毎年10月15日からの1週間だ。
例年おなじみの光景なのだが、毎度のごとく、読売新聞は、秋の新聞週間に先立って行った全国世論調査の結果を公表してくれた。
読売新聞社は15日から始まる第74回新聞週間を前に、新聞からインターネットまでメディア全般についての全国世論調査(郵送方式)を実施した。
読売新聞、2021年10月14日朝刊、大阪本社版、13S、総合面2面。<質問と回答、詳報は、特別面>。
今回この「新聞からインターネットまでメディア全般についての」という前書きは、去年は無かったように思い新しさを感じたが(個人の確認・感想です)、基本的には毎度おなじみの光景で、この時期になると、当ブログでもこの件で前年に書いた記事の閲覧数が増える。それはそれでありがたいのだが、内容が一年前のものなのでいつも申し訳ない気持ちになる。
今年も同様の現象が起こったので、2021年も記事を書くことにした。
正直言って、新たに書くほどの内容を見つける自信は全くないのだが、何とか振り絞って書いてみたい。
こんな更新をサボりがちなブログにも、(惰性のように)毎年1回、記事を書かせてしまう、読売新聞新聞週間世論調査は2021年もすごいかもしれない。
秋の新聞週間の「お約束」の約束通りと約束破り
世論調査の内容に入る前に、この時期の「お約束」について触れておきたい。(個人の約束です)
秋の新聞週間では、その年度の新聞協会賞も先立って発表される。
2021年度新聞協会賞
一般社団法人日本新聞協会、トップページ>日本新聞協会について>表彰事業>新聞協会賞、新聞経営賞、新聞技術賞、「新聞協会賞、新聞経営賞、新聞技術賞受賞作」、”2021年度新聞協会賞”。https://www.pressnet.or.jp/about/commendation/kyoukai/works.html(参照2021-10-17)
受賞作については、上記のページを参照していただくとして、今年も、わが読売新聞は、新聞協会賞の受賞を逃した。前回受賞したのが2015年なので、6年連続逃していることになる。
受賞を逃すことは、もう、「お約束」と言っていいだろう。
話は少しそれるが、この時期の「受賞逃す」と言えば、「ノーベル文学賞、受賞ならず」もおなじみで、すでに風物詩となっている。(個人の風物です)
読売新聞でも、例年、受賞を待ち望む人と落選にがっかりする人々の風景を記事にしてきた印象があるが、今年は、その風景の記事が、読売紙面では見当たらなかった。(ある特定の地域での読売新聞を読んだ個人の感想です)。
まるで、これまで「ノーベル文学賞受賞ならず」と毎年しつこく取り上げてきたのに、自社の新聞も同時期の新聞協会賞を受賞できないことが続いてきたので、「もう今年から『文学賞受賞ならず』は取り上げないでおこう、自分がみじめすぎる」と思ったかのようにとりあげなくなったのでは、と勘繰らせてしまう読売新聞は、「受賞ならず」でやっぱりすごい。
2021年もほぼ変化がなくてすごい
話がそれてしまったが、2021年の全国世論調査の内容について。
先に結論を言うと、経年比較できる項目については、
今年もほとんど変化なし
だった。以上だ。
・・・と言うと、「ホントに調べたのか?」と疑う人もいるかもしれないので、簡単に指摘だけ。(個人調べ)
経年比較できる内容については、(読売紙面で掲載されている数字は小数点以下が四捨五入されたものであり、それら同士での比較ではある程度の誤差があるという前提で)、まず、 回答率(有効回答率)については、約3ポイントの差(ダウン)だった。ほとんど変化なしと言っていいだろう。(2020年の回答率については上記当ブログ記事参照。この数字が大きいのかわずかな差なのかについても、同記事参照。)
そして、掲載されている毎年同じ質問と選択肢の回答について主なものをざっと調べてみると、今年の回答は、前年と比べるとほぼ同じで、違ってもほぼ3ポイント差以内で、大きくても5ポイント差に収まっていた。(個人調べ)。
変化のない質問を今年も続け、やっぱり変化がなかったことを改めて確認する読売新聞はやっぱりすごい。
2021年の新たな変化をあら捜しする
もちろん、「変化なし」という結果も、貴重な情報だ。調査しなければ分からない重要な事実である。
とは言っても、記事にするには新味に欠けるので、新たな変化も欲しい。せっかく3000人もの大規模全国世論調査をするのだから、新たにみんなに聞いてみたいことがある。
・・・そういった意図があったかどうかは知らないが、今回の世論調査にも、初めてみる質問項目が、いくつかあった。(個人の確認です)
新たな質問の「答えない」の割合
私がその中で気になったのは、「ターゲティング広告」についてと、巨大IT企業の利用者の情報収集について、の質問だ。(個人の確認です)
読売紙面でも、この質問を取り上げ、記事を埋めている。[読売新聞、同上、2面、24,25面]
ただ、気になったのは、読売が記事で主に取り上げている「どの回答が一番多かった」ところではなく、「答えない」の割合についてだ。
質問と選択肢の詳しい内容については読売紙で確認してもらうとして、「答えない」の答えが、「ターゲティング広告」については7%、巨大IT企業については10%だった。[読売新聞、同上、特別面25面]
これに対する私の正直な感想は、「厳しい数字だな」。
「答えない」という回答自体も重要な情報であることには間違いない。「答えたくない」という答えもまた、回答者の意思表示であり、世論をすくいとる貴重な内容だ。
ただ、「答えない」が、「答えたくない」という意思表示ではなくて、「質問の意味がよく分からない」「答える選択肢が存在しない」と言った意味での「答えられない」結果であるのなら、それは質問自体に問題があったことになる。
「答えない」割合を、「質問が適切だったかどうか」を計る指標としてみれば、今回の質問で、有効回答の内、「答えない」が7%と、10%だったことについては、正直、厳しい。来年も同じ質問をするかどうかは、微妙な結果だと言えるだろう。(個人の感想です)
「答えない」という回答の重要性を調査結果で引き出しながら、記事ではそれには全く触れずに「答えない」読売新聞の新聞週間世論調査はやっぱりすごい。
[過去の読売新聞新聞週間世論調査での「答えない」についての個人的計測結果とその考察については、当ブログ記事参照]
読売新聞世論調査は「答えない」ところが2021年もすごい
今年もこの時期になって、もう何もないと思いつつ今回の記事を(惰性で)書き始めたものの、
「答えない」という割合が「質問が適切だったかどうか」を計る指標となる
ことを改めて発見できた。
読売新聞の全国世論調査では、過去も、「答えない」という割合が多かった質問に対しては、翌年以降は外されるようになる印象がある。(個人の印象です)
経年比較のための同じ質問を繰り返す一定性を確保しながら、時宜にかなった新たな質問をして、世論調査としての価値を高めている。
そして「答えない」の割合を見て、その質問が適切だったかどうかを判断し、翌年以降の質問内容の参考にする。
そういった良いサイクルが出来上がっているようだ。(個人の感想です)
「答えない」という答えが、そのまま「答え」になっている。
思えば、読売新聞新聞週間全国世論調査については、2018年の有効回答数が2017年と比べて大幅にアップして、それ以降はそれを維持しているが、その理由について読売新聞は一切「答えない」ままだ。(個人の確認です)
また、同日(2021/10/14付朝刊)の解説面には、新聞週間に絡んで、
新聞週間 記者の倫理
取材情報管理 報道の根幹
「同業との距離」もポイント専修大教授 澤康臣氏
読売新聞、2021年10月14日朝刊、大阪本社版、13S、解説面13面。[引用の見出しの並びについては引用者によって並べたもの]
の記事があった。内容的にはもっともなものなのだが、記事には、先日あった読売記者による週刊誌への取材経過の漏洩の事は全く触れていないので、正直な感想は、「イヤイヤ、それを掲載して読者に読ませるんじゃなくて、自分のところの記者に徹底させろよ」。自社の記者の不祥事にはまったく「答えない」ものだった。
「答えない」ことで「答えてくれる」、そんな読売新聞は、2021年も、新聞週間の全国世論調査でもやっぱりすごい。
「新聞週間」の読売新聞世論調査についての当ブログでの過去の記事は
「新聞週間」の読売新聞世論調査は2020年も安定してやっぱりすごい
「新聞週間」の読売新聞世論調査は2019年も予想通りでやっぱりすごい
「新聞週間」の読売新聞世論調査は2018年もやっぱりすごい
新聞週間(2017/10/15~21)でも読売新聞はやっぱりすごい(2017/10/13~21)
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