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《以上広告アナウンスでした。以下本文》
森友問題で、自死された財務省職員の遺書・手記は、2020年3月18日(水)発売の週刊文春(2020年3月26日号、株式会社文藝春秋)に、相澤冬樹氏による記事と共に、全文が掲載された。また、同日、大阪日日新聞にも、手記が全文掲載された。[大阪日日新聞、19面。https://www.nnn.co.jp/dainichi/で当日閲覧可能な紙面ビューアで確認(参照2020-03-18)]
また、翌日は、ご遺族が国と佐川氏を提訴したという記事とともに、手記全文を掲載した全国紙があったようだ。(全国紙の各紙を確認した訳ではないので、各紙の詳しいことは分からないが、読売新聞は全文を掲載していないことは個人的に確認した。)
公開された手記全文の内容について、当ブログでは二回に分けて、整理し、考察したい。初回となる今回は、まず、要旨をまとめることとする。
手記・遺書の作成者は、赤木俊夫さん。
この手記を残していただいたことに謝意を述べるとともに、改めてご冥福をお祈りします。
また、手記の公開を許可されたご遺族の方にも敬意と謝意を申し上げます。全文の内容については、上記で掲載されたものを参照した。当ブログ記事作成時点で、(会員登録が必要だが)、参照できるのは、
朝日新聞デジタル、”「すべて、佐川局長の指示です」自殺した職員の手記全文”、2020年3月18日 20時17分。https://digital.asahi.com/articles/ASN3L6K55N3LPTIL00Z.html(有料記事。参照2020-03-21)
手記 平成30年2月(作成中)
(要旨)
- (平成29年)2月から7月まで、異例な事案を担当
- 連日の深夜残業や休日出勤、7月から病気休暇
- 異例な事案とは「森友学園への国有地売却問題」
- 財務省が国会等で真実に反する虚偽の答弁を貫いていることが最大の原因
- (売買契約)時点では本件事案を担当していないので、どのような経緯があったのかは承知していません
- 本件事案の財務省の担当窓口は理財局国有財産審理室(主に担当の補佐、担当係長等)
- 補佐や担当係長から現場である財務局の担当者に、国会議員からの質問等の内容に応じて、昼夜を問わず資料の提出や回答案作成の指示(メール及び電話)
- 財務局が現場として対応中の個別の事案は動きがあった都度、本省と情報共有するために報告するのが通常のルール(仕事のやり方)
- 社会問題化する以前から、当時の担当者は事案の動きがあった際、その都度本省の担当課に応接記録(面談等交渉記録)などの資料を提出して報告
- 近畿財務局が、本省の了解なしに勝手に学園と交渉を進めることはありえない
- 佐川(前)理財局長が一貫して「面談交渉記録(の文書)は廃棄した」などの答弁が国民に違和感を与え、野党の追及が収まらないことの原因の一つ
- 行政上の記録を応接記録として作成された文書の保存期間は、文書管理規則上1年未満とされていますので、その点において違法性はないと思いますが、実際には執務参考資料として保管されているのが一般的
- 「廃棄した」との説明(答弁)は財務省が判断(佐川理財局長が判断したと思われる)
- 本省は、本件事案が取り上げられた当初の平成29年3月《引用者ママ》の時点では、全ての資料を議員に示して事実を説明するという姿勢
- 佐川理財局長の指示により、野党議員からの様々な追求を避けるために原則として資料はできるだけ開示しないこと、開示するタイミングもできるだけ後送りとするよう指示があったと聞いています。(現場の私たちが直接佐川局長の声を聞くことはできませんが、本省(国有財産審理室)の補佐からは局長に怒られたとよく言っていました)
- 野党に資料を提出する前には、国会対応のために必ず与党(自民党)に事前に説明(本省では「与党レク」と呼称)した上で、与党の了承を得た後に提出するというルールにより対応(杉田補佐、近畿財務局管財部長などの話)
- 近畿財務局が本件事案に関して会計検査院の特別検査を、昨年平成29年4月と6月の2回受検
- 佐川理財局長の指示を受け、本省理財局から幹部職員(田村国有財産審理室長、国有財産業務課補佐ほか、企画課係長)が派遣され、検査会場に同席し、近畿財務局からの脱明を本省幹部職員が補足する対応
- 本省の検査院への対応の基本姿勢は、1.決議書等の関係書類は検査院には示さず、本省が持参した一部資料(2~3分冊のドッチファイルを持参)の範囲内のみで説明
- 1のみでは検査院からの質問等に説明(対応)できないとして、田村審理室長が近畿財務局に保管されている決裁文書等を使用して説明することはやむを得ないと判断して、修正
- 応接記録をはじめ、法律相談の記録等の内部検討資料は一切示さないこと、検査院への説明は「文書として保存していない」と説明するよう事前に本省から指示(誰から誰に指示がされたかは不明確ですが、近畿財務局が作成した回答案のチェックを本省内関係課で分担され、その際資料は提示しないとの基本姿勢が取られていました)
- この時、法律相談の記録等の内部検討資料が保管されていることは、近畿財務局の文書所管課等(統括法務監査官、訟務課、統括国有財産管理官(1))の全ての責任者(統括法務監査官、訟務課長、統括国有財産管理官)は承知
- 平成30年2月の国会(衆・予算委員等)で、財務省が新たに議員に開示した行政文書の存在について、麻生財務大臣や、太田理財局長の説明「行政文書の開示請求の中で、改めて近畿財務局で確認したところ、法律相談に関する文書の存在が確認された」(答弁)は、明らかに虚偽答弁
- 新聞紙上に掲載された本年1月以降に新たに発覚したとして開示した「省内で法的に論点を検討した新文書」について、本年2月19日の衆院予算委員会で、太田理財局長が「当初段階で、法務担当者に伝え、資料に気付く状況に至らなかった。法務担当に聞いていれば(文書の存在)に気付いていたはずだ」との答弁も全くの虚偽
- 近畿財務局は本省主導で資料として提示しないとの基本的な対応の指示に従っただけ
- 本省にも報告され保管されていることは、本省と財務局との情報共有の基本ルールから明らか
- (1)国会対応、(2)国会議員、(3)会計検査院への対応の全ては、本省で基本的な対応のスタンスが決められました
- (3)では、本省から(近畿)財務局に以下の対応の指示。●資料は最小限とする●できるだけ資料を示さない●検査院には法律相談関係の検討資料は「ない」と説明する
- 当初、佐川理財局長の答弁がどこまでダメージコントロールを意識して対応されていたかといえば、当面の国会対応を凌ぐことだけしか念頭になかったのは明らか
- 平成30年1月28日から始まった通常国会では、太田(現)理財局長が、前任の佐川理財局長の答弁を踏襲することに終始し、国民の誰もが納得できないような“詭弁を通り越した虚偽答弁が続けられている
- 近畿財務局内で本件事案に携わる職員の誰もが虚偽答弁を承知し、違和感を持ち続けています
- 近畿財務局の幹部をはじめ誰一人として本省に対して、事実に反するなどと反論(異論)を示すこともしないし、それができないのが本省と地方(現場)である財務局との関係であり、キャリア制度を中心とした組織体制のそのもの(実態)
- 財務省理財局(国有財産担当部門)には、組織としてのコンプライアンスが機能する責任ある体制にはない
- 本年3月2日の朝日新聞の報道、その後本日(3月7日現在)国会を空転させている決裁文書の調書の差し替えは事実。元は、すべて、佐川理財局長の指示
- 野党に資料を示した際、学園に厚遇したと取られる疑いの箇所はすべて修正するよう指示があったと聞きました
- 指示を受けた、財務本省理財局幹部、杉田補佐が過剰に修正箇所を決め、杉田氏の修正した文書を近畿局で差し替えしました
- 第一回目は昨年2月26日(日)のこと
- 当日15時30分頃、出勤していた池田靖統括官から本省の指示の作業が多いので、手伝って欲しいとの連絡を受け、役所に出勤(16時30分頃登庁)するよう指示
- 3月7日頃にも、修正作業の指示が複数回あり現場として私はこれに相当抵抗しました
- 管財部長に報告し、当初は応じるなとの指示でしたが、本省理財局中村総務課長をはじめ田村国有財産審理室長などから管財部長に直接電話があり、応じることはやむを得ないとし、美並近畿財務局長に報告したと承知しています
- 美並局長は、本件に関して全責任を負うとの発言があったと管財部長から聞きました
- 管財部長以外にも、松本管財部次長、小西次長の管財部幹部はこの事実をすべて知っています
- 本省からの出向組の小西次長は、「元の調書が書き過ぎているんだよ。」と調書の修正を悪いこととも思わず、本省杉田補佐の指示に従い、あっけらかんと修正作業を行い、差し替えを行った
- 大阪地検特捜部はこの事実関係をすべて知っています
- パワハラで有名な佐川局長の指示には誰も背けない
- 佐川局長は、修正する箇所を事細かく指示したのかどうかはわかりませんが、杉田補佐などが過剰反応して、修正範囲をどんどん拡大し、修正した回数は3回ないし4回程度と認識
- 森友事案はすべて本省の指示、本省が処理方針を決め、国会対応、検査院対応すべて本省の指示(無責任体質の組織)と本省による対応が社会問題を引き起こし、嘘に嘘を塗り重ねるという、通常ではあり得ない対応を本省(佐川)は引き起こした
- この事案は当初から筋の悪い事案として、本省が当初から鴻池議員などの陳情を受け止めることから端を発し、本省主導の事案で、課長クラスの幹部レベルで議員等からの要望に応じたことが問題の発端
- 本省がすべて責任を負うべき事案ですが、最後は逃げて、近畿財務局の責任とするのでしょう
- 刑事罰、懲戒処分を受けるべき者。佐川理財局長、当時の理財局次長、中村総務課長、企画課長、田村国有財産審理室長ほか幹部 担当窓口の杉田補佐(悪い事をぬけぬけとやることができる役人失格の職員)
- 今の健康状態と体力ではこの方法をとるしかありませんでした
- 家族(もっとも大切な家内)を泣かせ、彼女の人生を破壊させたのは、本省理財局
[以上は上記の引用からの要旨であり、一部省略や、表現を変えてあります。今回の参照先は主に、上記の朝日新聞記事からですが、一部個人名については、大阪日日新聞ほかの手記公開記事を参考にし、再現性を高めるために、変更してあります。]
(感想)
前回ブログ記事”「森友問題」「自殺職員手記」に書かれた「法律相談文書」についての整理(2020/03/18)”では、文春オンラインでの先行記事での手記画像の一部分だけに書かれていある内容から、「法律相談文書」に関係することを考察した。
私は、手記の内容が事実であれば太田理財局長(当時)の答弁が虚偽であることを指摘したが、全文を読むと、赤木氏はすでに指摘していたことが分かった。
私が先日ブログ記事で指摘したことの多くは、赤木氏がすでに手記で詳しく指摘済みで、無駄な努力だったことになる。だが、逆に言うと、私が論理的に矛盾なく導いた結果と、当事者としての赤木氏の説明が同じ結果だったことになり、この手記の信憑性を裏付けるものだともいえるだろう。
(ただ、手記の全文を読んで、強いてあげられる矛盾点がある。それは、
・タイトルが「平成30年2月(作成中)」なのに「その後本日(3月7日現在)」と3月の内容も入っている点
・「当初の平成29年3月の時点では、全ての資料を議員に示して事実を説明するという姿勢」については、時系列からして3月ではなく2月では?
の二点ぐらいだ。そしてこの二点の矛盾については、信憑性を減じるものではなく、意味がある可能性があるものだということを、次回考察することとしたい。)
手記の内容は、当事者としての証言であり、非常に貴重だ。
森友問題での財務省の当事者たちは、基本的には、雲隠れしたり表に出てこず、不明な点が多く、その証言をとりまとめた財務省の改ざん報告書は信頼性に欠けている。それと比べれば、今回の証言は、当事者による生の証言でであり、信頼性でいえばどちらが上かは明白であろう。
次回は、以上の要旨を踏まえ、手記の内容について、考察してみたい。
次回→
「森友問題」全文公開された「自殺職員手記」についての整理と考察(後編)―手記の考察
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