「森友問題」これまでの報告書等で言及された対象者とその処罰の整理(2019/04/07時点)

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架空小説「仮名手本森友学園」

2019/03/29、森友問題に関連し、大阪第一検察審査会の決議が公表された。

月29日大阪検察審査会は森友問題で佐川らに不起訴不当決議が下記の通りでました。

国有地低額譲渡の真相解明を求める弁護士・研究者の会、”同上”、2019年3月29日 。http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7702/(参照2019-04-03)

決議に書かれている通り、

最後に付言するとすれば、本件のように社会的に注目を集めた被疑事件については、公開の法廷という場で事実関係を明らかにすべく公訴を提起する意義は大きいのではないかと考える。

同上、2_背任罪に関する議決の要旨、平成31年3月28日。p9、PDFページ10。(参照2019-04-03)

森友問題では、財務省、会計検査院、大阪地検等の様々な組織によって、報告書や会見を通じて、結果や処分に対する判断が下されたものの、いずれも情報が小出しであり、かつその後に新たな情報が発掘されるため、一向に落ち着かず、いくら報告や判断が出ても決着がつかない状況だ。

「森友問題」は終わっていない。

そこで今回は、過去の「不十分な」調査で言及された対象者と、その「不十分な」処罰内容、もしくは不問にされた内容を、それぞれの報告書等によって整理したい。

[公開:2019/04/07]

「森友問題」における捜査・調査と報告書等リスト

2017/11/22 会計検査院「学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査の結果について」
2018/05/31 大阪地検特捜部「不起訴」「嫌疑不十分・嫌疑なし」
2018/06/04 財務省「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」
2018/11/22 会計検査院”「学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査の結果について」(平成29年11月報告)に係るその後の検査について”
2019/03/14 大阪地方裁判所「近畿財務局長等が不開示としたことについて違法」
2019/03/15 大阪第一検察審査会「(一部の被疑者において)不起訴不当」

注)・上記リストで並べた会見や発言については、スペースの関係上、主旨を改変しない範囲で一部省略や表現を変えている場合があります。
・大阪第一検察審査会の「2019/03/15」は議決日で、「2019/03/28」が議決書作成日、「2019/03/29」が審査申立人への通知日。報道されたのは、「2019/03/29」。

[作成:2019/04/04]

引用元は順に、

会計検査院、”国会からの検査要請事項に関する報告”、平成29年11月22日、2018年12月6日。http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/29/h291122.html(参照2019-04-04)

国有地低額譲渡の真相解明を求める弁護士・研究者の会、”大阪地検の特捜部の不起訴連絡について下記の通りコメントしました”、2018年5月31日。http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7679/(参照2019-04-04)

財務省、”決裁文書の改ざん等に関する調査報告書について”、平成30年6月4日。https://www.mof.go.jp/public_relations/statement/other/20180604chousahoukoku.html(参照2019-04-04)

会計検査院、同上。

国有地低額譲渡の真相解明を求める弁護士・研究者の会、”森友問題でやっと国民の常識が通用した判決がでました。”、2019年3月14日。http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7695/(参照2019-04-04)
同ページ内リンク、「1_森友事件_第3弾_一審」 http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wp-content/uploads/2019/03/1_森友事件第3弾一審.pdf [p23]

同上、”3月29日大阪検察審査会は森友問題で佐川らに不起訴不当決議が下記の通りでました。”、2019年3月29日。http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7702/(参照2019-04-04)

各報告書等における処分結果

2017/11/22会計検査院報告

(対象)財務省及び国土交通省
(所見)今後の国有財産の管理及び処分を一層適切に行っていくことが必要である。

会計検査院、同上、全文(HTML(データベースへ))、「第3 2 所見」。http://report.jbaudit.go.jp/org/h29/YOUSEI1/2017-h29-Y1091-0.htm#1091_3_2 (参照2019-04-05)

当ブログ記事での公表当時の考察は、(番外編)時系列の要点整理と考察(その2)内の「会計検査院の報告書の考察(2017/11/22公表)」

2018/05/31大阪地検特捜部不起訴判断

国有地売買に係る背任罪、公用文書毀棄罪、公文書変造罪等
(被疑者)以下の告発状を参照
(判断)全員不起訴

国有地低額譲渡の真相解明を求める弁護士・研究者の会、「告発状」、”7月13日大阪地方検察庁特捜部に背任罪、証拠隠滅罪で告発状を提出しました”、2017年7月13日。
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wp-content/uploads/2017/07/告発状.pdf(参照2019-04-06)

同上、「公文書変造罪(刑法155条2項)などの告発状」、2018年4月18日、”4月18日、公文書変造罪(刑法155条2項)で大阪地検特捜部に告発しました”、2018年4月19日。
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wp-content/uploads/2018/04/公文書変造罪%EF%BC%88刑法155条2項%EF%BC%89などの告発状.pdf(参照2019-04-06)

同上、「公用文書毀棄告発状」、”5月30日、公用文書毀棄罪(刑法第258条)で大阪地検に告発しました”、2018年5月30日。
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wp-content/uploads/2018/05/公用文書毀棄告発状.pdf(参照2019-04-06)

同上、”大阪地検の特捜部の不起訴連絡について下記の通りコメントしました”、2018年5月31日。
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7679/(参照2019-04-06)

2018/06/04財務省改ざん調査報告書

決裁文書の改ざん、応接録の廃棄、会計検査への対応、情報公開請求への対応
(対象者)下図の通り
(処分内容)下図の通り

当時・現在
(注1)
肩書処分内容備考
(注2)
当時理財局長停職・3月佐川
当時理財局次長戒告中尾
当時・現在総務課長停職・1月中村
当時総務課職員(課長補佐級)口頭厳重注意
当時国有財産企画課長減給20%・3月冨安
当時・現在国有財産企画課職員(課長補佐級)口頭厳重注意
当時国有財産企画課職員(課長補佐級)口頭厳重注意嶋田
当時国有財産審理室長減給20%・2月田村
当時・現在国有財産審理室職員(課長補佐級)戒告
当時国有財産審理室職員(課長補佐級)文書厳重注意
当時・現在近畿財務局長戒告美並
当時・現在管財部長戒告
当時・現在管財部次長戒告小西
当時統括国有財産管理官口頭厳重注意池田
当時統括国有財産管理官の配下職員不問
平成27年6月時統括国有財産管理官とその配下職員(課長補佐級)職務上の注意
現在理財局長文書厳重注意太田
現在理財局次長口頭厳重注意富山
当時事務次官減給10%・1月佐藤
当時大臣官房長文書厳重注意岡本

注)・上記の内容については、スペースの関係上、主旨を改変しない範囲で一部省略や表現を変えている場合があります。
(注1)「当時・現在」が指し示すのは、
・「当時」は「一連の問題行為」(決裁文書の改ざん等)が行われた時点
・「現在」は調査報告書が出された時点(2018/06/04)
(注2)備考は、個人的なメモ書きなので無視してください。

財務省、「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書(平成30年6月4日)(PDF:9269KB)」、”決裁文書の改ざん等に関する調査報告書について”、平成30年6月4日。
https://www.mof.go.jp/public_relations/statement/other/20180604chousahoukoku.pdf(参照2019-04-06)

当ブログでの報告書公表当時の記事は
「森友問題」「決裁文書の改ざん等に関する調査報告書について」(2018/06/04)等について(前編)―改ざん前経緯の考察”、
「森友問題」「決裁文書の改ざん等に関する調査報告書について」(2018/06/04)等について(後編)ー改ざん経緯の考察”。

2018/11/22会計検査院追加報告

改ざんされた決裁文書が提出されたことなどによる平成29年11月報告への影響等
(対象)財務省及び国土交通省
(処分)・財務省において、既に退職して対象外であったり、既に処分を受けているなどのため、懲戒処分の要求は行わない
・国土交通省において、要求を認識していなかったため、違反するとは認められない

会計事務職員検査による評価懲戒処分の要求理由備考
理財局長方向性を決定付けた者行わない既に退職佐川
管財部長改ざんの指示を伝達行わない既に処分を受けている
管財部次長自ら作業・部下に指示を伝達行わない既に処分を受けている小西
統括国有財産管理官理財局から指示を受け、改ざんした決裁文書の提出に関与行わない懲戒処分は受けていないが、そもそも理財局からの指示池田
国土交通省空港業務課職員交渉記録を提出しなかった行わない故意又は重大な過失があったとは認められない

注)・上記の表の内容については、スペースの関係上、主旨を改変しない範囲で一部省略や表現を変えている場合があります。
・会計検査院は懲戒処分の検討を上記職員にしか行っていない。特に本省理財局の職員に対して理財局長のみを対象にしている不自然さについては、当ブログ記事「森友問題」会計検査院報告の「その後の検査について」(2018/11/22)のまとめと考察(後半)―内容の考察を参照。
・備考は、個人的なメモなので無視してください。

会計検査院、”「学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査の結果について」(平成29年11月報告)に係るその後の検査について”、2018年12月6日。
http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/29/pdf/301206_sonogo_01.pdf(参照2019-04-04)

当ブログでの公表当時の考察は、
「森友問題」会計検査院報告の「その後の検査について」(2018/11/22)のまとめと考察(前半)―要点の整理”、
「森友問題」会計検査院報告の「その後の検査について」(2018/11/22)のまとめと考察(後半)―内容の考察”、
「森友問題」会計検査院報告「その後の検査について」(2018/11/22)から抜け落ちた「公租公課」について”。

2019/03/14大阪地裁判決

近畿財務局長が不開示決定したことに対する損害賠償請求
(被告)国
(判決)不開示としたことについて、国家賠償法1条1項の違法があったものと認められる。(近畿財務局長等の故意・過失について)認めるに足りる証拠はない。(原告は)5万5000円(と遅延損害金)を支払え。

注)・上記の内容については、スペースの関係上、主旨を改変しない範囲で一部省略や表現を変えている場合があります。
・2019/03/29までに、原告・被告両方が控訴しなかったため、判決が確定。

国有地低額譲渡の真相解明を求める弁護士・研究者の会、「1_森友事件_第3弾_一審」、”森友問題でやっと国民の常識が通用した判決がでました。”、2019年3月14日。
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wp-content/uploads/2019/03/1_森友事件第3弾一審.pdf(参照2019-04-06)

朝日新聞デジタル、大貫聡子、”森友学園の設置趣意書、「不開示は違法」判決が確定”、2019年3月29日11時54分。
https://www.asahi.com/articles/ASM3Y2T4WM3YPTIL00N.html
(参照2019-04-06)

2019/03/15大阪第一検察審査会不起訴不当決議

背任罪、証拠隠滅罪及び証拠隠滅教唆罪
(被疑者)下図の通り
(決議)下図の通り

背任罪について

役職名(当時)背任罪不起訴処分理由備考
近畿財務局局長相当売払いの意思決定は前局長によってなされたものと認められる美並
近畿財務局局長相当統括の説明を信じたとしてもやむを得ない武内
国有財産審理室長相当同上田村
統括国有財産管理官不当「生活ゴミは契約範囲外」なのでその責任をすべて国が負うのは納得できない。自己保身のために売払いに動いたと推認される。池田
上席管理官不当統括に何ら異議を挟まずに、撤去費用の積算を大阪航空局に指示。学園側からのクレームは長期にわたり、統括に劣らないほどだったのでは。三好
大阪航空局局長相当補佐から積算を行ったと知らされていない事情もあり、決裁したとしてもやむを得ない面がある加藤
大阪航空局補償課補佐相当ゴミの撤去処分によって損害賠償請求を受けることを回避。財産上の損害を与えようとはしていなかったと認められる。安地
氏名不詳者相当本件不起訴記録からは何らかの便宜を図ったことがうかがえる証拠は認めなかった。しかし、本件記録による証拠のみでは、判断しがたく、検察官はさらに捜査を尽くすべき

証拠隠滅罪及び証拠隠滅教唆罪については、不起訴相当。

(理由)不起訴処分の裁定を覆すに足りる証拠がない

注)・上記の内容については、スペースの関係上、主旨を改変しない範囲で一部省略や表現を変えている場合があります。
・被疑者は氏名で告発されているため、役職名で置き換えましたが、情報が不十分なため正確でない可能性があります。
・備考は、個人的なメモなので無視してください。

国有地低額譲渡の真相解明を求める弁護士・研究者の会、「
2_背任罪に関する議決の要旨」、”3月29日大阪検察審査会は森友問題で佐川らに不起訴不当決議が下記の通りでました。”、2019年3月14日。
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wp-content/uploads/2019/03/2_背任罪.pdf(参照2019-04-06)

有印公文書変造・同行使罪、公用文書毀棄罪
(被疑者)下図の通り
(決議)下図の通り

有印公文書変造・同行使罪、公用文書毀棄罪の不起訴処分について

役職名(当時)有印公文書変造・同行使罪不起訴処分公用文書毀棄罪不起訴処分理由備考
理財局長不当不当指示していないという本人の供述に信用性がない。仮に具体的な指示がなかったとしても責任は重大。佐川
総務課文書係長相当相当裁定を覆すに足りる証拠がない小西
総務課長不当不当中核的な役割を果たしており、責任は重大中村
国有財産審理室長不当不当近畿財務局に指示を行うとともに作業を進めている等、深い関与が認められ、責任は重大田村
国有財産業務実務指導官相当相当裁定を覆すに足りる証拠がない和田
国有財産審理室課長補佐相当相当同上河野
近畿財務局管財部次長相当上からの命令に逆らえなかったと感じられることから、責任は問えない。松本
統括国有財産管理官相当相当(前者)裁定を覆すに足りる証拠がない。
(後者)上からの命令に逆らえなかったと感じられることから、責任は問えない。
前西
上席管理官相当相当上からの命令に逆らえなかったと感じられることから、責任は問えない。三好
統括国有財産管理官相当同上池田
氏名不詳者相当相当裁定を覆すに足りる証拠がない

注)・上記の内容については、スペースの関係上、主旨を改変しない範囲で一部省略や表現を変えている場合があります。
・被疑者は氏名で告発されているため、役職名で置き換えましたが、情報が不十分なため正確でない可能性があります。
・備考は、個人的なメモなので無視してください。

国有地低額譲渡の真相解明を求める弁護士・研究者の会、「3_公文書変造罪及び公用文書毀棄罪に関する議決の要旨」、”3月29日大阪検察審査会は森友問題で佐川らに不起訴不当決議が下記の通りでました。”、2019年3月14日。
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wp-content/uploads/2019/03/3_公文書変造、公用文飾毀棄罪.pdf(参照2019-04-06)

同上、「4_公用文書毀棄罪に関する議決の要旨」、”3月29日大阪検察審査会は森友問題で佐川らに不起訴不当決議が下記の通りでました。”、2019年3月14日。
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wp-content/uploads/2019/03/4_公用文書毀棄罪.pdf(参照2019-04-06)

当時の肩書等については、下記を参考に。

同上、「公文書変造罪(刑法155条2項)などの告発状」、”
4月18日、公文書変造罪(刑法155条2項)で大阪地検特捜部に告発しました”、2018年4月19日。
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wp-content/uploads/2018/04/公文書変造罪%EF%BC%88刑法155条2項%EF%BC%89などの告発状.pdf、p12。(参照2019-04-06)

同上、「公用文書毀棄告発状」、”5月30日、公用文書毀棄罪(刑法第258条)で大阪地検に告発しました”、2018年5月30日。
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wp-content/uploads/2018/05/公用文書毀棄告発状.pdf、p20。(参照2019-04-06)


(感想)

今回、こうやって、これまでの報告書・起訴内容等の結果をまとめてみたが、改めて感じたのが、どの報告も全体を包括できておらず不十分であることだ。

二度にわたる会計検査院の報告は、いずれも「懲戒処分の要求をしない」という内容ありきで、処罰を避けられない対象者を意図的に外しているように見える。

財務省の改ざん報告書では、改ざん行為に対して軽すぎる処罰を下しているだけで、国有地売却の妥当性については触れていない。

大阪地検は、検察審査会に不起訴不当と議決されたように、捜査を尽くさずに不起訴を決めていた。

検察審査会は、検察による不十分な証拠しか提示されていない中、良識に従った常識的な判断をしたと言えるが、限られた証拠では限界もある。

例えば、財務省の改ざん報告書では、国有財産企画課長も改ざんに深く関与していたと認定されているが、起訴状には被疑者として名指しされていないなど、後から明らかになった事実に追いついていない面も見られる。
(個人的には、背任罪で、検察審査会が、大阪航空局補償課補佐を「ゴミの撤去処分によって損害賠償請求を受けることを回避」と認定しているが、「ゴミストーリー」については発案者が注目点であるため、もっと深く突っ込んで欲しかったところだ。)

検察審査会が指摘するように、検察は捜査を尽くすべきだ。

森友問題は終わっていない。

更なる情報に期待したい。

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