「新聞週間」の読売新聞世論調査は2022年もやっぱりすごい

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《以上広告アナウンスでした。以下本文》

2022年も、秋の新聞週間がやってきた。毎年10月15日からの1週間だ。

例年おなじみの光景なのだが、毎度のごとく、読売新聞は、秋の新聞週間に先立って行った全国世論調査の結果を公表してくれた。

読売新聞社は、15日からの新聞週間に合わせ、新聞やインターネットなどメディア全般に関する全国世論調査(郵送方式)を実施した。

読売新聞、2022年10月13日朝刊、大阪本社版、13S、1面。<特集12・13面>。

・・・と、去年書いた当ブログ記事”「新聞週間」の読売新聞世論調査は2021年もやっぱりすごい”のほぼコピペ(年月日等を修正)で、今年2022年分の記事を書こう(コピペしよう)と思ったが、読売新聞の記事の冒頭部分が微妙に去年と異なっていることに気付いた。(2022年分は上記引用部分、去年2021年の分は同記事を参照。)

また今年も例年とほぼ同じ内容(個人の憶測です)だろうから、今年のブログ記事もコピペでいいだろうと思いきや、微妙なところで変化をつけている、読売新聞新聞週間世論調査は2022年もすごいかもしれない。

秋の新聞週間の「お約束」の約束破り

世論調査の内容に入る前に、この時期の「お約束」について触れておきたい。(去年に引き続きの個人の約束です)

秋の新聞週間では、その年度の新聞協会賞も、先立って発表される。

2022年度新聞協会賞

一般社団法人日本新聞協会、トップページ>日本新聞協会について>表彰事業>新聞協会賞、新聞経営賞、新聞技術賞、「新聞協会賞、新聞経営賞、新聞技術賞受賞作」、”2022年度新聞協会賞”。https://www.pressnet.or.jp/about/commendation/kyoukai/works.html(参照2022-10-15)

受賞作については、上記のページを参照していただくとして、今年は、読売新聞が、新聞協会賞の受賞を逃・・・さなかった。前回受賞したのが2015年なので、7年ぶりの受賞となる(個人の観測結果です)。

この時期おなじみだった「ノーベル文学賞受賞ならず」が、ここ最近はそれほど注目されなくなった(個人の感想です)ことと同様に、読売新聞の新聞協会賞にも期待していなかったので、今回の受賞には不意を突かれて驚いた。関係者の方、おめでとうございます。

その時の個人的感想については、当ブログ記事”今日も読売新聞はやっぱりすごい(2022年下半期)”「・2022/09/08(木)朝刊1面」を参照していただければと思うが、正直に言うと、この記事を見たときはスクープという印象はなく、驚きもなかった(個人の印象です)ので、今回、この記事で新聞協会賞を取れたこと自体に驚いた。(個人の驚きです)。

2022年度新聞協会賞の対象期間ギリギリだったことや、その割りにしては衆目一致して受賞とは言い切れない(個人の衆目です)ため、長らく受賞できていないお情けのようにも見えても仕方がない状況(個人の見え方です)で、久々に受賞できた読売新聞はやっぱりすごい。

2022年も「今年もやっぱり」ですごい

話がそれてしまったが、2022年の全国世論調査の内容について。

先に結論を言うと、経年比較できる項目については、

今年もほとんど変化なし

だった。以上だ。

・・・と言うと、「ホントに調べたのか?」と疑う人もいるかもしれないので、(今年も)簡単に指摘だけ。(個人調べ)

経年比較できる内容については、(読売紙面で掲載されている数字は小数点以下が四捨五入されたものであり、それら同士での比較ではある程度の誤差があるという前提で)、まず、 回答率(有効回答率)については、1ポイントの差(ダウン)だった。ほとんど変化なしと言っていいだろう。(なお、返送数は去年と比べて約1.8ポイントのダウン)。

そして、掲載されている毎年同じ質問と選択肢の回答について主なものをざっと調べてみると、今年の回答は、前年と比べるとほぼ同じで、違ってもほぼ2ポイント差以内で、選択肢が多くて差が出やすい回答でもだいたい5ポイント差に収まっていた。(個人調べ)。

変化のない質問を今年も続け、やっぱり変化がなかったことを改めて確認する読売新聞は今年もやっぱりすごい。

今年の「答えない」質問は?

去年のブログ記事では、有効回答の内、「答えない」との回答の割合について注目した。

「答えない」という答えが多かった質問は、質問として問題があるのではないのか

という観点からだ。

たとえば、「質問の意味が分からない」、「当てはまる選択肢が存在しない」などの理由がある場合は、「答えない」が増えることが予想できる。

2022年のベスト・オブ・「答えない」質問は

そこで今年も、「答えない」の割合に注目すると、掲載されている質問と回答[読売新聞、同上、13面]の中で、「答えない」が一番多かったのは、

◆ツイッターやユーチューブなど、インターネット上で個人が自由に発信している情報について、あなたの考えに近いのはどちらですか。
・多様な情報や考え方が世の中に広がり、社会が豊かになる。  35
・偏った情報や考え方に影響される人が増え、社会の分断が広がる。  54
・答えない  11

読売新聞、2022年10月13日朝刊、「質問と回答(数字は%)」。大阪本社版13S、特別面13面。

の質問と回答で、「答えない」は11%にもなっていた。

例年行われる他の質問などでの「答えない」が、ほとんど1%か2%であることを考えれば、この11%という数字は大きすぎる。

しかも、「あなたの考えに近いのはどちらですか」との問いかけで、選択肢が(「答えない」を除けば)2択であったことを考えれば、「答えない」が1割以上あったのは、質問として問題があったと判断せざるを得ない。

さらに言えば、質問だけでなく、選択肢も、問題があったのでは、と考えられる。

この回答の選択肢は、他の質問の選択肢と比べても、文章が長めになっている。質問では「あなたの考えはどちらが近い?」と2択を迫られているのに、選択肢が説明を重ねる文章のため、対立する2項として見られにくくなった可能性がある。選択肢は長くするのではなく、シンプルに、「社会が豊かになる」、「社会の分断が広がる」としておくべきではなかったか。

読売新聞はいかに評価して記事にしたか

読売新聞では、この質問と回答について、特集面で記事にして、次の見出しで取り上げている。

「偏った情報 社会分断」54%

読売新聞、同上、特別面12面。

正直、この見出しも、苦しい。(個人の苦しさです)。

この見出しだけであれば、”「偏った情報は社会分断させますか?」はい54%(いいえほか46%)”だと受け取るのが普通だろう。この場合、「偏った情報が社会を分断させるのは当然だろうに、世間は半数強しかそうおもってないの!? 逆に残りの反対は、偏った情報でも分断させないと思っているのか!?」と、誤認させかねない。

実際の質問と回答の選択肢を見ればわかる通り[同上]、この見出しは、

「多様な情報 社会豊かに」35%

との対比になる。(さらに言うと、「答えない」11%)。

この対比させる項目が見出しで明示されていないため、”「偏った情報 社会分断」54%”という数字が、大きいのか小さいのか、実感に合うものなのか予想外のものなのか、どう評価していいのか分からない。それどころか、ミスリードさせても仕方がないようなものになっている。

また、読売新聞は、この記事の書き出しで、

SNSやユーチューブなどインターネット上で個人が自由に発信する情報は社会にとってプラスかマイナスか――。調査では(後略)

読売新聞、同上、特別面12面。

と、実際の質問文と違う形で、今回の質問の目的・意図を、端的に、まとめている。実際の質問では「答えない」の回答が多くて質問に問題があったのではという疑問がぬぐえないことを考えれば、こっちを質問文にすればよかったのでは、と思わざるを得ない。

さらに記事では、年代別の回答割合を明かしてくれていて、円グラフにまでしてくれている。「18~39歳」・「40~59歳」・「60歳以上」の3つの世代に分割して、それぞれの回答割合を表示し、60代以上では「分断が高まる」が(59%で)多く(「豊かになる」22%)、「18~39歳」では「豊かになる」50%・「分断が高まる」48%で「ほぼ並んだ」としている。

得られた回答から、何か情報を得ようと読売新聞も必死で分析を試みようとしているのが分かる。例年の変化の乏しい回答や、新たに質問しても「答えない」の割合が多い手ごたえの無い回答がほとんどの中、何とか特別面で記事を埋めようと努力の跡が見える内容だ。(個人の感想です)。

読売新聞が紙面で評価しなかった「答えない」

ただ、この世代別回答を見て、私が驚いたのは、読売新聞が記事本文でピックアップしようとした内容(「豊かになる」と「分断が高まる」の世代別割合)ではない。トータルの数字を見ただけでは分からなかった、世代別の「答えない」の割合だ。

この質問での各年代の「答えない」の割合だけをピックアップすると、

「18~39歳」2%
「40~59歳」7%
「60歳以上」19%

だった。[同上の記事より、年代と「答えない」の回答率のみをピックアップ]

読売オンラインでの紙面ビューア(会員限定)での読売新聞2022年10月13日朝刊(大阪本社版13S12-13面)をスクリーンショットして一部を切り抜き、一部にモザイクをかけ加工し、個人的な意見をマーカーで付け足した[撮影2022-10-15・加工2022-10-21]

(年代別ではないトータルの)「答えない」が11%であったことを振り返れば、「60歳以上」の19%という数字が、トータルの「答えない」という数字を大きく引っ張ったことが分かる。

「18~39歳」での「答えない」2%という数字は、他の例年行っている質問での「答えない」の回答割合と遜色ない。「答えない」の割合を「質問の適切さ」の指標としてみる立場からすれば、この質問は、(この世代に限っては)問題なかったと評価できる。

逆に、「60歳以上」で「答えない」が19%にも上がったことは、特記すべきことだろう。(その世代で)ほぼ2割が「答えない」のは、質問文や選択肢に問題があった、との判断を下すのに十分な大きさだ。

ここでの、世代別での「答えない」の割合の差こそ、注目すべきで、そこから、様々な疑問が出てくる。思いつくままざっと羅列すると、

  • 今回の質問文(または選択肢)に60歳以上の世代にとって分かりにくい内容(用語)が含まれていたのか?
  • この質問に限らず、「答えない」の割合が世代別に有意な差があるのか?
  • 選択肢の文章の長さに応じた「答えない」の世代別割合に関連性はあるのか?

などなど。

これらの疑問を解消するのには、他の質問での世代別「答えない」割合の数字が必要になるが、残念なことに、読売新聞紙上では、この質問以外で、年代別「答えない」の割合が分かるのは、安倍氏銃撃の搬送写真掲載についての質問のみだった。(ちなみに、この質問では、トータルでの「答えない」の割合が5%で、「60歳以上」の「答えない」の割合が他の世代の数字を引き上げている結果になっている。個人調べ。)

こんな興味深い違いのあるデータがあるのに、記事では一切触れようとしない読売新聞はやっぱりすごい。特集面でスペースはいっぱいあるのに。

今年もやっぱりですごかった

読売新聞の新聞週間全国郵送世論調査については、毎年の事なので、もう今年はブログ記事にしなくてもいいのかな、と思いつつ、今年もついつい書いてしまった。

「今年もいつもと同じだろう」と思い込んで、もう発見がないと思いきや、

「答えない」の割合が、世代別で差があるのでは

という新たな疑問の発見があった。(個人的な発見です。他の人にとってはそうでもないかもしれません)。

毎年、「今年は新たな発見はないだろう」と思わせつつ、読売新聞が記事にしない所にこそ、興味深い発見がある。

ここまでくると、読売新聞は、読者に新たな発見をさせるために、わざと触れずに取り上げないようにしているのかとさえ、思えてくる。(個人の曲解です)

今回の特集記事でも、見出しを

新聞報道「正確」7割

同上。

とし、記事でもこの調査結果から「高い信頼感」[同上]と誇っているが、逆に言えば、3割は不正確である(実際には、掲載されている調査結果より、「正確に伝えていない」は「あまり」「ほとんど」と合わせて25%。個人の確認です)ことを、暗に主張しているとも見えなくもない。(個人の感想です)

「読売新聞が記事で取り上げないことにこそ、大事な情報がある」と、わざわざ新聞週間全国郵送世論調査をして読者に伝えているようかにもみえる、読売新聞は、新聞週間でもやっぱりすごい。

「新聞週間」の読売新聞世論調査についての当ブログでの過去の記事は

「新聞週間」の読売新聞世論調査は2021年もやっぱりすごい
「新聞週間」の読売新聞世論調査は2020年も安定してやっぱりすごい
「新聞週間」の読売新聞世論調査は2019年も予想通りでやっぱりすごい
「新聞週間」の読売新聞世論調査は2018年もやっぱりすごい
新聞週間(2017/10/15~21)でも読売新聞はやっぱりすごい(2017/10/13~21)


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