「森友問題」首相夫人付きの回答(いわゆる谷FAX)の時系列整理をして見えた疑問点(2019/05/08時点)

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架空小説「仮名手本森友学園」

森友問題では、証言の食い違いが数多く存在し、そのまま放置されてきて、その状態は今も続いている。

「登場人物全員うそつき」の面目躍如といったところか。

そしてまた今回、森友問題に、一つの食い違いが加わった。

森友、首相夫人付職員が面会否定 減額交渉巡り財務省幹部と

一般社団法人共同通信社、2019/5/7 16:42、5/7 16:45updated。https://this.kiji.is/498399973113840737(参照2019-05-08)

この件については、2019/03/18に行われた籠池氏の証言、

「首相夫人付が財務幹部と面会」 籠池泰典氏が主張、森友減額で

一般社団法人共同通信社、2019/3/18 21:46。https://this.kiji.is/480352821077034081(参照2019-05-08)

に対する事実関係の確認だったが、1ヶ月半以上もかかった末に、食い違いを解消できないというお粗末な回答だった。

夫人付き職員によるものと言われているFAX(いわゆる谷FAX)に関しては、官邸が黒塗りをし忘れるほどあわただしく公表したことや、「官邸周辺の評論家」が一斉に同じことを言いだしたという指摘や、その後、当事者である職員がイタリアへ出向した点など、不自然な点が多い。

そこで今回、改めて、谷FAXの時系列をまとめ、整理したい。

公開:2019/05/08

谷FAXを巡る今回の食い違いの内容

今回の内容については、

2019/03/18、野党合同ヒアリングで、籠池氏が、

谷査恵子氏から電話で「財務省国有財産審理室長と会って話した。これで前に進んでいきます」と伝えられた

同上。https://this.kiji.is/480352821077034081(参照2019-05-08)

と述べたことから、財務省・経済産業省には事実関係の確認を求められていた。

財務省は面会の事実を否定したが、経済産業省は谷氏への確認に時間が掛かり、ようやく出た回答が、

「森友学園に関し、田村嘉啓室長を含む財務省理財局の方と面会したことはない」

同上。https://this.kiji.is/498399973113840737(参照2019-05-08)

というもので、籠池氏の証言と食い違いが出た。

(ただし、記事の情報からのみで判断すると、

籠池氏の証言は、「○○と伝えられた」
谷氏の証言は、「○○したことはない」

であり、「○○ではないことは事実だが、谷氏が籠池氏に○○と(ウソを)伝えた」という解釈をすれば、厳密に言えば食い違いは生じていない。もちろん、これで納得する人はいないだろうが。)

そして、谷氏のこの回答は、疑問を解くものではなく、新たな疑問を生み出すことになった。

そもそもの谷FAXの時系列

2015/10/26 籠池(手紙)→谷夫人付き
2015/11/05 籠池→近畿財務局「総理官邸秘書にも文書により伝えている(秘書からの回答はない)」《応接録》
2015/11/10 谷(電話)→理財局国有財産業務課「担当者不在」《応接録》
2015/11/12 10:00~10:10田村理財局国有財産審理室長(電話)→谷《応接録》
2015/11/12 16:00近畿財務局池田(電話)→大阪航空局安地《共産党入手文書》
2015/11/17 谷(FAX)→籠池

[2019/05/08作成]

注)・敬称略。
・スペースの関係上、一部表現に省略あり。
・2015/11/12の審理室作成応接録のヘッダーには、
「配布先:国有企画課長、中村総括、審査係、国有業務課長、荒瀬総括、国有審理室、近畿局」
・2015/11/12の共産党入手文書では、「11/11に安倍総理夫人付きのタニ(女性)氏から、森友学園に係る以下の問合せが財務本省にあり、11/12に回答を行い理解頂いた」となっている。11/11が11/10の間違いか、それとも11/11に会っていたかどうかについては不明。

それぞれの参考文献は、上から順に、

しんぶん赤旗、”「森友」疑惑 籠池氏の要望に「満額回答」 大門議員 夫人付への手紙 独自入手 参院決算委”、
2017年3月29日(水)。http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-03-29/2017032901_04_1.html(参照2019-05-08)

財務省、「決裁文書に関する調査について」、「
森友学園等との交渉記録【売却まで】(ファイル容量が大きいため分割しております。」、”ファイル3(PDF:15315KB)”、平成30年5月23日。[原稿p728-720、PDFページ226-228]。https://www.mof.go.jp/public_relations/statement/other/20180523p-3.pdf(参照2019-05-08)

同。[原稿p721、PDFページ229]。https://www.mof.go.jp/public_relations/statement/other/20180523p-3.pdf(参照2019-05-08)

同。[原稿p722-723、PDFページ230-231]。https://www.mof.go.jp/public_relations/statement/other/20180523p-3.pdf(参照2019-05-08)

日本共産党、「記者会見で公開した森友関連の文書」、「6月18日、辰巳孝太郎議員が記者会見で公開した新文書2種類」「PDF形式のファイル」、” ①近畿財務局処分依頼案件の状況について、②応接録の公表についての検討メモ”。[p1]。
https://www.jcp.or.jp/web_info/images/20180618_moritomo_tatsumi.pdf(参照2019-05-08)

The Huffington Post Japan、ハフィントンポスト編集部、”【森友学園】籠池氏が安倍昭恵夫人側から受け取ったFAX全文を公表 「財務省に多少の動きを」に自民議員は「疑念」”、2017年03月23日 18時18分 JST|更新2017年03月23日 20時17分 JST。https://www.huffingtonpost.jp/2017/03/23/moritomo-gakuen_n_15558714.html(参照2019-05-08)

そもそもの谷FAXの疑問点

政府側が説明するように、谷氏と財務省側の接触が、公開されているもののみである場合、時系列を確認すると、

谷氏は、11/12の10分間の電話のみで財務省本省の回答を理解し、後は独力で1枚にまとめたうえで籠池氏にFAXで回答した

ということになる。

これは賞賛すべき事務能力であるが、当初より、

福山哲郎君「(省略)彼女がこんな文書を自分で判断して一般的には書けません。それは、書けませんというのは能力の問題ではありません。職務上書けません。」

国会議事録検索システム、”第百九十三回国会参議院予算委員会会議録第十六号”、平成二十九年三月二十四日。[p13]。http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/193/0014/19303240014016.pdf

と、疑問視されていた。

そして今回、

谷氏が「田村嘉啓室長を含む財務省理財局の方と面会したことはない」と証言

したことにより、別の疑惑が起こることになった。

二通り考えられるが、一つは、

財務省本省と谷氏との間で文書のやり取りがあったのでは

という疑惑だ。

そもそもの問題として、特例を重ねた上での複数の要望に対し、10分の電話口だけで理解してまとめるのは不可能であり、何らかの文書でのやり取りがあったと考えるのが当然だ。

しかし、政府にとってはその文書を認めるわけにはいかない。何しろ、谷FAXは「公務員としての丁寧な対応」であり「(組織的に用いる)行政文書には当たらない」というのを建前としているため、その作成に省庁をまたがってやり取りをした文書は行政文書として保存対象になってしまい、矛盾してしまう。

ここからは推測になるが、面会を認めてしまえば、その際の面会記録を要求されることも分かっている。当然それに付随した書類も残っている。都合の悪い政治案件である記述もあるだろう。
しかも、改ざん発覚後に公開した記録には、それを含めていない。公開された記録は、近畿財務局職員が残していた記録が中心で、本省の記録は破棄をしてしまったことにしていて、今さら公開できない。財務省がまだ記録を隠しているとばれてしまう。なかったことにしよう。
というのが、有りそうなパターンだ。

逆に言えば、面会自体は、今となってはそれほど重要でなく隠す必要がない。(問題発覚当初は、改ざん・隠蔽してまでも隠そうとしただろうが。)
それでも否定するということは、面会自体ではなく、面会の背後にある文書、組織的な対応を隠そうとしている疑いがある。

もう一つの疑いは、

谷氏は、同僚・上司に相談して、財務省理財局と面会したのは同僚・上司だった

というものだ。

谷氏の証言「面会したことはない」が額面通りに事実だった場合、独力で回答書をまとめられたのかという当初からの疑惑は解消されないままだ。

そうなると、谷氏ではなく、谷氏の同僚もしくは上司が、財務省本省の職員と面会したと考えれば、疑問点は解消する(特に審理室長と夫人付きではカウンターパートナーとならないため、それに対応する人物が応対した可能性が考えられる)。もちろん、谷氏の「面会していない」という発言もウソではなくなる。

ただし、この場合、当然のことながら、「谷氏が独自に対応した」という建前は崩れてしまい、組織的に対応したことが分かるため、隠さざるを得なくなる。

いずれにせよ、谷氏が独自で対応した、という点は疑わしく、かつ、政府はそれを認めるわけにはいかず隠してなかったことにしてしまうしかない。そしてそのような改ざん・隠蔽をしてきた実績がある組織なのだ。

今回、森友問題でまた一つ食い違いが発生したが、政府からそれを解消する答えは出てこなかった。当事者が表に出てこない限り、疑いは晴れないままだ。

谷氏には、そもそもの疑問、「あのFAXを10分間の電話だけで回答を作成できたのか」という点を、説明して欲しいものだ。

更なる情報に期待したい。


過去の考察のカテゴリーはこちら→「森友問題」考察

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