読売新聞政治面連載記事「令和へ 地方の課題」がスタート(2019/04/16~)して第1回目からグラフの使い方がすごい

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この記事のこの場所に「この記事には広告が含まれます」という一文が目立つように書いてあります(ここはそういうところですよ?)
《以上広告アナウンスでした。以下本文》

新聞休刊日だった2019/04/15(月)の翌日から、読売新聞朝刊の政治面で連載記事が始まった。

令和へ 地方の課題

読売新聞、大阪本社版、2019年4月16日(火)、政治4面、13S。

第一回となる記事を読むと、生産年齢人口の減少について、地方でよりひどく影響が出ていて、様々な地方でいろいろな対策を取っているという具体例を載せていた。ただ、重要な問題であることには間違いないが、既視感がある話で、「似たような特集は社会面で何度も見た気がするが、なぜ、今回、政治面で?」という疑問が。

だが、この疑問に関しては、第1回目の記事のグラフの中に、すでに答えがあった。

当ブログでは、前回、2019/03/20読売朝刊の経済面の表が分かりにくすぎて、逆に分かりやすくてすごい[2019/03/22公開]と指摘したばかりだが、読売は、経済面だけでなく、政治面でも、分かりにくいグラフで分かりやすい意図を伝えていた。

分かりにくいグラフで、分かりやすい意図を伝える読売新聞はやっぱりすごい。(←やっぱり、分かりにくい)。

証拠画像

読売新聞 大阪本社版 2019年4月16日朝刊、4面、13S。同上記事内の図。読売オンラインの紙面ビューアー(会員限定)のスクリーンショットから画像を切り抜き、プライバシー保護のため一部画像を修正しています。(参照2019-04-17)。

このグラフのタイトルは、「生産年齢人口と増減数の推移」となっていて、

・上に生産年齢人口の「折れ線グラフ」
・下に前年からの増減数の「棒グラフ」

というように、二種類のグラフを載せ、横軸の年を共通のものとして比較できるようになっている。

二種類のグラフが載っているので、お得感があるように見えるが、下の増減数は上の生産年齢人口の折れ線グラフから導き出せる内容であり、情報的には繰り返しに過ぎない。

しかも、グラフを合体させるのであれば、縦軸が同じ単位であるので目盛りも共通にすべきところ、目盛りを上下で変えてしまっているため、かえって混乱を生む元となっている。これなら下のグラフは出さない方がマシに思える。

そしてこのグラフの、最大の意味不明さは、この二つのグラフの空いたスキマにスッポリと入るようにスーツ姿の男性A氏を載せていることである。

この写真に対する説明は、一切ないので、解釈に困ってしまう。多分、安倍首相のように見えるが、定かではない。普通なら、「記者団に答える安倍首相(写真中央)」というような説明が入っているものだが、今回は、何の説明も入っていないので、全くの一般人である可能性も捨てきれない。(そのため、プライバシー保護のため目線に黒線を入れざるを得なかった。)

仮に、安倍首相本人だったとしても、記事タイトルが「令和へ 地方の課題」であり、記事本文にも「安倍」の文字は1か所だけで、しかも「安倍内閣は地方創成の具体策として14年、(後略)」とあるだけで、主題にはほど遠く、写真を載せる必然性は全くない。また、グラフも「生産年齢人口と増減数の推移」で、1990年から2018年の長期間を載せてあり、いくら森羅万象を担当していると言っても、安倍首相1人がこのグラフを代表するのは、おこがましい。つまり、この記事、このグラフにこの写真を載せた理由が、全く説明付かないのだ。

そもそも、生産年齢人口は、15歳から64歳までの人口であり、国内外への移住による移動や死亡等による数の増減はあるものの、基本的には、今年15歳になった人口から今年65歳になった人の人口を引くことである程度の数字は予想できる。いわば、極端な話、15年前から分かっていた話である。

例えば、下の棒グラフでは、2011~2014年までの増減数が-120万人近くあるが、2015年には急に半減しているので、何らかの成果があったかのようにも見える。しかしこれは単に第一次ベビーブームの世代が65歳以上になったことで減少数が減ってきたからに過ぎない。当たり前の話だが、2014年に何らかの具体策を行ったからと言って、いきなりその翌年から15歳から64歳の人口(生産年齢人口)が改善するわけではない。

ところが、先に、記事本文には、1か所だけ「安倍」の文字があると指摘したが、その内容は、「安倍内閣は地方創成の具体策として14年、」というように、唐突に、しかも2014年という数字をぶち込んできている。

そうすると、グラフを読み取る能力に劣る人にとっては、

・表の中に安倍首相の写真
・記事に、安倍内閣は2014年に具体策を行ったという記述
・情報の繰り返しに過ぎない増減数を目盛りを変えてまで強調
・(15年前からほぼ決まっていたことだが)2011~14年の間の減少数が2015年になって約半減している

という状況から、まるで、「2015年の半減が安倍内閣の成果だ」と勘違いしてしまう可能性がある。逆に言えば、数々のこんな不自然なことをした読売新聞は、ミスリードを意図したのではないかと疑われても仕方がないだろう。

だがここまで来て気が付いた。

グラフに安倍首相を載せる必然性がないのではなく、グラフに安倍首相を乗せるためにこの記事、そして連載が始まったのではないか。

そう考えれば、当初の疑問、

「なぜ政治面で?」

は解決したも同然だ。

また、表で、繰り返しの情報となる増減数を、目盛りを強調してまであえて載せた理由もつく。特に、増減数が1995年と2010年でプラスになっているがその棒グラフの間に挟むように写真を載せたり、右肩下がりのグラフと対象になるように右手を上げた写真を採用しているのは、偶然というよりも、むしろ写真ありきでグラフを作ったかのようなバランスの良さだ。

分かりにくいグラフで、一見すると意図が分かりにくいが、実はわかりやすい意図を読者に提供しているかのような、読売新聞は、やっぱりすごい。

(参考)このグラフを基にしたと思われる落書きを、たまたま見つけたので、参考までに紹介したい。

記事内の同上写真を加工したものだと思われる。プライバシー保護のため、目線は引用者が加工しました。(参照2019-04-18)

(参考)

総務省統計局、
”人口推計(平成26年10月1日現在)”。http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2014np/(参照2019-04-18)

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