9/17の読売新聞の政治欄がすごい

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読売新聞の政治記事は、基本的には、日曜日はお休みである。(昔は月曜日がお休みだった記憶があるが。)

ところが、2017/09/17(日)の読売新聞は、お休みなのに、気になる政治記事を載せていた。これは何かあると、探ってみた。

9/17の最大のニュースは「衆議院解散へ」だったが、残念なことに、9/17の読売新聞朝刊の一面には、衆議院の解散報道については触れられていなかった。どうやら、NHKの深夜2時台のニュースが一番乗りだったらしい。前回2014年の衆議院解散ニュースが読売新聞のスクープだっただけに、残念である。

ただ、首相直々熟読指定の読売新聞が解散報道するまではデマの可能性がある、と思ったら、翌日の9/18の読売朝刊にはしっかり解散報道を載せていたので、どうやら、解散は事実で、このスクープを他社に取られたようである。

前川氏の記事も含め、あれだけのことをして尽くしておきながら、官邸のスクープを取れなかった読売新聞には同情せざるを得ない。

それはさておき、今回9/17(日)の読売新聞で気になったのは、

政なび 偉人に重ねるストーリー(岡田遼介)

2017年9月17日読売新聞朝刊4面(政治・経済欄)

である。

この記事では、内閣改造を控えた7月に岸田氏が、首相と会食した際に、大和田秀樹「疾風の勇人」(講談社)の漫画を首相に勧めたら、

安倍氏は「へぇー」と興味深そうに相づちを打った。

同上

だがその後で安倍氏の祖父の岸信介が敵役として登場することに気づいた

岸田氏は、「ちょっとまずかったかなあ」と周囲に漏らしたが安倍氏は意に介さなかったようだ。

同上

という流れだった。

まず前提として押さえておきたいのが、漫画「疾風の勇人」の位置づけである。

「疾風の勇人」は、連載中の誌上で「次回で最終回」とされ、2017年6月1日発売の雑誌で最終回を迎えた。読者にとってはその終わり方が唐突に見えたため、様々な憶測を生み、その原因の一つとして、岸信介を「昭和の妖怪」としてデフォルメしたのがある筋の怒りに触れたためではないか、という見方も出て、雑誌の編集部がそれを否定する、という騒ぎがあった。

J-CASTニュース ニュース 社会
”池田勇人マンガ「疾風の勇人」突如終了 「圧力」憶測をモーニング編集部に聞く(2017年5月30日)”、2017年9月19日閲覧。
https://www.j-cast.com/2017/05/30299180.html

注目したいのは、読売新聞の記事では、

  • 安倍首相は7月の時点で、連載打ち切り騒動を知らなかった。
  • 安倍氏は意に介さなかったようだ。(なぜなら岸田氏を政調会長に起用したから)。

ことをわざわざ伝えたいように見えることだ。

ここでリンクするのは、

安倍首相にかかわることで何かあれば些細なことでも関連付けて批判する側と、

それに対して、安倍首相は関係ないとそれを否定をしようとする側との、

森友・加計・日報問題でも見られた対立だ。

正直、「疾風の勇人」の打ち切り騒動の真偽は、先に引用したJ-castニュースの記事がすべてで、憶測の持ちようもないと私は見ているが、それでも「安倍首相は関係ない」とわざわざ憶測した上でフォローする記事を載せたかのように見られても気にしない読売新聞はすごい。

そして、あの読売新聞が、こんな細かいことまで、日曜日のコラム欄を使って、安倍首相を擁護していたのに、「衆院解散」のスクープを譲ってしまう、読売新聞はやっぱりすごい。

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