この記事のこの場所に「この記事には広告が含まれます」という一文が目立つように書いてあります(ここはそういうところですよ?)
《以上広告アナウンスでした。以下本文》
2022年4月26日に、東京新聞などで、「桜を見る会」に関連したニュースが、報道されたようだ。
安倍元首相の元秘書、違法性を当初から認識 「桜を見る会」夕食会補填問題で供述 本紙請求に開示
東京新聞 TOKYO Web、小沢慧一、”同”、2022年4月26日 06時00分。安倍元首相の元秘書、違法性を当初から認識 「桜を見る会」夕食会補填問題で供述 本紙請求に開示:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)。(参照2022-05-02)
残念ながら、私が日々、「熟読」している読売新聞では、このブログ記事を書いている現在(2022/05/09)に至ってもこの件に一切触れていないので(個人の確認です)、詳しくは、上記の東京新聞のwebサイトで確認するしかない。
安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会を巡り、2020年12月に政治資金規正法違反罪で罰金100万円の略式命令を受けた配川博之元公設第1秘書(62)=山口県下関市=の刑事確定記録が25日、本紙の請求により開示された。
同上。(参照2022-05-02)
さらに、東京新聞は、安倍氏の元秘書(元公設第一秘書と東京事務所の秘書)の供述調書の全文も、WEBサイトに公開してくれていた。
「桜を見る会」夕食会補塡問題 略式起訴された配川博之・元公設第一秘書の供述全文「不正、十分理解していた」
東京新聞 TOKYO Web、”同”、2022年4月26日 21時00分。同ページから続く計5ページ。「桜を見る会」夕食会補塡問題 略式起訴された配川博之・元公設第一秘書の供述全文「不正、十分理解していた」:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)から続く計5ページ。(参照2022-05-02)
「桜を見る会」夕食会補塡問題 安倍元首相の東京事務所の秘書の供述全文「領収証の発行方法、普通でなかった」
東京新聞 TOKYO Web、”同”、2022年4月26日 21時00分。同ページから続く計10ページ。「桜を見る会」夕食会補塡問題 安倍元首相の東京事務所の秘書の供述全文「領収証の発行方法、普通でなかった」:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)から続く計10ページ。(参照2022-05-02)
東京新聞が(そしておそらく大手メディアで東京新聞だけが)提供してくれたこれらの情報をもとに、「桜を見る会」での数ある謎の内の一つである、「ホテル名義の5000円領収書」について、現時点での、これまでの整理とまとめを行いたい。
公開:2022/05/09
「桜を見る会」問題に見られるいつもの問題
初めに断っておくが、「ホテル名義の5000円領収書」は、「桜を見る会」に関連する数多くの問題(公選法違反、招待メンバーの私物化、詐欺に悪用、国会での虚偽答弁、公文書管理法違反ほか)の中では、「どうでもいい」問題の部類に入る。(個人の感想です)
しかも、「このどうでもいい問題」は、安倍氏側が求められた正式な書類(ホテルの明細書)を公開すれば、すぐに「終わる」はずだった。それなのに、「問題」となったままなのは、そんな簡単なことさえ拒んできたからだ。(しかも、拒むだけではなく、ウソもついてきた。)
証拠の開示をしないため、疑念は膨らむ。
そしてその疑念は、ほぼ疑っていた通りの事実であることが、後に明らかになるのだが、まれに、枝葉のところでウソみたいな内容が真実だったりすることが、たまにある。
それが、今回の「ホテル名義の5000円領収書」であった可能性は高い。
この「どうでもいい問題」を、あえて整理しようとするのは、放置すると、枝葉のどうでもいい部分が真実だったという一点で、鬼の首を取ったように、「誤報だー」と騒ぎ立てる程度の低い連中が現れるからである。
例えば、森友問題での「安倍晋三記念小学校設立趣意書」がそうだ。
もとはと言えば黒塗りで出されたので、提出者側に何て書いたのかを聞いたら「安倍晋三記念小学校(院)だった」と答えた、と記事にしただけなのに、行政側が出し渋った挙句に裁判までして黒塗りを外したら、違っていた。「なんでこれを隠したのか?」という「不必要に黒塗りにしていることが明らかになった」だけの話なのだが、その一点突破で、「誤報だー」「あわれですね」と騒ぎ立てる程度の低さには、あきれるしかない。しかも、「安倍晋三記念小学校」の名称については交渉時に財務省側も認識していたことが後に明らかになっており、黒塗りも違法であったと判決が確定しているのにもかかわらず。[当ブログ記事”「森友問題」「安倍晋三記念小学校」設立趣意書は現存するのか?(2019/03/15時点の考察)”ほか参照]
こういった、森友、加計などでいつものように見られた一連の見苦しさを、「桜を見る会」でも再現される可能性があるため、前もって、整理しておきたい。
備考)なお、「桜を見る会」前夜祭の夕食会については、他にも、「(高級寿司店名)の寿司」が、「どうでもいい問題」として、未解決のままだ。これも、安倍氏が国会答弁であれだけ違うと連呼していたので、明細書を(再発行して)見せれば済む話なのに、なぜか未だにそれをしない。この程度の証拠を開示できないのなら、その程度の人間だと判断するしかないだろう。
今回の供述調書から分かったこと
今回、東京新聞によって公開されたのは、安倍氏の公設第一秘書と、東京事務所の秘書によるもので、政治資金規正法違反についての供述調書だ。[肩書はいずれも違反が行われた当時]
それぞれの内容を箇条書きにする。
(注:以下は、公開された文を個人的に要約してまとめたものであるので、全文を読んでいる人は読み飛ばして下さい。また、まだ全文を読んでいない人は、上記でリンク先を示した東京新聞の記事等が公開されているうちに、直接見に行った方が早いと思われます。)
配川公設第一秘書の供述調書の要約
- 2020年10月27日付供述調書
- 平成4年5月から安倍の秘書
- 平成19年4月1から公設第一秘書、主に地元事務所における事務を総括する立場
- 平成14年5月31日から安倍晋三後援会の代表者で、平成28年12月21日までは会計責任者も務めていた
- 平成28年12月21日から会計責任者は甲が就任したが名目上で、引き続き実質的に変わらず取りまとめていた
- 平成24年12月に、安倍が総理大臣となり、後援会幹部から「後援会として夕食会をやろう」などという話が出た
- 乙(東京事務所の秘書)との間で、夕食会について、主催を後援会として開催、各参加者に会費5000円を会場で支払ってもらい、それと引き換えに領収書を渡すことなどを話し合って決めた
- 当初から、夕食会の会計処理について当然、後援会でで会計処理し収支報告書に記載すべきだと認識
- ホテル側とは乙やAらでまず対応。乙らが検討した上で連絡してくると思っていた
- 長年会計の取りまとめをしていたので、宴会の収支が赤字となって持ち出しが出ると問題になることを注意していた。場合によっては事前に選挙管理委員会などに問い合わせ。特に慎重な対応が必要であると認識。
- ところが乙は、一人当たり5000円の会費では賄えない。ホテル側からの不足分の請求がくることになる、と言い、何をやっているんだ東京は、という思いももった
- とはいえ、5000円と決めていて、遠方から参加する地元事務所支援者の方々にそれ以上の負担を求めることは難しいところもあると思い、会費を増額すべきだという提案もしなかった
- 乙らの方からは見積書などを送ってもらったこともなく詳しく把握していなかったが、持ち出しが出るであろうし、そのまま収支を載せることなどできないという認識でいた
- 平成25年4月19日に、夕食会が赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京で開催
- その後、平成26年5月に後援会の平成25年分の収支報告書を提出するまでの間、夕食会の請求書や収支に関する連絡はなかった
- 率直に言えば、不正な処理を含めた機微に触れる議員会館事務所内の経理事務について、あえてこちらから議員会館側の乙らに尋ねることもためらわれた
- それに、乙ら議員会館事務所側が詰めの甘い対応をしたせいで私ども地元事務所側にしわ寄せがきた上、請求書などを送ってすらこないのはいかがなものか
- 丙から、夕食会について後援会の収支報告書に載せなくてよいか確認された際にも、載せなくてよい旨を指示
- その後、平成26年以降も、平成31年までの間、都内のホテルにおいて、後援会主催で夕食会を開催していましたが、夕食会の収支を記載したことは一度もない
- 平成28年12月に会計責任者を退いた後も、変わることはなかった
- 深く反省している所です
注)上記の箇条書きは、東京新聞HPで公開された内容[「桜を見る会」夕食会補塡問題 略式起訴された配川博之・元公設第一秘書の供述全文「不正、十分理解していた」:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)からはじまる5ページ(参照2022-05-06)]からの、筆者による個人的なまとめと要約であり、原文から(筆者の判断において要旨を変更しない限りにおいて)一部省略したり表現を変更(丁寧語の省略など)をしています。正確さを求める方は原文を当たってください。
東京事務所の秘書(乙)の供述調書の要約
- 東京事務所の秘書(乙)の2020年12月11日付供述調書
- 議員会館内の事務所において活動
- 平成25年2月頃、安倍のスケジュール管理等担当の秘書Aを通じて、桜を見る会の開催予定日を把握
- Aを通じて、地元事務所側にも桜を見る会の日程などを連絡
- 地元事務所の筆頭秘書、後援会の代表者及び会計責任者を務めていた配川から「せっかく後援会員ら地元の支援者が桜を見る会に招待されて上京するのだから、安倍本人も呼んで、懇親目的の夕食会を開催したい」という趣旨の要望
- 参加者とりまとめは地元事務所側、会場手配などは議員会館事務所側が担当することに
- Aを通じて安倍や昭恵夫人、安倍の母である洋子さんの日程を抑えた上、ホテルとの契約交渉などもAに担当してもらう
- あくまで夕食会は後援会に帰属するものとして会計処理し、後援会以外の政治団体、例えば晋和会の活動として処理はできないという認識
- マスコミ等に注目される中で選挙区に在住する地元有権者らを夕食会に招待し、飲食の提供などを行うようなことをすれば、問題視されかねないと考えた
- そこで、夕食会が安倍個人ではなく、後援会の主催で開催される宴会であることを明示した方がよいと考え、Aを通じて、会場のホテルに依頼し、「安倍晋三後援会」の文字が入った看板を立てるようにした
- 無料で提供しているなどと問題視されないように一人当たり5000円の会費を徴収することに
- 山口県内から東京に来る際にかなり負担することになるはずなので、夕食会の会費はせいぜい5000円が良いところだと思ったし、対外的にも一応5000円程度徴収していれば、直ちに安倍側が地元有権者に飲食を提供しているなどと見られることもないだろうと考えた
- 他方で、これまで都心の高級ホテルと契約交渉してきた経験から、ホテル側が大した料理でなくても高い単価設定をしてきて高額になったり、会場代などの名目で加算され、想定よりも高額の請求をされる可能性があると考えていた
- 当時から、一人当たり5000円では宴会一式全体の代金は賄えないだろうと思っており、不足分を安倍側で補った場合、公職選挙法で規制された寄付に該当し、発覚して問題視されるおそれがあったので、対策をよく考えておかなければと思っていた
- そのため、会費を徴収していることをアピールし、参加者も払っていることを意識させることが大事だと思い、事前に会費を集めるのではなく、会場に受付場所を設け、そこで参加者に渡す領収書はホテル発行名義にする方が良いのではと考えた
- 夕食会の主催は後援会なので、本来であれば、後援会名義で発行した領収書を渡すのが通常のやり方であるのは分かっていた
- ホテル側が応じてくれるか分からなかったが、Aの方でうまく交渉してホテル側がまとめて各参加者に渡す領収書を発行してくれることとなり、そのことを聞いたときには、私も少し驚いた
- なお、ホテル側と参加個々人との間で契約を結ぶなどといった意識は全くなかった
- 会場の受付は、地元事務所の秘書らに対応してもらうことに(有力な地元支援者らに対し粗相がないように)
- 別の機会にお話ししたとおり、ANAホテルは以前から安倍が政治資金パーティーの会場として利用していたホテルであり、契約交渉などは私が担当していた
- そのため、当初から賄いきれずその差額分について、後援会で負担することとなる可能性が高く、公職選挙法上の寄付に当たるのではないかという問題意識は持っていた
- ちなみに、晋和会で主催した政治資金パーティーについては、黒字となるようにホテル側と契約交渉しており、何ら問題になることはなかった
- 契約交渉を担当していたAからホテル側が作成した見積書を見せられたとは思うが、見込みの金額であり、どれくらいの支払いが必要になるか具体的に確認していたわけではなかった
- 夕食会については、シビアな問題となりかねないと当時認識していた
- かといって、解消できるような適正な方法も思いつかず
- 差額分の負担が寄付に当たらない理屈がないか頭を巡らせ、自民党のコンプライアンス室に詳細まで伝えず相談するなどしつつ、5000円を「飲食代」とみなし、その余の残額を「寄付に当たらない会場代」と整理することでなんとか公職選挙法上の寄付の問題を解決できないかという私なりの理屈を考えていた
- 他方で、政治資金規正法に定められた収支報告書の記載方法と言う点についてはあまり気を遣っていなかったというのが正直なところ
- 平成25年当時、議員会館事務所では、長年安倍の金庫番を務め晋和会の会計責任者でもあったCが収支報告書の作成などを行っていましたし、後援会など地元の収支報告書の作成は配川が責任者
- 夕食会は、あくまで後援会の主催として開催、収支は当然後援会の収支報告書に載せるという前提であり、最終的には、実際の請求金額がはっきりした時点で配川の判断に任せるしかないと思っていた
- 平成25年2月か3月ごろ、配川に電話して話はしたが、地元事務所の方で上手くやってほしいという気持ちでいた
- 配川は、差額が出る可能性が高く寄付の問題が生じかねないという問題意識をすぐに理解してくれたよう
- ただ、配川は配川で、契約は東京でやってるんだから、まずは、議員会館事務所側でその問題の対策を整理し、対処して欲しいと伝えてきた
- この点に先立つ平成24年10月頃、朝日新聞が、当時、自民党総裁となった安倍に関し、安倍が代表者となっている支部の収支報告書を丹念に調べ上げて、福岡市内のキャバクラ店などの接待を伴う飲食店で支出が計上されていることを報じたことから、大問題になり、安倍も激怒して配川を厳しく叱責したという出来事もあった
- そのようなこともあって、私と配川の間に、夕食会の収支をそのまま正直に公表することなど到底できないという共通認識はあったと思うが、打開策を見いだせず、きちんとした話し合いをしないまま、互いに相手に対応を任せるような形になってしまっていた
- 平成25年4月19日、後援会の主催により、ANAホテルの宴会場において夕食会を開催
- 宴会場の入り口に、後援会主催の宴会であることが分かるように看板を立てるなどし、受付台を並べた上で、主に地元事務所の秘書や事務員などが受付を担当し、参加者から5000円の会費を集めて、ANAホテルがあらかじめ準備して渡してくれていた領収書を各参加者に手渡し、Cらが現金の取りまとめなどを行った
- 夕食会は、あくまで後援会の主催、契約当事者も後援会であり、契約を担当した議員会館事務所のAらは後援会の事務担当者として、ホテル側と契約などを行っていた
- 夕食会の契約当事者は、あくまで後援会とホテル側であり、参加者個々人とホテル側というようなことはありませんでしたし、そのように装うために、ホテル名義の領収書を参加者個々人に渡すなどという考えも、当時の私には一切ありませんでした
- 夕食会は無事に終わったが、請求関係などに関し、Cから特に報告を受けることもなく、配川から問合せがくることもなかったため、必要な資料を地元事務所に送ることも失念してしまっていた
- 平成26年以降も、同様の事前準備をするなどして毎年開催していたが、特に問題視されることはなかったので、そのままでいた
- 平成28年3月に、Cが議員会館事務所を退職したことを受け、経理担当者となったBとともに経理事務棟にも関与するようになっていたところ、平成28年6月頃、4月に開催された夕食会に関し、ホテル側から渡された請求書をBから見せられ、100万円を超えるような赤字になっていることを確認、平成25年から27年までの夕食会についても大きな差額が発生して赤字になっており、配川に対して請求書を送るなどをしないままにしていたことで一切記載されないままになっているはずだと認識
- とはいえ、今更、配川に対し確認したところで、それまでの不記載と辻褄が合わない上、問題視される恐れが増えるだけだと思い、幸い、平成25年から27年の収支報告書に関して問題視されることもなかったことから、本来であれば必要となるホテル側からの請求書などの帳票類を配川に送らないことにした
- 本来なら、配川から送るよう要求があってしかるべきだが、そのような要求がなされることはなく、相談は全くなかったので、私の方からもあえて連絡することもしなかった
- もちろん、安倍に対しては伝えられるはずがありませんでしたから、差額が生じていることはもとより、その差額を安倍側で補っていることなどを一切伝えておらず、私が配川らに請求書などを送っていなかったといった実状についても一切伝えませんでした
- 平成28年4月に開催した夕食会に関し、ANAホテル側から受け取った請求書や領収書については、いずれもシュレッダーにかけて廃棄し、平成29年以降にニューオータニ東京で開催した夕食会に関する不足額の請求書などについても私の方でいずれも廃棄した
- その上、平成28年4月以降の夕食会の差額分の請求書については、Bに指示をして、議員会館事務所に保管してあった現金から支出してホテル側に対して支払いをさせた
- その現金はもともと安倍や安倍昭恵夫人の個人的な食事代の支払いなどに充てることを目的に預かったもの
- 安倍からはその管理や使い道などを私ども議員会館事務所のものに任せてもらっていたため、安倍や夫人の個人的な支払いに充てる以外にも関係政治団体のうちいずれの団体の支出と整理すべきか直ちに決められない支払いなどにも使用していた
- 安倍事務所のいわばプール金のような性格の資金
- 毎年年末に安倍に対してまとめて概略の報告はしていたものの、個別に指示があった支払いは別として、一々安倍にあらかじめ了解をえたり報告をしていなかったし、当然、夕食会の差額を補っていることについても安倍には伝えていなかった
注)上記の箇条書きは、東京新聞HPで公開された内容[「桜を見る会」夕食会補塡問題 安倍元首相の東京事務所の秘書の供述全文「領収証の発行方法、普通でなかった」:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)からはじまる10ページ(参照2022-05-06)]からの、筆者による個人的なまとめと要約であり、原文から(筆者の判断において要旨を変更しない限りにおいて)一部省略したり表現を変更(丁寧語の省略など)をしています。正確さを求める方は原文を当たってください。
「ホテル名義の5000円領収書」は実在した!?
この二人の秘書の供述から、明らかになったことがいくつかあり、また一方で、新たな謎が生まれた。
まだまだ疑問に対して責任者が答えないままの点が多い「桜を見る会」に関する問題だが、今回は、「ホテル名義の5000円領収書」について、整理したい。
備考)
参考までに、今回の調書を読んで、ホテル夕食会関連以外で、個人的に気付いたことをいくつか指摘しておくと、
・桜を見る会の開催予定日が(招待状が配布される前の少なくとも)2月頃までに地元後援会まで把握していており、(少なくともその時点で)地元支援者の招待が(当たり前のように)確定していた
・安倍事務所のプール金のようなものが存在
・キャバクラ支出を朝日新聞に報道されて、安倍氏が激怒して配川秘書を厳しく叱責したことを、東京事務所の秘書が(トラウマのように)語っている
・秘書Aがホテルとの交渉や安倍氏の日程調整をしている様子がうかがわれ、重要な役割を果たしていることが分かるが、今回の公開された調書にはAによるものは含まれなかったようだ
など。
また、詳しい人には既知の事なのかもしれないが、二人の秘書の供述調書を読むことで、地元事務所(山口)が担当する後援会と、東京事務所が担当する安晋会の役割と力関係がうかがえることができる。
「桜を見る会」の問題は、招待者数が安倍政権下で増えていることを指摘されたのをきっかけに、様々な分野の様々なレベルで、私物化の様子が明らかになっていった。
その中の一つが、「桜を見る会」の前夜祭と称する夕食会だ。
「桜を見る会」に地元支援者が多数招待されて、ツアーを組んで前日に東京に来ていることが明らかになり、さらに、その前日の夕食会が開かれていることが判明する。
「安倍後援会の政治資金報告書に該当する支出が記載されていない」、「会費は5000円だったらしい」、「都心の高級ホテルの夕食会でその金額はいくら何でも安い」
との、当然とも言える疑問が出されたのだが、
それに対する安倍氏側の答えが、
主催はホテルで、後援会ではない
ホテル側が5000円と設定して、参加者はその場で5000円を支払っている
その証拠に、ホテル名義の5000円の領収書がある、と承知している
というものだったように記憶している。[個人の記憶による再現です]
そして実際に、前夜祭の日付のホテル名義の5000円領収書がちらほら出てくるのだが、
宛名が、空白、もしくは上様か黒塗り
但し書きや摘要が、空白、もしくはお食事会や夕食懇談会
のように、証拠能力に疑問符が付くものだった。[個人の記憶による感想です]
ところが、(供述調書を読んだ)今から振り返れば、これらの公開された領収書は、実際に行われた前夜祭の夕食会のものであったことは、ほぼ間違いないと思われる。(ただし、一部に空欄部分の書き加えなどの変造があった可能性を否定するものではない。)
当時は、「偽造ではないか?」と疑っていた人もいたように思うが、領収書はホンモノだった可能性が高い。(ただし、疑っても仕方がないような内容だったのも間違いない。)
「ホテルの5000円領収書」は本当だが、ウソをついていたのも「本当」だった
もちろん、
「領収書はホンモノだった」
と言っても、それは、
「その時に実際に発行された領収書」
を意味するだけであって、当初の安倍氏側の説明であった、
「主催はホテルで後援会は契約当事者ではない」
という証拠には全くならず、むしろ、逆であり、秘書らの供述調書からは、
安倍氏側がウソをついていた
ことが証明された。
また、夕食会への参加者が800人規模だと思われていたこともあり、
「それだけの大多数相手に会場入り口で5000円の徴収と手書きの領収書のやり取りをするのは無理がある」
という、疑問も当然出ていたが、これも、(供述調書を読んだ)今から振り返れば、事実であった可能性が高い。
ただし、秘書は、
・領収書は事前に各参加者分をホテル側が用意してくれていた
・受付は、会場入り口に受付台をおいて、地元事務所の秘書や事務員らが担当した
などと供述しており、受付事務はホテルではなく、安倍事務所の秘書と職員が担当していたことが判明。ここでもまた、当初の安倍氏側の説明であった、
「主催はホテルで後援会は契約当事者ではない」
という証拠には全くならず、むしろ、逆であり、秘書らの供述調書からは、
安倍氏側がウソをついていた
ことが証明された。
今回の供述調書から判断すれば、夕食会に関して、「ホテルの5000円領収書」や、「受付で5000円を徴収して領収書を渡した」も、本当であった可能性は高い。
ただし、それは、「主催はホテル」という安倍氏側の当初の主張を裏付けるものではなく、逆に、「主催は後援会」であり、法律違反を認める証拠であった。
今から振り返れば…
この「夕食会」の件では、こういった「5000円領収書」を代表として、証拠能力の低さゆえに想像の余地が広がり、それに対する言い訳も輪にかけて想像を広げさせるものだったので、様々な疑問が生まれ、様々な証言が集まっていた。
それらのいくつかの疑問だった点と、(現時点での)わかった結論と、更なる疑問点を整理しておく。
・「領収書を公開する人が少なかった」のはなぜ
安倍氏が「主催はホテル」と主張して以降、ホテル名義の領収書の写真が報道されたりネットにアップされたりしたものの、参加した人数から想定される領収書の数からすれば、かなり少なかった。
本来なら、「この領収書こそが安倍氏の無実である」ことを証明する証拠であり(その時は)、支持者であればこそ、「これは、安倍さんの危機、私たちが助けよう」となって積極的に公開して当然だが、そうならなかった。
これは、当時から指摘されていたように、参加者によっては経費処理などで自由に公開できない面も大きかったとは思うが、今から振り返れば、
もともとの領収書が(空欄の多い)証拠能力が低いものであり、
安倍氏側も、この主張に無理があることが分かっていた
ためだった。
だからこそ、安倍氏側も積極的に領収書の公開募集を行わず、数枚の公開だけでお茶を濁そうとしていたのだろう。
・参加者個々人の支払いと領収書の交付を入り口受付でこなせたのか?
この件についてはすでに上で、「事実であった可能性が高い」と結論付けているが、さらに詳しく考えてみたい。
当初、安倍氏は「主催はホテル」との主張を押し通すために、「参加者個々人が受付で5000円払ってホテルから領収書を受け取った」と説明した。
これに対しては、その参加人数の規模から受付処理はスムーズにできたのか、証拠として出ている領収書の写真は全て手書きだがその場ですべて書いたのか、などの疑問が出て、また、「払った記憶がない」という証言も出ていたように記憶している。[最後の証言については、筆者個人のおぼろげな記憶で、現時点でソースを確認できていません]
この件については、東京事務所の秘書(乙)の供述調書によれば、
その宴会場の入り口には、予定通り、後援会主催の宴会であることが分かるように看板を建てるなどし、宴会場の入り口に受付台を並べた上で、主に地元事務所の秘書や事務員などが受付を担当し、参加者から5000円の会費を集めて、会費の支払いと引き替えにANAホテルがあらかじめ準備して渡してくれていた領収証を各参加者に手渡し、議員会館事務所のCらが会費として集めた現金の取りまとめなどを行いました。
東京新聞 TOKYO Web、同上、8ページ。2022年4月26日 21時00分。「桜を見る会」夕食会補塡問題 安倍元首相の東京事務所の秘書の供述全文「領収証の発行方法、普通でなかった」:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)。(参照2022-05-09)
と語られている。
つまり、
・領収書は事前に予定人数分をホテル側が用意していた
・受付は、入り口に受付台を並べて、主に地元事務所の秘書や事務員などが複数で対応していた
ことから、事前の準備と複数人の対応で(ある程度は)受付処理は可能だったと考えられる。(もちろん、この時点で「主催はホテル」との安倍氏の主張が虚偽であったことも確定することになるが。)
ただ、ここでもまだ疑問は残っている。
・「払った記憶がない」という証言の存在は?
・即席の受付で出入りをすべてチェックできたのか?
・後々のホテルの請求と参加費を払った人数の一致をチェックしたのか?
・受付を地元事務所の秘書や事務員にした理由が、「地元有力者に対し粗相のないように」であれば、受付でのツケや後払いなどはなかったのか?
・地元事務所の秘書や事務員らが受付をしていたので、主催がホテルではないことをほとんどの安倍事務所関係者が自覚していたのでは?
もちろん、これらの疑問は、関係者の証言や、ホテルの明細書等を公開すれば、すぐに解決する。
・「主催はホテル」と言い出したのは誰か?
「桜を見る会」の問題は、森友や加計の時が問題がそうであったように、
最初に、「私物化の疑惑の発覚」があり、
追及と同時に、「証拠の改ざんと隠蔽」が行われる。
「桜を見る会」の問題では、発覚後の追及で、安倍氏は国会で虚偽答弁を繰り返した。
その一つが、「主催はホテル」という言い訳である。
今回の供述調書は、公選法と政治資金規正法違反に関するものであるため、安倍氏の国会答弁の虚偽行為を直接に明らかにするものではない。
ただ、供述調書では、両方の秘書とも、「当初から主催は後援会」と認識しており、ホテル名義の5000円領収書も会場受付での5000円支払いも「主催はホテル」と主張するためのものではなかった、としている。
秘書らは「主催はホテル」という発想自体がなかったことになるが、そうなると、
「主催はホテル」との言い訳を初めに言い出したのは誰なのか?
ということが問題となる。
国会の場でウソをつくことは、民主主義を破壊する行為だ。なぜそのようなことが行われたのか、明らかにする必要がある。
特に、
安倍氏は、(当人だけがウソだと自覚しないまま)「主催はホテル」と何度も国会で虚偽の答弁を「させられた」「被害者」
であるので、
「主催はホテル」との虚偽の答弁を思いついた犯人
を問い詰めるべきだろう。
安倍氏本人が、本当に知らなかったのであれば、だが。
(結論) 「ホテルの5000円領収書」を悪用されないように
以上が、現時点での「ホテルの5000円領収書」に関して判明したことのまとめと整理だ。[個人による確認です]
この「ホテルの5000円領収書」の件には、様々な人が振り回された。
(空欄の多い手書きの)証拠能力の低い5000円領収書であったために、一方はニセモノではと疑念を持ち、一方はホテル主催の証拠だと言い張ろうとした。
それで実際は、一方では、領収書は実際に夕食会で発行されたホンモノであり、一方では、ホテル主催の証拠ではなかった。[現時点での個人による理解です]
証拠能力の低いこの領収書は罪深いだけだったが、ただ、当時を振り返ることで、その時、軽率に「ニセモノだ」「ホテル主催の証拠だ」との主張をしていた人間の信頼を確認するリトマス試験紙の役割を果たせたと言えるかもしれない。
ある意味、「ホテルの5000円領収書」は「どうでもいい問題」なのだが、様々な人が振り回されたからこそ、事実を確定しておく必要があった。そうでないと、悪用されるからだ。
もっとも、さすがに今現在、「領収書はホンモノだった」として「安倍さんは悪くない」と主張する「安倍氏周辺の評論家」は確認できていない(個人の確認です)ので、今回のブログ記事を書いたことは、杞憂だったかもしれない。ただ、「安倍晋三記念小学校設立趣意書」の例があるだけに、今後もないとは言い切れず、油断はできない。
責任者が責任を取らない限り、何も解決はしない。
責任を取らない責任者は、無責任でしかない。
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