「桜を見る会」総務課から出てきた行政文書の整理と考察(2020/01/22)

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《以上広告アナウンスでした。以下本文》

2020年1月21日(火)。内閣府は、「桜を見る会」で廃棄していた(としていた)文書が残っていたと、発表した。

「桜を見る会」廃棄されたはずの内閣府資料あった 2014~19年の招待者数も公表

毎日新聞、”同上”、2020年1月21日 21時21分(最終更新 1月21日 23時10分)。https://mainichi.jp/articles/20200121/k00/00m/010/300000c(参照2020-01-22)

内閣府の総務課が持っていたということだ。

これまで、名簿は人事課がとりまとめてきた(ということになっている)ので、「(人事課には)ない」という返答だったが、「桜を見る会」の関連資料は、総務課がとりまとめていた。

森友の時も、「(近畿財務局管財部には)ない」と答えておきながら、後出しで「法務部にあった」ケースがあった。また同じことの繰り返しだ。

今回は、(検索して出てきた)内閣府大臣官房総務課における「桜を見る会」文書を、整理することで、考察してみたい。

内閣府組織図(平成31年4月1日現在)https://www.cao.go.jp/about/doc/soshikizu.pdf(参照2020-01-22)より。なぜか人事課だけが他と線でつながっていないが理由は不明だ。

e-Gov検索で出てくる行政文書ファイル

総務課が管理する「桜を見る会」文書

行政文書ファイル管理簿の検索(https://files.e-gov.go.jp/servlet/Fsearch)
検索する用語(キーワード):「桜を見る会」
検索条件の指定:[作成・取得者]「大臣官房総務課」

行政文書ファイル名起算日保存期間備考
平成20年桜を見る会2009/04/013年旧管理簿
平成21年桜を見る会2010/04/013年旧管理簿
平成23年桜を見る会2012/04/013年
平成24年桜を見る会2013/04/013年
平成25年桜を見る会2014/04/013年
平成26年桜を見る会2014/04/013年同名ファイルが存在
平成26年桜を見る会2015/04/013年同上
平成27年桜を見る会2016/04/013年
平成28年桜を見る会2016/04/013年
平成29年桜を見る会2017/04/013年
平成30年桜を見る会2018/04/013年
平成31年桜を見る会2019/04/015年保存期間5年に

[2020/01/22検索結果からのまとめ]

注)起算日が「桜を見る会」開催前となっているものを赤字にした。

備考)以上の文書の(管理簿での)詳細情報の個々の項目は、年月日の違いによる以外は、ほぼ共通。
(旧管理簿と新管理簿での文書分類が異なるため、
旧管理簿(平成20年と平成21年)での文書分類での(大・中・小)は、順に「官房」・「総務」・「総務」
新管理簿での文書分類の大分類・小分類は、それぞれ「総務」・「桜を見る会」
となっている。)
平成31年に保存期間が3年から5年に変わったのは、「大臣官房総務課 標準文書保存期間基準(保存期間表)」が改正・適応されたからだと考えられる。(以前の内容が現時点で確認できていないため、推論になる。)

平成30年4月1日から適用 平成30年5月30日改正 

内閣府、”大臣官房総務課 標準文書保存期間基準(保存期間表)”。https://www8.cao.go.jp/koukai/pdf/01soumu_hozon02.pdf(参照2020-01-22)

人事課が管理する「桜を見る会」文書

行政文書ファイル管理簿の検索(https://files.e-gov.go.jp/servlet/Fsearch)
検索する用語(キーワード):「桜を見る会」
検索条件の指定:[作成・取得者]「大臣官房人事課」
検索対象(省庁)の選択:「内閣府」

行政文書ファイル名起算日保存期間備考
平成20年「桜を見る会」2009/04/013年旧管理簿
平成21年桜を見る会招待者名簿等2010/04/013年旧管理簿

[2020/01/22検索結果からのまとめ]

備考)以上の文書の(管理簿での)詳細情報の個々の項目は、年月日の違いによる以外は、ほぼ共通。(ただし、「作成者」と「管理担当課・係」の項目は、平成20年分が「内閣府大臣官房人事課記録・調査係」で、平成21年分が「大臣官房人事課記録・調査係」となっており、頭に「内閣府」が付くか付かないかの違いがある。)
(旧管理簿での)文書分類(大・中・小)は、順に「官房」・「人事」・「記録・調査」。
新管理簿で該当する検索結果は無し。
(内閣府は、2011年度から2017年度にかけて名簿を管理簿に不記載だった責任を問われ、2020/01/17に歴代の人事課長五人を厳重注意処分にしている。)

「桜」名簿管理 官僚6人処分 内閣府

東京新聞 TOKYO Web、”同上”、2020年1月18日 朝刊。https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202001/CK2020011802000126.html(参照2020-01-22)

(感想)

上記の検索結果から分かるように、総務課作成の「桜を見る会」文書には、管理簿に載せてある情報だけでも気づく、おかしな点が複数ある。

それは、

  • 「平成22年」分が見当たらない
  • 「平成26年」が二つ存在
  • (その二つある「平成26年」の内の一つを除いては)「平成28年」から起算日が1年繰り上がっている(起算日が会開催日前になっている)
  • 「平成31年」から保存期間が5年に変わっている

などの点だ。

それぞれの点について述べる。

「平成22年」分が見当たらない点に関して

この時期は、公文書管理法施行による旧管理簿と新管理簿の端境期であったので、管理簿に正確に反映されていない可能性は無くはない。

新・旧管理簿の違いについて
公文書管理法の施行前(平成23年3月31日まで)に作成取得された行政文書に係る行政文書ファイル管理簿を「旧管理簿」、公文書管理法の施行(平成23年4月1日)後に作成取得された行政文書に係る行政文書ファイル管理簿を「新管理簿」と表記します。

電子政府の総合窓口e-Gov、”行政文書ファイル管理簿の検索 新・旧管理簿の違いについて”。https://files.e-gov.go.jp/servlet/Fsearch#CheckArea(参照2020-01-22)

だが、前後の流れを見ても、「平成22年」文書の作成日は2011年(平成22年)4月1日であることが妥当で、2010年になるケースはあっても、それが2012になるケースは、見当たらない。よって、「平成22年」は旧管理簿に該当する可能性は高く、そうなると、その前年度と前前年度が旧管理簿に掲載されているのに、それより新しい名簿が掲載されていない理由が付かない。

さらに、前回述べた、平成22年度名簿の廃棄日は記録に残っている点と、先に述べた、管理簿不記載の処分が2011年度からで2010年度を対象としていない点からしても、理屈が合わない。

引き続き、「平成22年」名簿のファイル管理簿での名称の確認が求められる。

「平成26年桜を見る会」が同一名称で二つ登録されている点

この二つは同一名称だが、起算日のみが異なっている。そして、「2014年4月1日」が起算日のものは、規則上は、

2014年3月31日までにまとめられた文書

を指す。

4 法第五条第一項の保存期間の起算日は、行政文書を作成し、又は取得した日(以下「文書作成取得日」という。)の属する年度の翌年度の四月一日とする。ただし、文書作成取得日から一年以内の日であって四月一日以外の日を起算日とすることが行政文書の適切な管理に資すると行政機関の長が認める場合にあっては、その日とする

電子政府の総合窓口e-Gov、”公文書等の管理に関する法律施行令(平成二十二年政令第二百五十号)”、施行日:平成二十八年一月一日、最終更新: 平成二十七年十二月十八日公布(平成二十七年政令第四百三十号)改正。https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=422CO0000000250。「第八条第四項」。(参照2020-01-22)

6 法第五条第三項の保存期間の起算日は、行政文書を行政文書ファイルにまとめた日のうち最も早い日(以下この項及び第十一条第一項において「ファイル作成日」という。)の属する年度の翌年度の四月一日とする。ただし、ファイル作成日から一年以内の日であって四月一日以外の日を起算日とすることが行政文書の適切な管理に資すると行政機関の長が認める場合にあっては、その日とする。

同上、「第八条第六項」。(参照2020-01-22)

つまり、この二つの「平成26年」文書は、

  • 2014年3月31日までにまとめられた文書(起算日2014年4月1日)
  • 2014年4月12日「平成26年桜を見る会」開催
  • 2015年3月31日までにまとめられた文書(起算日2015年4月1日)

という形になっている。

管理簿上は、桜を見る会が開催される前の3月31日までの文書をいったん取りまとめ、それを2014年4月1日起算日の文書として、管理簿に登録に登録していることとなる。まだ、桜を見る会は開催されてもいないのに。

それまでの前例とは異なっており、「平成26年」文書を会開催前の年度でいったんとりまとめた理由は不明だ。

ただ、百歩譲って、管理簿上は年度が替わってからの文書を改めて保存しているので、開催直前・開催状況・開催後の検証結果などについての文書の記録は残っている可能性があり、規則上は違反とまでは言えない面がある。(「適切な管理」という点では疑義があるが)。

「平成28年から起算日が1年繰り上がっている」点

だが、次のこの「平成28年から」については、規則違反の可能性が高い。

というのも、起算日から言えば、それぞれの文書は、開催日前の3月31日までに取りまとめた文書のみが対象となっていて、4月1日からその後にとりまとめた文書は含まれていないことになるからだ。平成26年のように、翌年度の起算日の文書を残しているのなら、規則上は許される余地はあるが、「平成28年」以降の文書は一つずつしか残っていないため、開催日直前・開催状況・その後の結果検証などの記録がどこにあるのか問題になってしまう。

もちろん、「起算日を間違えただけで、開催日前後の記録もちゃんと残っている」、という可能性は高いが、この場合は、起算日を1年早くしたことで、保存期間満了日も1年早くなり、廃棄されるのも早くなってしまう。つまり、残すべき文書を1年早く処分することになり、証拠隠滅を疑われかねない。

つまり、どう転んでも、これは明確な違反であり、先の処分内容に含まれなかった不適切な行為として、追加処分を検討する必要も出てくる可能性が高い。

「平成31年」から保存期間が5年に変わっている点

最後に、保存期間が変わっている点については、上記の「総務課が管理する「桜を見る会」文書」の「備考)」で述べたように、「平成30年4月1日から適応」となっていて、それ以前の内容が現時点では確認できないため、類推しかできない。

ただ、先に指摘した、「起算日が1年繰り上がっている」点でいえば、理屈上は「平成30年」のファイルも5年保存に適応しなければならなくなり、ここでも矛盾が生じることとなる。

したがって、内閣府には、この点でも、説明が求められる。

以上の4つのおかしな点については、内閣府には、納得のいく説明が必要だ。

また、人事課は、他省庁との人事課との推薦名簿のやり取りの窓口であって、統合された名簿は総務課で管理していた疑いも考慮すべきだろう。(人事課の保存期間表の2019/10/28改正で「関係行政機関等からの依頼に対する文書」の「対する」を「関する」に文言を変えたことも、人事課が窓口に過ぎなかった印象を薄めることを意図した可能性も考慮すべきだ。)

[NORIKOROCK石垣のりこ後援会twitter、”第11回 総理主催「桜を見る会」追及 〈配布資料〉”、22:06 – 2019年12月3日。https://twitter.com/norikorock2019/status/1202106912247963653での配布リンク先の文書20191204150257.pdf](参照2020-01-22)

ただ、これらの点は、相互に関連して、相互に矛盾しているため、これらをすべて解消するような言い訳は、私には到底思いつかない。

内閣府がどのように説明するのか、期待したい。


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