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《以上広告アナウンスでした。以下本文》
ある議員の、LGBTについて雑誌に載せた「雑感」が、批判を呼んでいる。
当該議員の発想は、要するに「(自分にとって)役に立たないものは切り捨てていい」といった、偏った傲慢不遜な考えである。これは、人権といった近代概念の言葉を使うまでもなく、どの時代においてもどの社会においても、許されない思考である。
このような政治家が当選したことについては、先の衆議院選挙で、自民党が中国ブロックで圧勝した結果による、歪みであり、悲劇であるといっていいだろう。
今回この政治家の名前が出てきて、思い起こしたのが、森友問題の財務省決裁文書改ざんだ。
この改ざんの際に、政治家の名前が消されたが、その中に、この議員の名前もあった。
そこで改めて、名前が消された議員を調べ直したので、簡単に報告したい。
1.決裁文書改ざんの経緯
財務省の決裁文書改ざんについては、改めて簡単な経緯を記すと、
2017/02/09 朝日新聞報道「価格非公表、近隣の1割か」
2017/02/17 安倍首相「かかわっていたら、総理も国会議員も辞める」
2017/02月下旬から4月上旬 財務省決裁文書改ざん
2018/03/02 朝日新聞報道「森友文書、財務省が書き換えか」
2018/03/12 財務省、決裁文書の書き換えを認め、書き換えた部分を公表
今年の3/12に財務省が改ざんを認めて、書き換え前と書き換え後の対照表を公表した。
財務省 トップページ > 広報・報道 > 大臣談話・ステートメント > 大臣談話・スピーチ > 決裁文書に関する調査について、”決裁文書の書き換えの状況(PDF:7612KB)”。
https://www.mof.go.jp/public_relations/statement/other/201803B.pdf
(参照2018-07-25)
これにより、改ざん前にはあった政治家の名前が、改ざん後に消されていることが明らかになった。
(なお、その後、財務省は残っていた交渉記録を公開し、そこにも、政治家の名前が消されていたが、今回は、3/12に公開された決裁文書に絞って、考察する。)
2.改ざんされる前の決裁文書に出ていた政治家の名前
3/12に公開された、改ざんされた決裁文書は14文書で、そのうち、政治家の名前があったのは、
- 4.特例承認の決済文書1「普通財産の貸付けに係る承認申請について」(平成27年2月4日)
- 5.特例承認の決済文書2「普通財産の貸付けに係る特例処理について」(平成27年4月30日)
- 6.承諾書の提出について(平成26年6月30日)
の3文書であった。(注:上記文書名の「決裁文書」の後ろの数字については、公開された原稿では丸数字で表記)。
このうち、「6.承諾書の提出について(平成26年6月30日)」については、政治家の名前は、冒頭に、「本件は、平成25年8月、鴻池祥肇議員(参・自・兵庫)」と、書いてある[同、p46(引用ページ数はPDFのページ、以下同じ))]だけで、4、5の文書も同様の文言が冒頭に書いてあった。
したがって、実質的には、複数の政治家の名前が書いてあって消されたのは、改ざんされた文書のうち、「特例承認の文書」だけであった。「特例承認」は本省決済であるので、一連の改ざんの流れで中心になっていたのは、財務省本省理財局であることに、間違いないだろう。
「4.特例承認の決済文書1」の文書では、「(別紙1)これまでの経緯」に、
- H25.8.13 鴻池祥肇議員
- H26.4.28 なお、打合せの際、「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を
- H27.1.8 安部(原文ママ)首相夫人が
- H27.1.15 国土交通省北川イッセイ副大臣秘書官に
- H27.1.29 平沼赳夫衆議院議員秘書から財務省に
(一部途中省略)[同、p32-34]
の名前が存在していた。
「5.特例承認の決済文書2」の文書は、約3か月後で、上記に追加する形で、
- H27.2.16 鳩山邦夫衆議院議員秘書から国会連絡室に
- H27.2.17 鳩山邦夫衆議院議員秘書が近畿財務局に来局し
(一部途中省略)[同、p42]
が経緯に加わり、さらに、「「学校法人 森友学園」の概要等」とのタイトルで、説明がされていて、そのなかに、籠池氏が「日本会議大阪」に関与しているとの記述があり、その注意書きとして、日本会議の説明が行われ、
「超党派による「日本会議国会議員懇談会」が平成9年5月に設立され、現在、役員」として、
- 特別顧問として麻生太郎財務大臣
- 会長に平沼赳夫議員
- 副会長に安倍晋三総理
[同、p44]
と記述されていた。
そこに続けて、「(参考)森友学園への議員等の来訪状況」として、
- 平成20年11月 中山成彬議員(衆・維・比例九州)講演会
- 平成25年9月 平沼赳夫議員(衆・維・岡山3区)講演会
- 平成25年12月 日本維新の会女性局(三木圭恵議員、杉田水脈議員、上田小百合議員(いずれも衆・維・比例近畿)等)視察(原文ママ)
- 平成26年4月 安倍昭恵総理夫人 講演・視察
[同、p44]
と、政治家関連の名前が記載されていた。
以上が、改ざん前の決裁文書に記載されていた名前であり、並べると、
- 北川イッセイ(参・自・大阪)
- 鳩山邦夫(衆・自・福岡6区)
- 三木圭恵(衆・維・比例近畿)
- 上西小百合(衆・維・比例近畿)
- 平沼赳夫(衆・維・岡山3区)
- 鴻池祥肇(参・自・兵庫)
- 中山成彬(衆・維・比例九州)
- 杉田水脈(衆・維・比例近畿)
- 麻生太郎(衆・自・福岡8区)
- 安倍晋三(衆・自・山口4区)
- 安倍昭恵(総理夫人)
[肩書は当時、敬称略]
の11人であった。
The Huffington Post Japan、関根和弘 、”森友学園、文書から「名前が消された」国会議員、全リスト”、2018年03月12日 17時36分 JST |更新 2018年03月12日 17時36分 JST。
https://www.huffingtonpost.jp/2018/03/12/moritomo-paper_a_23383068/
(参照2018-07-25)
3.決裁文書で消されていた名前の政治家のその後
この政治家らのその後の経緯をざっとまとめると、
- 北川イッセイ(参・自・大阪)→2016年の参院選不出馬・引退。
- 鳩山邦夫(衆・自・福岡6区)→2016年死去
- 三木圭恵(衆・維・比例近畿)→2014年(衆)落選。2017年(衆)落選。
- 上西小百合(衆・維・比例近畿)→2015年党除名→無所属。2017年(衆)不出馬。
- 平沼赳夫(衆・維・岡山3区)→2014年次世代の党→2015年自民党。2017年衆議院不出馬(次男が出馬するものの落選)。引退。
- 鴻池祥肇(参・自・兵庫)→2019年次期参院選には出馬せず、引退表明。(長男が公認申請するも落選)。
- 中山成彬(衆・維・比例九州)→2014年(衆)落選(次世代の党)→2016年(参)落選(日本のこころを大切にする党)。2017年(衆)当選(衆・希・比例九州)→?
- 杉田水脈(衆・維・比例近畿)→2014年(衆)落選(次世代の党)→2017年(衆)当選(自・比例中国)→? ←いまここ!
- 麻生太郎(衆・自・福岡8区)→?
- 安倍晋三(衆・自・山口4区)→?
- 安倍昭恵(総理夫人)→2017年瑞穂の國記念小学院名誉校長辞任→?
である。
経緯については
https://ja.wikipedia.org/wiki/
の各政治家名を参照
(参照2018-07-25)
一人は死去、3人は引退、一人は落選中で、5人は議員ではなくなった。
そして、現時点(2018年7月時点)で、議員の5人のうち、一人は引退表明済みで、一人は国会議員5人の最少会派の比例代表という次が見えない立場で、もう一人は、今回のLGBT差別発言で議員の身分が問われる立場になった。
身分が保証されない世界とはいえ、決裁文書で書かれたわずか3年後に、このような結果になった。
決裁文書から消された政治家たちが、次々と議員としての立場を失っている。
これが単なる偶然なのか、それとも、まだ議員でいる政治家にも、近い将来議員でいられなくなることを暗示するものなのか、今後を注目したい。
過去の考察のカテゴリーはこちら→「森友問題」考察
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