この記事のこの場所に「この記事には広告が含まれます」という一文が目立つように書いてあります(ここはそういうところですよ?)
《以上広告アナウンスでした。以下本文》
2018年9月6日の大阪日日新聞に、森友学園事件の取材報道に携わっていた元NHK記者の方によるあいさつ文が載っていた。
大阪日日新聞、「野分 大阪発・論点 大阪から野分(台風)を起こします」、相沢冬樹、”大阪日日新聞で何を目指すか 森友学園事件と私 ”、2018/9/6。
http://www.nnn.co.jp/dainichi/column/nowaki/180906.html
(参照2018-09-07)
この記者の方の動向については、話題となっており、当ブログでも、2回取り上げた。(「森友問題」これまでのNHKスクープのまとめと考察(2018/05/18)、「森友問題」NHKスクープのまとめと現時点での評価(2018/09/03))。
こうやって、実際に取材されている方の記事が読めるのは、大変ありがたい。というのも、その記事の書き方によって、取材経緯や時期などを、考察することができるからだ。
つい先日も、別件で、2018年度新聞協会賞に、朝日新聞の「財務省による公文書の改ざんをめぐる一連のスクープ」が選ばれ、その受賞記事がスクープの経緯と共に朝日新聞に載っていた。
朝日新聞デジタル、”改ざん「あり得ない話ではない」 調査報道で明らかに”、2018年9月5日14時29分。
https://www.asahi.com/articles/ASL8Z5Q1QL8ZUTIL03R.html
(参照2018-09-07)
この記事もまた、改ざんを知るに至った経緯や時期を、ある程度の幅に絞れる表現をしてくれており、いろいろな考察の材料を提供してくれた。
今回は、この2つの記事から読み取れることを考察してみたい。
1.大阪日日新聞「大阪日日新聞で何を目指すか 森友学園事件と私」(2018/09/06)から分かったこと
(内容)
- 二つの疑問点
①認可基準を満たすのか疑問のある小学校がなぜ認可されようとしていたのか?(大阪府の問題)
②小学校の建設用地としてなぜ国有地が大幅に値引きされて売却されたのか?(国の問題) - NHK時代に出した二つのニュース
▽「国有地売却前に近畿財務局側が森友学園側から、支払える金額の上限を聞き出していた。実際の売却額はその範囲内に収まっていた」(昨年7月26日放送)
▽「財務省側が森友学園側に『問題の土地からトラック何千台分ものごみを運び出したことにしてほしい』と口裏合わせを求めていた」(今年4月4日放送) - 森友事件ではこの種の金(贈収賄)が動いていないことは、検察の捜査でも明らか
- この「なぜ」を継続取材したくて退職と転職を決めた
- 「財務省と近畿財務局、国土交通省と大阪航空局、会計検査院、森友学園、その他さまざまな関係者」に対して、忸怩たる思いを抱えているのならお話が聞きたいと呼びかけ。
大阪日日新聞、相沢冬樹、”大阪日日新聞で何を目指すか 森友学園事件と私 ”、2018/9/6。
http://www.nnn.co.jp/dainichi/column/nowaki/180906.html
(参照2018-09-07)
(感想)
NHKスクープについては、以前当ブログで列挙してみたが、少なくともそのうちの二つが、この記者の方によることが確定した。
去年の7月26日のニュースは、その後の籠池夫妻逮捕と8月1日関西テレビ「報道ランナー」による音声データの一部公開によって、印象が薄れた感もあるが、きっかけとなったニュースとして重要だ。
(改めて時系列を振り返ったとき、「報道ランナー」が、音声データの経緯を振り返った2017/09/18放送の回で、記者が「4人で4日間徹夜で文字起こしした」とのコメントをしていた記憶がある。「なぜ4日」という疑問があったが、これは、NHKの7/26の報道、もしくは記者の取材が、きっかけとなり、その直後に音声データの提供を受けて、8/1に報道したとすれば、4日という数字に説得力を持つ。これは、音声データ保持者が何らかの条件付きで関西テレビに音声データを渡したのではないかという疑惑を裏付ける可能性がある)
(「報道ランナー」2017/09/18放送回の件については「(番外編)時系列の要点整理と考察(その3)」)
今年4月4日のニュースも、大きなニュースであったが、今から振り返ると、森友問題では、「口裏合わせ」が多すぎて、一般の人にはわかりにくいだろうが、この件は、決裁文書改ざんが本格的に動く前段階の財務省の隠蔽工作であり、その後の経緯と含めて重要なポイントだ。
そのほかに、今回の記事で気になったのは、大阪府の認可の問題と、国による土地売却の問題、と二つを挙げておきながら、情報提供を呼び掛ける相手に、大阪府や大阪地検が含まれていないことだ。もちろん、「その他さまざまな関係者」に含まれているのだろうが、たまたまなのか、意図的なものなのか、今後の記事を見ることで考察することができるだろう。
この記者の方による、今後の記事に期待したい。
2.朝日新聞「改ざん「あり得ない話ではない」 調査報道で明らかに」(2018/09/05)から分かったこと
(内容)
- 「問題の発覚後、財務省は幹部ぐるみで公文書を改ざんしたようだ」の情報
- 当初抱いた印象は、「まさか」。ただ、「あり得ない話ではない」という思いも
- 佐川氏の答弁姿勢で際立ったのは、詳しい経緯の説明を避けようとする態度。「記録は廃棄した」
- 明らかにしたくない何かがあるのではないか――。取材班はそんな疑念を募らせた
- 6月に国会が閉会し、10月には総選挙で与党が大勝した。
- その一方でつかんだのが、「改ざんの疑い」という情報
- 東京・大阪両本社の社会部から数人ずつの記者とデスクが加わる取材班を組み、詳細を詰める取材を開始
- 年をまたいで重ねた取材の結果、財務省が国会議員らに提出していた決裁文書とは記載内容が違う文書の存在が確認できた
- ただ、「確認した文書の内容は、本当に決裁を受けたものなのか」「改ざんが行われたのは、問題が報じられた昨年2月以降で間違いないか」といった点は、文書を確認しただけでは証明しきれない
- 裏付けのための取材をさらに続け、検証を重ねた。その結果、確証を持てた内容を報じたのが、今年3月2日付朝刊の「森友文書 書き換えの疑い」の記事
- 同月9日付朝刊でも改ざんされた内容や分量を詳報
- この日、佐川氏は国税庁長官を引責辞任。週末を挟んだ12日、財務省は14件の文書での改ざんを認め、麻生太郎財務相が謝罪
- 省内調査の結果、国会で存否が焦点となっていた交渉記録が、問題発覚直後に廃棄されていたことも判明
- 報道から3カ月後の6月4日、財務省は調査報告書を公表
- 報告書は「身内」による調査の結果にすぎず、隠蔽のプロセスが完全に検証されたとは言いがたい
- 大阪地検特捜部からも、改ざんの詳しい経緯などは語られなかった
朝日新聞デジタル、”改ざん「あり得ない話ではない」 調査報道で明らかに”、2018年9月5日14時29分。
https://www.asahi.com/articles/ASL8Z5Q1QL8ZUTIL03R.html
(参照2018-09-07)
(感想)
新聞協会賞については、まさに賞にふさわしい記事であり、むしろ去年の「国有地の売却額 非公表 価格、近隣地の1割か」が受賞していない理由を聞かせてもらいたいぐらいだ。
朝日新聞が、改ざんを知った経緯についてはいまだはっきりしていないことが多いが、今回の記事である程度のことを絞ることができた。
まずはっきりしたのは、「年をまたいで重ねた取材」という点から、少なくとも2017年時点では朝日は情報をつかんでいた。
さらに日時を絞るとなると、今回の記事で、「6月に国会が閉会し、10月には総選挙で与党が大勝した」の文の次に、「その一方でつかんだのが、「改ざんの疑い」という情報」と続いているので、これをどう解釈するかだろう。
また、今回の記事では、朝日が、「問題の発覚後、財務省は幹部ぐるみで公文書を改ざんしたようだ」と情報を得たことがきっかけであると描写しているため、「朝日新聞がもともと持っていた公開文書を見ていて気づいた」説は、可能性が低くなった。
(私が可能性として提唱していた「朝日新聞、情報公開請求で改ざん前文書を手に入れていた」説は、怪しくなった。ただ、経緯を調べる際に情報公開請をして手に入れていた可能性はある。)
一連のスクープ記事で朝日新聞は新聞協会賞を受賞したが、朝日新聞の言うように、この問題は「そもそもの疑問も解消されていない」。
今後の、さらなる情報に期待したい。
過去の考察のカテゴリーはこちら→「森友問題」考察
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