「源氏パイってどんなお菓子?」と突然聞かれて初心者はどう答えたか

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この記事のこの場所に「この記事には広告が含まれます」という一文が目立つように書いてあります(ここはそういうところですよ?)
《以上広告アナウンスでした。以下本文》

持っていたもの
  • ドラッグストアにて買い物カゴにちょっと多めのお菓子
  • 特に急いでない余裕
  • 突然の質問にも何とかして答えをひねり出そうとする気持ち
持っていないもの
  • 見ず知らずの他の買い物客からの率直な質問を無視する態度

普通に一人で買い物をしているときに、他のお客さんに話しかけられることはこれまでもたまにあった。ただ、それはほとんど、

(たぶん私を店員さんと間違えてる・・・)

と予想できたので、「ここの店員じゃないので」と断るか、「少々お待ちください」と言って近くにいる本当の店員に「こちらのお客さんが・・・」とスマートに引き継がせることで、対処してきた。

だが、先日、買い物中にあった問い合わせはこれまでと異なっていたので、どう対処したかを勝手に報告したい。

1.不意打ちの質問

その日の夜は、帰る途中に、近所のドラッグストアに寄った。そんなに頻繁には寄るところではないが、スナック菓子や飲料類などをまとめ買いするのに、月に1回あるかないかのペースで利用している。

その日も、特価になっているお菓子類を中心に、買い物かごに入れていった。

そして私が、「どれでも2つで○○円」(およそ税込みで500円よりちょっと上の金額。単品だと270円から300円前後のお菓子。消費税5%のころはたいてい500円だったが、8%になってちょっと端数が出るようになった。)のコーナーで、どの2種類を選ぶか、それとも今回はスルーするか迷っていると、急に横から声をかけられた。

「あのー、これって何個入りかな?」

声をかけられた方を向くと、お徳用の『源氏パイ』を手にした人が立っていた。

2.源氏パイとは?

源氏パイとは、三立製菓株式会社が製造販売するお菓子。

「元々はヨーロッパの高級菓子」だった「パルミエ」と呼ばれる高級パイ菓子を、三立製菓がお手ごろな価格で量産化することに成功し、全国で販売されるようになった。

オーブンで焼くと自然に膨張してできるハート形が特徴的で、この形をそろえるのにも三立製菓の思いが詰まっているとのこと。

三立製菓株式会社ホームページ>商品情報>ブランドサイト、「源氏パイ」
http://genjipie.jp/
(2017-11-02参照)

食べたことがある人には、説明不要で、おなじみのお菓子である。

3.与えられた試練

声をかけられたときは知り合いかと思ったが、全く知らない人だった。

ただ、投げかけられたその質問の「何個入り?」には、パッケージに枚数が書かれているのを見つけたので、指をさしながら、

「○○枚入りですね」

と答えた。するとその人は、

「ありがとー、よく読めないんで」

と言った後、私の持っている買い物かごを指さし、

「いっぱいお菓子買っているから詳しいのかと思って」

と言った。私は、「まあ、あはは・・・」と言葉を濁し、(敵か味方か)などと考えていると、

「〇枚入りだったら友達と分けられる」

と言ったので、(この人はいい人なんだろう)と勝手に決めつけながらもまだ警戒していた。

そんな私の思考状態に関係なく、その人は次に質問を続けた。

「これって、どんなお菓子なの?」

4.うまく答えられた気がしない

この質問には、私は不意を突かれた。それと同時に、難問だということにも気づいた。

私にとっては子供のころからお馴染みのお菓子『源氏パイ』。
それを改めて、「どんなお菓子」かと問われて、戸惑いを覚えながらも、思いつくお菓子を羅列していく。

「えーと、お土産である、『うなぎパイ』・・・」

『うなぎパイ』と言えば、浜松のお土産として定番で、うなぎのエキスをまぶした「夜のお菓子」として知られる。形は違うが、噛んだ時の触感と甘みは、同系統のものだと、子供のころから認識していた。

この「そのものズバリ」と思っていたたとえを相手にぶつけたとき、相手はそれにぴんと来ていないようだった。

私は、「〇個入り」と答えたときのお相手の返答「よく読めないので」と言われた時点で、自分が「当たり前」と思っていることが、このお相手には「当たり前でない」ことに薄々感じ始めていた。
そして、お相手の次の問いかけで、それは確信に変わった。

「電子レンジで温めたりするの?」

この発想がなかった私は、とっさに、

「いえ、あまりしない、あっ、でも、そういう食べ方もあるかもしれない」

と、初めは否定しながらも、そういう食べ方もあるかもしれないと思いなおし、その可能性があることを訂正した。近くの棚に置いてあった、不二家『カントリーマアム』を横目で見ながら、『カントリーマアム』を電子レンジで温めて食べる方法を何かで紹介されていたことも頭にあった。

ただ、大抵のものは温めれば柔らかい触感になっておいしくなるものだが、サクッとした触感が売りともいえる源氏パイを温めて、その結果、温める手間以上のおいしさが生まれるとは想像できなかった。

そして、「温める」という発想が出たお相手が、『源氏パイ』の「パイ」の部分にアップルパイ的な触感を想像しているのではないかと、連想させられた。

私は、それを否定するために、軌道修正を図った。

「うーん、パイと言うよりも、固いお菓子で、ビスケットともちょっと違う・・・」

この時点で、私は『源氏パイ』を「ラスク」にたとえることも思いついていたのだが、通じる可能性は低いと思い、他のたとえでビスケットも出してみた。
だが、横の棚に置いてある、森永製菓『MARIE』、江崎グリコ『ビスコ』などの商品と見比べると、ちょっと種類が違うとも感じていた。

するとそのお相手は、

「子供のころお菓子食べたことないからよく知らないんで。教えてくれてありがとう」

と言って、話を打ち切られた。

5.敗北感

そのあと、その人は、答えてくれた私へのお礼のつもりなのか、あるいは私がどのように見えていたのか知らないが、お徳用の『源氏パイ』を一つ持ちながら他の棚に案内してくれて、

「『かま飯の素』、これでご飯炊いたら食事代が安くつくよ。これ3食分入っているけど1食にしたら〇円になる。おかずもいらない。」

とか、丁寧に教えてくれた。私は「そうですねー」相槌を打ちながらも、「今日はこれを買いに来たんじゃないので」と言って、それは買い物かごに入れなかった。

そしてその人は、『源氏パイ』のお徳用パックを一つだけ持ちながら、レジに向かい、並んだ。私はその人の後ろについた。その人は財布から、割引券を出し、

「この券があるから、1品だけ割引が効く」

と言って、支払いをすました。私は「ちょうどいいですねー」と答えた。

その次の私は、清算する商品が多く時間が掛かると思ったので、「どうぞお先に帰ってください」というと、「ああ、ありがとう」と言ってその人は去っていった。

買った商品をぶら下げながらの帰り道、その一連の出来事を思い返すと、うまく伝えられなかった敗北感が蘇った。

『源氏パイ』を、他のお菓子にたとえるのは安易すぎたのではないか。

『源氏パイ』を、他のお菓子にたとえずに表現するには、どうすればよかったのか。

グルメ番組の真似事のようなコメント、「折り重なるようにハート形に固く焼けた生地をかじると、サクッとした触感と砂糖の甘みを感じ、サクサク噛めば噛むほど甘みが広がる」、みたいなことを、即興で思い浮かべることはできなかったのか。(これはこれで余計わかりづらい気もするが)。

「プリンの味は食べてみなければわからない」

味覚などの感覚を伝えるには、似ている何かでたとえればわかりやすいが、共通のバックボーンが前提になることを思い知らされた。その似ている何かを知らなければ通じないのは当たり前だ。

感覚を伝えるには、お互いの共通するバックボーンを理解した上で成り立つものだと、考えさせられた一日だった。

まとめ
  • 『源氏パイ』ってどんなお菓子?
  • 『源氏パイ』をほかのお菓子にたとえずに表現することができるのか?
  • 質問は人を育てる
  • 感覚を伝えるのには、お互いの共通のバックボーンを理解し、そこから何とかして伝える努力が必要

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