今日も読売新聞はやっぱりすごい(2023年下半期)

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《以上広告アナウンスでした。以下本文》

朝日が昇る前に家まで毎日配達される読売新聞(地域・季節によります)を、日日経験を積みながら熟読している一読者が、印象に残った記事の感想を、2023年の7月以降の下半期も、備忘録的に追記して残していく。

2023年の下半期も、上半期に劣らず負けず、読売新聞はやっぱりすごそうだ。

[公開:2023/07/17、更新:2023/12/24]

※特に注釈の無い場合は、読売新聞大阪本社版を読んでの感想です。

・2023/12/24(日)朝刊言論8面「明日への考」

日曜日の言論面に、何年か前に夕刊面で見かけた人が。当サイト内で検索すると”今日も読売新聞はやっぱりすごい(2019年下半期)”「・2019/11/09(土)夕刊2面」がヒットした。

前回は、読売の解説委員コラムに(恣意的と思える内容で)引用されていただけだが(個人の記憶です)、今回は、8面の(下一段の今週の予定等などの欄以外の)ほぼ全面でその主張が載っていた。

前回の時については、この人物について、同上に書いた通りで、「読売の解説委員コラムに都合のいいように引用されていて、その後、自身のブログに質問通告だけを悪者にするなとフォローしていた」(個人のまとめです)という印象だったが、今回は、国会対応だけを悪者にするような内容(個人の印象です)を本人が語る記事構成で載っていた。これではフォローできませんね。(個人の印象です)

読売では、このテの問題について、「国会質問が遅いから官僚がかわいそう」という主張を何とかの一つ覚えで繰り返しているが(個人の感想です)、よく分からないのが、行政の内部の段取りを問題とせずに、野党の国会での質問権のみを制限するような方向でしか話を進めていないことだ。(個人の確信です)

仮に一般の商取引で、営業が決めた納期に対して、中の人間が営業ではなく直接顧客に文句を言えばどうなるか。しかも、営業や自分の上司には文句を言わずに客にだけ直接文句を言えば、「オマエの会社はどうなっているのか」と言われて当然だ。当たり前の話だが、納期が間に合わないのなら困るのはお客の方だ。間に合わないなら間に合わないと、正直に上司や渉外担当に言えばいいだけなのに、それをせずに客に文句を言うのはズレているとしか言いようがない。

そもそも、そんなに忙しいのなら、それに関連する行政文書をすべて提供すればいいだけの話だ。あとは質問者側に全部読ませればいい。(法律上は)経緯がすべて書いてあるのだから。行政文書を残さず提供せず黒塗りにして挙句に改ざんして、官僚に説明させているのは、誰の責任か。なぜそいつを責めることはないのか。

4年前に一面的な引用されてかわいそうと同情したが、今回はカラー面で写真付きで堂々とご尊顔をさらしその肩書を見るにつけ、引用で名前を出してあげるのは辞めてあげようと、別の意味で同情させてしまう読売新聞の「明日への考」は明後日の方向を指しているようで、すごい。

・2023/12/23(土)社説3面

学術会議についての社説。今回も、任命拒否の話はスルー。試しに他の社の社説をネットで確認出来る限りざっと見たが、いずれも任命拒否のことは前提として当たり前のように触れていた。(個人の確認です。)

学術会議側の主張を「筋の通らない」(社説)と言い切って、そんな「筋の通らない」主張をする読売社説はやっぱりすごい。

・2023/10/12(木)朝刊教育・投書10面「時代の証言者」

「時代の証言者」で連載中の石沢良昭氏の話で、これは、という記述があったのでメモ。

(前略)石川会長を差し置いて平山さんを担ぎ上げ、関連事業を仕切ろうとする大手広告会社の暗躍には困惑させられました。

読売新聞2023年10月12日(木)朝刊、10面教育・投書面、「時代の証言者」、”魂の遺跡救済 石沢良昭 18”。大阪本社版13s10面。

寡聞にして、石沢氏のことを詳しく知らなかったものの、今回の連載で氏の業績を知り興味深く読んでいるので、上記のような枝葉のような記述を取り上げるのは申し訳ない気もするが、氏とは全く関係ない別の話題で「そういえばあの時の証言・・」という機会があるかもしれないと思ったので、念のためにメモ。時折こういった証言をさらっと載せてしまう読売新聞の時代の証言者はすごい。

・2023/09/28(木)朝刊国際7面、文化30面

首相の国連演説で空席が目立ったこととそれを隠すような演出をしたという話題があったようで(個人のうろ覚えなインターネット環境によるものです)、個人的には、以前、演説後の「列」についての表現の変遷について指摘したことを思い出した[当ブログ記事”安倍氏周辺らと読売新聞のリンク具合がやっぱりすごい-2018年臨時国会”(2018-11-11公開)]。

今日の読売の朝刊は、外交面で、

19日のゼレンスキー氏の演説では、グローバル・サウスの国々を中心に議場に空席が目立った。

読売新聞2023年9月28日(木)朝刊、7面国際面、ニューヨーク支局 金子靖志、ニューデリー支局 浅野友美、”新興・途上国 支援に異議 「ウクライナ優先」に不満 国連一般討論演説 終了”。大阪本社版13s7面

その一方で、文化面で、

「空席」報道には誤解が

読売新聞2023年9月28日(木)朝刊、30面文化面、鈴木一人、「論壇キーワード」、”【国連総会ハイレベル会合】「空席」報道には誤解が”。大阪本社版13s30面

個人的には、読売に出てくる「国際政治学者」は基本的には薄っぺらく見えてしまうものだが(個人の感想です)、「論壇キーワード」に出てくる方には一定程度の信頼感がある(個人の信頼です)。今回の「論壇キーワード」での説明も、納得いくものだった。(ただ、2018年の時に知りたかったという、気持ちはぬぐえないが)

「空席」をそのまま報じながら、同日の別の紙面で「空席」報道には誤解があると指摘する、読売新聞は、国政面と政治面で連携が取れているのかとれていないのかよく分からなくてすごい。

・2023/08/23(水)朝刊2面、「ニュースQ+」

読売には、用語解説するのにいろいろなコーナーがあって、どこにどれがあるのか分からず統一されていない状態だが(個人の認識です)、今日の2面に「ニュースQ+」という「そういえばあったっけそんなコーナー」(個人の感想です)で、「処理水」についての解説。

「処理水」については、正直、ここ最近は何度も取り上げられてきて、記事でも解説でも、何度も説明を読んだ気もするのだが、改めて読むと、いつもと違う記述が。

(前略)、トリチウム(三重水素)以外の放射性物質を除去したものが処理水だ。

読売新聞2023年8月23日(水)朝刊、2面総合面、”同”。大阪本社版13s10面。

「ほとんど」を抜いて断定していることに驚いた。

この表現で「大丈夫か?」と思って同コーナーの図の説明を見ると、

「トリチウム以外のほとんどの放射性物質を除去」[同、図より]

と、こちらはちゃんと「ほとんどの」と書かれていた。

「ほとんど」との語句が入っていることで、科学的で厳密性を持った印象があったのに、「ほとんど」を除いたことにより、かえって、そう言い切れる「科学的根拠」を出せるのか、「大丈夫か?」と心配になった。

あれだけ繰り返し「科学的根拠」とか言ってるのに、「ほとんど」を抜いて言い切ってしまって、その「科学的根拠」を答えられるのか心配になり、疑問に答える解説面のくせにさらなる疑問を産み出している、読売新聞の「ニュースQ+」は、すごい。

[2023/08/25追記:今日の読売新聞朝刊一面左端の記事に、↑と同内容の文章と図が。図の説明には「ほとんどの」があるのに本文では無しのまま。先日の記事では、誰も気づかなかったのだろうか。ちゃんとチェックしているのか「不安」になってしまってある意味「風評被害」を拡大するかのような読売新聞は今日もすごい。なお、同日の解説面(11面)では、「大部分の」と、これまた違う表現をしていました。]

・2023/08/19(土)朝刊解説面10面

解説面に、万葉学者中西進氏へのインタビュー記事。興味深く、姿勢を正した気持ちで読む。

戦後78年 令和の心 今こそ世界へ
国文学者 中西進さん 93

読売新聞2023年8月19日(土)朝刊、解説面、文化部 夏井嵩裕、沢田泰子、”同”。大阪本社版13s10面。

(読売にしては珍しい)良記事だと思うが、「令和」についての説明で、引っかかった点が。

元号「令和」選定については、発表直後の読売月一連載「磯田道史の古今をちこち」(2019年4月10日読売新聞朝刊、現物は未確認、当ブログ記事からの再確認)で真相らしきものが述べられていて、「文選」にも触れられていた。

今回の記事でも、

万葉の時代とは、日本が新しく中国から学んだ友情という愛に目覚めた時代だという気がします。

同上

と触れられていた。個人的にはこのあたりの経緯を、中西氏がどう説明し、読売記者がどのように今回の記事を構成したのか、気になったのだが、記事本文からはそれ以上の情報は得られなかった。(個人の読解力です)

今回の記事では、聞き手(文化部 夏井嵩裕、沢田泰子)の「編集後記」的な「個人の感想です」のコメントが二人分も載っているものの、そのあたりの点については触れられていなかった。

個人的には、編集者のコメントが読めるのも楽しみにしているが、聞きたい点を引き出せていないのに、編集者の「(当たり障りのない)個人の感想です」的なコメントを読まされると、イラっと来てしまう。(個人の度量です)。

せっかくの良記事なのに、編集者のコメントでモヤッとしたものを感じさせる、読売新聞解説面はすごい。

・2023/08/02(水)朝刊政治面4面

自民党女性局長のフランス研修旅行写真の件は、先週末にはすでに話題になっていて、他紙やワイドショーでも週明けになって取り上げられていたようだが、読売は、水曜日になってようやく記事に。と言っても、レイアウトは真ん中あたりに埋もれる様な目立たない位置で、見出しも小さめ。注意して読んでいないと見落としてしまいそうな記事。(個人の印象です)

しかも、「謝罪した」ということをいきなり伝える、まるで、「○○国家主席は事故に対して対応を指示した」という記事が第一報になる独裁政権下のような記事。(個人の感想です。そういえば、安倍晋三後援会主催桜を見る会前夜祭へのサントリー酒類提供を思い出した。読売ではほとんど報じていないのに、会社トップがどっかの会合で謝罪したという記事は載せるパターン)。

ところで、この女性局長の松川るい氏と言えば、読売新聞ではおなじみの人。去年の参議院選挙の前に、不自然なほど読売紙では広告を含め、政治面、社会面、解説面やさらには社説にまで、名前が登場していた。(当ブログのメモからの個人の確認です。参照記事)。極めつけは、元首相が銃殺された日の夕刊に、(参議院選挙期間中にもかかわらず)コメントが名前付きで載っていたほどだ(参照記事)。読売新聞は、それほど松川るい氏に「食い込んでいる」のだから、今回の件も知っていて当然だと思われるが、出てきた記事は、周回遅れの小さな取り扱い。

選挙前は不自然なほど登場していたのに、悪い意味で目立つと不自然なほど控えめになる(個人の感想です)、松川るい氏と読売新聞の関係は、すごい。

・2023/07/08(土)朝刊社説3面

1周年記念ということで、当日に備えて準備していたのか、「安倍氏銃撃1年」をテーマに社説。

懲りずに、「英雄視する風潮」を取り上げていた。二日前の記事↓で「広がりは見せていない」と指摘された後なのに。

社説でもいろいろなものを上塗りするかのような読売新聞はすごい。

・2023/07/06(木)朝刊特別面8面

↓で取り上げたように、7/6の朝刊は、なんかの1周年を控えて何面に渡っての特集記事。

1面の特集記事、8面の解説では、「容疑者を英雄視するな」(個人の意訳です)との、いつもの読売らしい主張の繰り返し。正直、裏を返せば「盗人猛々しい」としか思えない主張だ(個人の感想です)。

そんな読売新聞だが、特別面の8面に、「ツイッター440万件分析」の記事があり、鳥海教授の協力を得て、「山上」という単語を含む投稿を特定の期間収集して分析をしたとのこと。(詳しい条件等は以下の記事を参照)

記事によれば、

(前略)しかし、いずれも批判的な文脈で使われることが多く、同情・英雄視する風潮は広がりは見せていなかった。

読売新聞2023年7月6日(木)朝刊、特別面、”安倍元首相銃撃1年 ツイッター440万件分析 頻出ワード 移ろう関心”。大阪本社版13s8面。

と、「英雄視する風潮」は広がっていないとの分析。1面特集記事で「英雄視」を批判しているのに、8面特別面で「英雄視する風潮は広がりは見せていなかった」と、あっさり否定してしまう、読売新聞は、正直なのか○○なのかよく分からなくてすごい。

それ以外では、

当初、「テロ」という単語を使う投稿は限定的だったが、安倍氏の国葬が近づいた昨年9月や起訴された今年1月によく使われ、岸田首相襲撃事件の際に急増した。両事件を「テロ」ととらえ、その連鎖を懸念した人が増えたとみられる。

同上。

の箇所。「両事件を『テロ』ととらえ」としているが、文面を見れば、その両事件の一つが「国葬」であり、まるで、「国葬がテロ」と「とらえている」ように解釈できなくもない。「国葬を決めたことがテロ」と、ある意味、正直に答えているかのようにも見えてしまう、読売新聞は、特別面でも特別ですごい。

・2023/07/06(木)朝刊1面、特別面8面、解説面9面ほか

なにやら、なんかの1周年を迎えるということらしく、読売新聞が何面かに渡って特集記事。正直、それほど興味はないのだが(個人の興味です)、これまでの行きがかり上、動機についての、読売新聞記事の定点観測をしておく。

(前略)教団と「つながりがあると思った」という安倍氏に矛先を向けたとされる。

読売新聞2023年7月6日(木)朝刊、”安倍元首相 銃撃1年 上 英雄視 暴力の連鎖”。大阪本社版13s1面

(前略)安倍氏について、「つながりがあると思って狙った」と述べた。

読売新聞、同上、特別面、”安倍元首相銃撃1年 凶弾の余波 社会揺らす”。大阪本社版13s8面。

(前略)理由について「旧統一教会とつながりがあると思った」と述べた。

読売新聞、同上、解説面、”論点スペシャル 安倍氏銃撃1年 背景と教訓”「安倍元首相銃撃事件」。大阪本社版13s9面。

1年たっても、「つながりがあると思った」と繰り返すだけで、実際につながりがあったのかどうかを一向に説明してくれない、読売新聞はすごい。

・2023/07/05(水)朝刊経済面7面

経済面に更迭された経産省審議官の人事記事。正直、審議官レベルの人事情報など(関係者以外には)どうでもいいが(個人の感想です)、読売新聞がこの人物に付随した発言をどう報じているかを記録しておくためにメモ。

経済産業省は4日、問題発言で首相秘書官を更迭(中略)。
(中略)氏は2月、取材源を明らかにしないオフレコを前提とした記者団の取材に対し、「(同性婚カップルが)隣に住んでいたら嫌だ」と発言した。(後略)

読売新聞2023年7月5日(水)朝刊、経済面、大阪本社版13S7面。”更迭の荒井氏 経産省審議官 元首相秘書官”。

読売記事が強調したいのは、この件は、(「差別発言」ではなく)「問題発言」であり、オフレコ発言だった、ということのようだ。なおこの件は、半年前、当ブログでも読売記事での取り上げをメモしていて[”今日も読売新聞はやっぱりすごい(2023年上半期)”「・2023/02/07(火)朝刊3面社説、4面政治面、30社会面。」]、社説でも(あの社説ですら)「差別する発言」(2023年2月7日朝刊3面)と言い切っていたのに、今回はその文言(「差別」)は無し。

まるで、「当時は文句なしの差別発言だったけど、オフレコだったから今は『不当な差別』ではないので問題ないから差別発言ではなく問題発言」と、よく分からない解釈をしているかのような読売新聞の人権意識(個人の解釈です)は、半年たって差別法案成立を挟んで大丈夫なのか、心配になってすごい。

・2023/07/04(火)夕刊7面、「ラウンジ+」

私の記憶に引っかかったことがあったので、念のためにメモ。読売夕刊の紙面の下欄に、「ラウンジ+」というコーナーがあるのだが、そこでは、商品やコンサート紹介と同時に抽選でプレゼントというほぼ広告のコーナー(個人の認識です)と、(事件性のない、それほど旬でもない、なんでこの人がという)人物を取り上げて趣味とか近況紹介という(当たり障りのない夕刊らしい)コーナーがある。その人物コーナーに、どこか聞いたような名前が出ていて、経歴を見ると、森友問題で見た名前かなと思い、改めて検索したら、元理財局長だったことを確認した。この人物自体は、森友問題においてはそれほど重要な人物ではない(と個人的に現時点で判断している)ものの、全く無関係ではないので、気にかかった。もちろん記事はそれとは関係ない穏やかなものだったが、写真付きで載っていたので念のために個人的に写真にとって保存しておいた。こうやって、時折、私の記憶力を試してくるような読売夕刊は油断できなくてすごい。


過去の「今日も読売新聞はやっぱりすごい」は、

今日も読売新聞はやっぱりすごい(2017年)[2017/10/7~2017年末]
今日も読売新聞はやっぱりすごい(2018年上半期)[2018/01/01~2018/06月末]
今日も読売新聞はやっぱりすごい(2018年下半期)[2018/07/01~2018年末]
今日も読売新聞はやっぱりすごい(2019年上半期)[2019/01/01~2019/06月末]
今日も読売新聞はやっぱりすごい(2019年下半期)[2019/07/01~2019年末]
今日も読売新聞はやっぱりすごい(2020年上半期)[2020/01/01~2019/06月末]
今日も読売新聞はやっぱりすごい(2020年下半期)[2020/07/01~2020/12月末]
今日も読売新聞はやっぱりすごい(2021年上半期)[2021/01/01~2021年6月末]
今日も読売新聞はやっぱりすごい(2021年下半期)[2021/07/01~2021/12月末]
今日も読売新聞はやっぱりすごい(2022年上半期)[2022/01/01~2022年6月末]
今日も読売新聞はやっぱりすごい(2022年下半期)[2022/07/01~2022/12月末]
今日も読売新聞はやっぱりすごい(2023年上半期)[2023/01/01~2023/6月末]


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