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《以上広告アナウンスでした。以下本文》
悪役と言えば、憎まれることでその存在意義を見出す。
そんな憎まれ者の悪役でも、悪役なりの魅力があって、「ダークヒーロー」や「ヒール」と言った横文字で、かっこよく、もてはやされることは、よくある。
架空小説「仮名手本森友学園」では、アベさんは諸悪の根源として描かれているかのようだが、不思議なことに、憎まれ役のアベさんには悪役としての魅力すら感じさせないものになっている。
悪役で憎まれるうえに、悪役としての魅力もない、という状態だ。
そんな、踏んだり蹴ったりのアベさんだが、その「アベさんが本音で語った」ことを、「総理に一番近い記者」と自称する人物が記録した、という手記らしきものを偶然発見し、真偽は明瞭だが、何かの役に立つかもしれないので、紹介したい。
《以下、真偽明瞭な手記の引用》
×年〇月◇日首相官邸にて。
[引用者注:年月日は伏字にした。なお、内容が事実かどうかを当該機関に問い合わせたところ、「当日の訪問者記録は残っていないので確認できない」という答えだったので、この日に実際に訪れたことは事実だと確認されたことになる。とかなんとか。]
<事前に首相秘書?から、口頭で、ワイドショー等でのコメント内容のレクチャーと、いつもの領収書不要の謝礼をいただいたあと、首相と面会し、しばし雑談。以下、首相の独白をメモ書き>
みんな私のことをボロカスに言うけど、ちょっとは私の身にもなってモノを言って欲しいよ。
いや、分かってるよ、自分がそれほど賢くないことぐらいは。謙遜じゃないよ。
でも、分かっちゃいるけど、言われると腹が立つんだよ。特に、短髪の女性相手だと、ついついカッとして反論しちゃう。誰とは言わないけど。
いやいや、周りは、私のこと褒めてるけど、本音はどうなのか、怪しいもんだよ。私だって童話「裸の王様」ぐらい読んだことがあるよ。
実際、ふと思うことあるよ。この秘書官たちも、口では私を立ててくれるが、心の中では、バカにしてんだろなーって。
そりゃわかるよ、原稿にあれだけルビを付けられれば。まあ、仕方がないけど。
でも、私も下からの提案を受け入れる広い度量を見せているんだよ。そこを評価して欲しいもんだよ。
例えば、「アベノミクス」が、そう。
フツウなら、恥ずかしくて自分では言えないよ、こんなネーミング。それを恥ずかしげもなく口にできる私は、もっと評価されてもいいと思うよ。
考えても見てよ、自分の名字にミクスをつけて人前で言わなければならないんだよ。気にしてないように堂々と、たくさんの人とカメラの前でだよ。
しかも外国でも言わなきゃならないんだから。アベとミクスは分かるけど、途中の「ノ」はなんだ、と聞かれたら困っちゃうよ。
だいぶ前だけど、「おのののか」の「の」みたいなもんだよ、って言ったら、キョトンとしてたよ。
あれ、アナタもキョトンとしてるけど、ほら、あのケントーシの・・・、えっ、お、小野妹子?、け、遣隋使?、えっ、し、しってるよ、小野妹子は男だって。あ、今は、性別言っちゃダメなのかな。LGBTだっけ。何の略かはわからないけど、まあ、いいや。
でもさ、私に文句ばっかり言う奴らにも、実際に、私の身にもなって欲しいんだよ。
だって、考えてみてよ、周りは、心の中で私をバカにしている連中に囲まれているんだよ。
もちろん、私を心から褒めている人はたくさんいるのも分かっているよ。かといって、疑いもなく私を褒めている人は、こういっちゃ悪いけど、気持ち悪いよ。だってそうでしょう、意味が分かんないんだもん。
要するにさ、
身内が褒める → 分かる
褒めることで利益がある人がウワベだけ褒める → 分かる
不利益を受けているのに褒める → 意味わかんない
いや、もちろん、初めのウチは、私も、私を支持するのならバカでも利用できるぐらいに思っていたけど、ここまで来たら、ちょっと怖くなってきた。
たとえば、カケさんの時に、あれだけ見え透いたウソをついたのにまだ私を支持しているんだよ。選挙で負けなかったことは、ホッとしたんだけど、ふと思ったんだよ、この国は、バカしかいないのか、って。
ゾッとしたよ、この国の将来を考えたら。
「心の中ではバカにしているんだろうな」という取り巻きと、自分よりバカな大衆しかいない国、その国の最高責任者としての責任を負わなければならないと考えたとき、ゾッとしたよ。
そういえば、ハシモトさんも、会食した時、たしか言ってたような気がするよ、「実は、都構想が否決されたときホッとしました」。
なぜと聞き返したら、「あんなハッタリでしかないもんに賛成してしまうオーサカを治めなければならないと想像したとき、ゾッとしました。否決してくれたおかげで、私も逃げることができました」って言ってたような気がするよ。
ハシモトさんには、また政治にかかわってみたら、と勧誘したけど、「もうこりごりです」と言ってたような気がするな。
ね、この恐怖感から逃げずに総理を続ける私の覚悟を評価して欲しいよ。
だろ、これが総理の責任感だよ、また、うまく書いといてよ。
まあ、その辺のことは、いざとなったら、私のせいではなく、病気のせい、とか、理由をつけて退くけどね。最終的には、選んだ国民のせいだと、割り切れるし、ハハハ。
まあ、でも、本音を言うと、一番同情して欲しいのは、家のことだよ。
家に帰ったらさ、あの母親とあの嫁がだよ・・・。はあ。
ああ、時間だね。後はヨロシク。
<取材メモ>
(何がヨロシクだ、そういうお前をフォローしなければならない私の身にもなってくれよ)と口に出かかるが、じっと我慢して退出。
私もそろそろ身の振り方を考えなければ・・・。
《以上、真偽明瞭な手記の引用終わり》
その後、この記者の行方を知るものは誰もいない・・・。
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