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《以上広告アナウンスでした。以下本文》
「桜を見る会」の名簿の存在について、政府の説明は二転三転してきた。
場当たり的な説明を繰り返してきたため、過去の名簿についても記憶による証言のみで、裏付けとなる記録がなく、証明ができなくなっている。
そこで今回は、2010年以降の桜を見る会の名簿について、時系列で整理することとしたい。
2010年以降の「桜を見る会」名簿の時系列
2010/04/17 「平成22年桜を見る会」開催→名簿保存→2015/02/25廃棄《廃棄簿》
2011/03/13 「平成23年桜を見る会」中止発表→名簿保存せず(廃棄日不明)
2012/03/23 「平成24年桜を見る会」中止発表→名簿保存せず(廃棄日不明)
2013/04/20 「平成25年桜を見る会」開催→名簿保存せず(廃棄日不明)
2014/04/12 「平成26年桜を見る会」開催→名簿保存せず(廃棄日不明)
2015/04/18 「平成27年桜を見る会」開催→名簿保存せず(廃棄日不明)
2016/04/09 「平成28年桜を見る会」開催→名簿保存せず(廃棄日不明)
2017/04/15 「平成29年桜を見る会」開催→名簿保存せず(廃棄日不明)
2018/04/01 内閣府大臣官房人事課保存期間表改正(「平成〇年桜を見る会」保存期間1年未満)
2018/04/21 「平成30年桜を見る会」開催→名簿保存せず(廃棄日不明)
2019/04/13 「平成31年桜を見る会」開催→名簿保存せず(2019/05/09廃棄)《証言》
2019/10/28 内閣府大臣官房人事課保存期間表改正(「平成〇年桜を見る会」等の文言削除)
2019/11/13 「令和2年桜を見る会」中止発表
注)2018/04/01と2019/10/28の内閣府大臣官房人事課保存期間表改正は、「13(職員の人事に関する事項)―(5)(その他)―5」が対象。(最後の5は、丸の中に数字の5が入る丸数字で表記)。
[作成:2020/01/18]
2010年桜を見る会の開催日については、
AFPBB News、”鳩山首相の「桜を見る会」、著名人ら数千人集まる”、2010年4月17日 16:23 発信地:東京 [アジア・オセアニア 東京]。https://www.afpbb.com/articles/-/2718856(参照2020-01-17)「2011年桜を見る会」の中止発表日については、
日本経済新聞、”「桜を見る会」は中止 政府”、2011/3/13付。https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1301P_T10C11A3000000/(参照2020-01-17)「2012年桜を見る会」の中止発表日については、
朝日新聞デジタル、”野田内閣「桜を見る会」中止に 北朝鮮のミサイル予告で”、2012年3月23日11時37分。http://www.asahi.com/special/08001/TKY201203230209.html(参照2020-01-17)2013年以降の桜を見る会の開催日については、
首相官邸ホームページ、首相官邸ホームページ検索、「桜を見る会」で検索。検索結果の1ページ目からのまとめ。
https://p-search.kantei.go.jp/ja_kantei/search.x?q=%E6%A1%9C%E3%82%92%E8%A6%8B%E3%82%8B%E4%BC%9A&portal_code%5B0%5D=ja_kantei&page=1(参照2020-01-17)「2020年桜を見る会」の中止発表日については、
首相官邸ホームページ、”「桜を見る会」についての会見”、令和元年11月13日。https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201911/13kaiken.html(参照2020-01-17)2010年桜を見る会の名簿の廃棄日については、
宮本徹twitter、22:18 – 2020年1月15日。
https://twitter.com/miyamototooru/status/1217692596908113921(参照2020-01-17)2019年桜を見る会の名簿の廃棄日については、
日テレNEWS24、”「桜を見る会」名簿廃棄の経緯をヒアリング”、2019年11月26日21:40。http://www.news24.jp/articles/2019/11/26/04551296.html(参照2020-01-17)2018/04/01と2019/10/28の内閣府大臣官房人事課保存期間表改正については、
[NORIKOROCK石垣のりこ後援会twitter、”第11回 総理主催「桜を見る会」追及 〈配布資料〉”、22:06 – 2019年12月3日。https://twitter.com/norikorock2019/status/1202106912247963653での配布リンク先の文書20191204150257.pdf](参照2020-01-18)
(感想)
時系列を見てわかる通り、2010年以降の「桜を見る会」の名簿で、廃棄した日時が分かるのは、2010年の名簿と、2019年の名簿だけだ。それ以外は、日時が特定できなくなっている。
しかも、2019年の名簿は「『廃棄した』と聞いている」という間接的な証言だけで、廃棄簿等の記録には残っていない。
つまり、実質的に、名簿が廃棄されていると記録が残っているのは、2010年のものだけで、それ以降のものは、廃棄した記録がない。
以前述べたように、廃棄作業には、そもそも前提として、文書が登録されていなければならない。登録された中から、保存期間が来たものを、管理責任者が廃棄対象であること確認し、上司(最終的には総理大臣)の決裁を受けた上で、実際に廃棄処分され、廃棄簿に記載される。この工程に、登録されていない文書が紛れ込むことは許されない。
(話は変わるが、以前、大阪府警で大量の捜査資料放置が発覚したことがあった。ずさんな管理で言語道断ではあるが、これはある意味、資料を勝手に破棄できず、ずっと残っていたことを意味する。つまり、ずさんな大阪府警でも、勝手に資料は廃棄できなかったのだ。[大阪府警の捜査資料放置に関しては、当ブログ記事”「森友問題」(番外編)改ざん後も反省なき組織の末路-大阪府警の場合”を参照])
したがって、「廃棄した」という証言しかないのであれば、具体的に「廃棄した」状況を説明することが求められるだろう。
ただ、私は、桜を見る会の名簿は単独で保存されていたのではなく、「平成〇年桜を見る会」フォルダに、他の資料と一緒に保存されていた可能性がある、と見ているので、内閣府の職員が説明できるとは思っていないが。
また、保存期間表の改正について。
これに違和感があったのは、改正の対象が
「職員の人事に関する事項」
であったことだ。
「桜を見る会」の招待者は、「職員」に当てはまるとは思えない。この項目は、あくまで、他省庁の「職員」が桜を見る会に「業務」として参加する場合の名簿なのではないだろうか。
つまり、「桜を見る会」の招待者名簿は、この改正された分類に当てはまるものではないと見た方が正しいだろう。
この点については、2010年の名簿の保存でも、裏付けられる。
少し説明がいるが、行政文書は、翌年度の4月1日が起算日になる。つまり、2010/04/17に開催された桜を見る会の名簿は、2011/04/01が起算日となる。
そしてこの名簿は、2015/02/25に廃棄されている。
廃棄についても説明がいるが、4月1日が起算日となっている文書は、保存期間満了を迎え、その満了後の措置が決定するのも、保存期間が過ぎた後の4月1日だ。廃棄措置が決まったものは、決裁を受けたうえで、廃棄作業を、その年度内に行う。
つまり、2010年の名簿は、
2011/04/01に登録され、2014/04/01に保存期間満了を迎えた
と推定される。
[2020/01/21追記:正確に言うと、保存期間満了日は2014/03/31で、その翌日の2014/04/01に決められていた満了時措置が確定する。(ただし、廃棄の場合は、その後、廃棄の決裁が必要となるため、その措置が変更される場合がある。)]
そして、この期間に、延長保存措置がされたのでなければ、
名簿は3年保存
で登録されていたことになる。
(もちろん、「1年保存だったが延長した」「1年保存だったが年度内に廃棄しなかった」という言い訳も可能だ。だがこの場合、「延長した(あるいは年度内に廃棄しなかった)のは、2011年、2012年と開催されなかったので名簿を残す必要があったから」という言い訳とセットとなり、「2011年と2012年の名簿も登録する必要があった」として職員を処分した内閣府の理屈と食い違うこととなる。)
一般社団法人共同通信社、”内閣府、幹部6人を注意処分 桜見る会の名簿不記載”、2020/1/17 22:10 (JST)。https://this.kiji.is/590841845946614881(参照2020-01-18)
もちろんこの点については、保存されている「平成22年度行政文書ファイル管理簿」(30年保存)を見れば、分類・保存期間はすぐにわかるので、確認がまだであれば早めにして欲しいものだ。
正直、「桜を見る会」については、今年になってから追い始めたので、すでに解決済みのことを語っている可能性があるが、問題をかたずけない限りは追いつけないので、恥を忍んで、疑問点は率直に述べて、聞いたり調べていくこととしたい。
[2020/01/21追記:後日確認したところ、過去の名簿が3年保存だった点は、宮本徹議員がブログですでに去年の時点で指摘していた。
だからこそ、2018年4月1日以前は、招待者名簿等は、安倍政権のもとでも、保存期間は1年(麻生内閣では3年)とされていたわけです。
宮本徹ブログ、「宮本徹 いま言いたい」、”菅官房長官は「ルールに基づいて」と繰り返すが、ルールを知らないのでは”、2019-12-17 23:43:58。https://ameblo.jp/miyamototooru/entry-12560453718.html(参照2020-01-21)
これまでe-Govによる個人的な検索では見落としていたが、改めて対象となる年を広げて検索すると該当すると思われるものが見つかった。
このことにより、「2010年が保存期間3年」で「2018年から1年保存を1年未満に変更した」点についての食い違いについては、2010年から2018年の間に保存期間表を改正した可能性を考慮する必要が出てきた。
ただ、平成22年に該当するものは見つからなかったので、引き続き平成22年名簿の分類についての確認が求められる。]
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