この記事のこの場所に「この記事には広告が含まれます」という一文が目立つように書いてあります(ここはそういうところですよ?)
《以上広告アナウンスでした。以下本文》
読売新聞といえば、
「日本を代表する新聞」
読売新聞へようこそ、渡辺恒雄、”主筆メッセージ”。
https://info.yomiuri.co.jp/group/message.html
(参照2018-06-26)
であるらしい。そんな、読売新聞が、2018年6月26日に、社説と政治面で、
「本紙はメディアではない」
と、合わせ技で、あたかもそう言っているような主張をしているかと思わせる、分かりにくい書き方をしているかのようだ、ということを、当ブログで(分かりにくく)説明したい。(ああ、ややこしい)。
2018/06/26の読売新聞の社説「国連人権理事会 米国の離脱は改革逆行を招く」
(要旨)
- トランプ米政権が国連人権理事会から離脱表明
- 理事会が政治対立の場と化し機能していないという米国の主張にも一理ある
- だが、米国は大国であるからこそ内部から改革を促すべきで離脱は無責任だ
- 理事会では、昨年、中国・韓国が慰安婦問題を取り上げ対日批判をし、特別報告者が「日本政府がメディアに圧力をかけている」との調査結果
- 政府は断固反論し、誤りを正すなど、積極的な対処を続ける必要がある
読売オンライン、社説、”国連人権理事会 米国の離脱は改革逆行を招く”、2018年06月26日 06時00分。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20180626-OYT1T50003.html
(参照2018-06-26参照)
(感想)
米国の離脱表明自体は、数日前にニュースで流れており、読売新聞が社説で取り上げたことには、タイミング的にも内容的にも、なんら目新しさはない。
ただ、今回に限らず、読売の社説は、最後の段落で、自社の利益を主張する形が多い。(例:一時期、消費増税の話をすると、必ずと言っていいほど、最後に、新聞の軽減税率適応を主張していた印象)。社説というものがそもそも、自社の主張を述べる場なので、当然と言えば当然だが。
今回の社説では、慰安婦問題での対日批判とともに特別報告者の「日本政府がメディアに圧力をかけている」を取り上げ、それを受ける形で、最後の文で、
「政府は断固反論し、誤りを正すなど、積極的な対処を続ける必要がある」
と主張している。おそらくこれが自社の利益を主張したものなのであろう。
ただ、そうなると、理由はよくわからないが、読売はメディアの当事者であるので、違うなら「圧力はかけられていない」と主張すればいいだけな話なのに、なぜか自らは反論せずに「政府は反論しろ」と政府任せにしている。理由はよくわからないが。
2018/06/26読売朝刊4面政治”「森友・加計」新事実乏しく”
読売新聞、政治面、”「森友・加計」新事実乏しく”、大阪本社版、13S、4面。2018/06/26.
(要旨は見出しタイトル通りなので省略)
(引き続いての感想)
一方、同日の政治面では、いつもの通り、「森友・加計」問題に新事実がないという主張だった。読売新聞は、何が出ても、しばらくすると政治面と社説で、1年前から「新事実は乏しい」と言い続けているので、こちらもなんら目新しさはない。
当ブログ記事、「今日も読売新聞はやっぱりすごい(2018年)」(参照2018-06-26)
事実だけ指摘しておくと、前日の参議院予算委員会では、共産党が独自入手した文書の確認を、石井国交省大臣に求めたのに対し、公明党所属の石井大臣は「コメントをしない」と答えて、何度も速記が止まっていたが、読売は、「国会詳細」欄でも、この件に一切触れていない。
”国交相も「コメント控える」森友新文書 委員会中断(15:10)”
朝日新聞デジタル、”【国会詳報】首相、加計氏発言「コメントの立場にない」”、2018年6月25日19時10分。
https://www.asahi.com/articles/ASL6Q5G43L6QUEHF00P.html
(参照2018-06-26)
この文書に関しては、2018/6/18に共産党が参議院決算委員会で公表し、確認を求めていたもので、同日、質問者の辰巳孝太郎議員が記者会見に応じ、メディアに提供していた。
日本共産党中央委員会、”記者会見で公開した森友関連の文書”。
http://www.jcp.or.jp/web_info/html/post-8.html
(参照2018-06-26)
だが、読売新聞ではいまだにこの文書に一切触れておらず、存在しないことになっているかのようだ。そこを報じていないので、前提が無い状況で、国会詳細で触れようにも触れられない状況になっている。
なぜ、読売新聞はこの文書を触れないのかと言えば、いろいろ考えられる。
私はそうは思わないのだが、読売新聞は安倍政権よりの新聞としておなじみなので、安倍政権にとって都合が悪い文書は取り上げない、と言う人もいるらしい。私はそうは思わないのだが。
そうでなければ、可能性の一つとして、共産党はマスメディアに公表するとしたが、読売新聞はマスメディアではないという理由で自ら受け取りを辞退したのではないか、ということすら発想させる。
以上の二つの記事から導ける結論
2018/06/26の読売新聞は、社説では、
国連人権委員会の「日本政府がメディアに圧力をかけている」との報告があったが、政府は抗議しろ
と、「メディア」の当事者なのに、政府任せな主張をしていた。
また、政治面では、いつものように、
「森友・加計」に新事実乏しい
と(何とかの一つ覚えのように)言って、共産党が「マスメディア」にも提供した新文書を一切無視し続けている。
この二つの記事の背景から導かれる論理的帰結は、
読売新聞はメディアではない
ということではないだろうか。
そう考えれば、読売新聞が、「日本政府がメディアに圧力をかけている」ことに対して、メディアとして自ら抗議するのではなく政府に抗議させる理由がつき、メディアに公開されたはずの森友問題の新文書を記事にせず「新事実に乏しい」と言い張る理由もよくわかる。
いずれも、
読売新聞はメディアではない
ということを自ら裏付けているものだ。
社説だけでは物足りなくて、政治面も使って、そのことを読者に伝えようとする、読売新聞はやっぱりすごい。
[2018/06/27追記:27日付読売新聞朝刊の26日の首相動静を記した「安倍首相の一日」に、渡辺恒雄株式会社読売新聞グループ本社代表取締役主筆の名が。夜の会食を共にしたとのこと。こんな分かりやすいことをする読売新聞はやっぱりすごい。]
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