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《以上広告アナウンスでした。以下本文》
朝日新聞が財務省による「森友文書」の改ざんを報じたのが、2018/03/02朝刊。
このスクープに、様々な人間が、様々な立場から、その真偽をめぐって発言をし、その情報源についても、様々な憶測がなされた。
だが、2018/03/12に財務省が改ざんを認めたことによって、朝日の報道が真実であることが明白になった。
この事実により、改ざん前の情報源についての推測などどうでもよくなってしまった感じもあるが、現時点での考察を試みたい。
[公開2018/03/24、更新2018/03/25]
1.改ざん前文書を持っていた可能性があるのは
改ざんが行われたのは2017/02月下旬から4月にかけてだが、改ざん前の時期に文書を入手していた可能性があるのは、以下の3つのグループに限られ、それぞれ入手した可能性がある組織を列挙してみると、
A.「改ざん当事者」→財務省本省・近畿財務局
B.「役所関係者」→国交省大阪航空局・首相夫人周辺
C.「情報公開請求者」→籠池氏・木村市議のグループ・朝日新聞
そして改ざんが行われた後に、改ざん前文書を入手したのは、
D.「検査・捜査関係者」→会計検査院・大阪地検
[2018/03/25修正:Dに会計検査院を追加]
であり、大阪地検は、上記のA,B,Cのいずれかから(あるいはすべてから)入手したことになる。
以上より、改ざん前文書を持っていたのは、A,B,C,Dのいずれか、あるいは、そのいずれかからのリークで手に入れたものであることが考えられる。
2.情報公開請求者の時系列整理
上記を見て考えると、朝日新聞はCの「情報公開請求者」なので、情報源も何もなく、情報源そのもののように見える。実際、私は、報道された当初に、この説を取った(→「森友問題」で今日分かったことのまとめと考察(2018/03/02))。
だが、この点については疑問点が多いので、改めて経緯を振り返ってみる。
Cの「情報公開請求者」で分かっている時系列でいうと、
2015/05/28の貸付契約後に籠池氏が決裁文書を情報公開請求
2015/06 近畿財務局が本省との相談内容を削除(←1回目の改ざん)
籠池氏が貸付の決裁文書を入手
2016/05 木村市議が賃貸合意書を公開請求→黒塗り
2016/06 売払契約
2016/09 木村市議が売買契約書を公開請求→黒塗り
木村市議に話を聞きに来たマスコミは、朝日、毎日、大阪NHK、共同通信
2016/12 朝日新聞が公開請求→価格非公表
2017/02/09 朝日新聞記事「価格非公表、近隣の1割か」
2017/02/10 国会議員に売却価格を開示
2017/02/17 安倍首相「かかわっていたら国会議員も首相も辞める」
2017/02下旬から4月に決裁文書を改ざん
NHK NEWS WEB、”「森友」 財務省 以前から不都合な文書削除か”、3月13日 21時36分。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180313/k10011363801000.html
(参照2018-03-14)[2018-03-24リンク切れ確認]”森友学園問題について 木村真豊中市議2017年6月4日静岡市”
https://www.youtube.com/watch?v=18bxNSdfunc
(参照2018-03-24)朝日デジタル「学校法人に大阪の国有地売却 価格非公表、近隣の1割か」吉村治彦、飯島健太 2017年2月9日05時03分
http://www.asahi.com/articles/ASK264H4YK26PPTB00J.html
(参照2017-10-03)[2018-03-24リンク切れ確認]
以上を見てわかるのは、木村市議が請求・入手していたのは、金額が記されている貸付合意書、売買契約書であって、改ざんが行われた調書が含まれる決裁文書ではなかった可能性が高く、木村市議は、改ざん前の文書は手にしていなかったとみてよいだろう。
(改ざんが発覚後に、木村市議がそのことを発信していないことからも改ざん部分を含む文書は持っていなかった、と見るのが自然だろう。)
3.朝日新聞の情報公開請求した文書は?
そうなると、朝日新聞が、情報公開請求をしていたにしろ、調書を含めた決裁文書を公開請求して手に入れていたのかが、疑問になる。
当時、疑われていたのは売買金額であり、わざわざ、金額以外の経緯を含めて公開請求する動機に乏しいからだ。
さらに、「財務省が情報公開請求で出回った後の文書を改ざんするという、ずさんな犯罪行為をするわけがない」、という「当たり前」の常識からすれば、朝日新聞が決裁文書を事前に公開請求で手に入れていたわけがないと、考えるのが「当然」だ。
さらにもう一つ、朝日新聞の「財務省改ざんスクープ」は2016年の決議書だけでなく2015年の決議書の改ざんについても言及している。改ざん前文書を公開請求で手に入れていたとしたら、これは、売買金額を追求していた時点で、それ以前の契約である貸付決議書まで請求していた、ことになる。あの時点で、貸付決議書も公開請求していたと考えるのは、ちょっと無理があるだろう。
以上より、朝日新聞が情報公開請求で事前に、改ざん前の文書を手に入れていた、とするのは、無理があるように思える。
4.籠池氏が決裁文書を情報公開請求していた意味
残るは、籠池氏が情報公開請求していた決裁文書だが、籠池氏が、決裁文書を請求していたのは合理性がある。
ただ、籠池氏にとって、契約書や合意書を請求する意味はない。契約の当事者なので、その文書はすでに持っているからだ。
一方で、経緯が書かれた調書を請求することは、請求する行為自体に意味を持つ。
財務省にちゃんと仕事をしているか見ているぞ、というプレッシャーを与えられるからだ。そこに政治的な関与が加わればなおさらである。
財務省の役人が決裁文書にわざわざ昭恵氏らの名前を書き込んだのは、籠池氏を通じて昭恵氏へ「我々は仕事そしています」とのアピールだった、とも言える。
また、報道では、籠池氏が2015年の貸付の決裁文書を請求していたことが明らかになっているが、触れられていない2016年の売買決議書も公開請求していたとするのも自然だろう。
そうなると、籠池氏が改ざん前の売買決議書と売払決議書の両方を持っていた可能性は高い。
この場合、籠池氏の資料で、キーとなるのが、菅野氏がデータ保存した資料である。
籠池氏より資料を託された菅野氏は、スキャンし、データ化したようだ。大阪地検が籠池氏の資料を押収した後になっては、貴重なデータだ。だが、このデータの一部は、2018/02/25に販売開始されている。
https://www.facebook.com/SUGANOTAMOTSU/posts/192350371359474
スキャニングにはかなりの費用が掛かるので、価格についてはある程度は理解できる。(ただ、私には手に出せない価格なので、この販売を知ったときは、「安倍晋三小学校の設立趣意書があれば価値はあるが、そうでなければ、購入する価値はない。重要な証拠が残っているとすれば、財務省や首相周辺だろう」と酸っぱいぶどうのように思っていた)。
そして、2018/03/02に朝日のスクープがあり、改ざん前の文書の出所を突き止めようといろいろな人が必死になって探した。しかし、菅野氏のデータを購入した人・組織がいたのだろうが、どこからも、この情報は出なかった。
そうなると、この販売情報の中には、籠池氏が持っていた可能性がある、改ざん前の貸付決議書と売払決議書は含まれていなかったと推測される。
(そして悪意のある言い方をすれば、菅野氏は絶妙なタイミングで、持っているスキャニングデータを売ることができたのである。)
5.現時点での推測
以上を考えると、C.「情報公開請求者」が情報源というにはすべて疑問点があり、確かな根拠はない。
しかしだからと言って、他からのリーク説に説得力があるわけではない。
リーク説の場合、センセーショナルでわかりやすいので、飛びつきやすいが、どうしても裏付けに難がある。リークの場合は正当性を判断するのに、リスクがあるからだ。
その一方で、情報公開請求の場合は裏付けが容易だ。正当な手続きで文書を手に入れているからだ。この点だけでも、リーク説より情報公開請求説の方が説得力がある。
だが、現時点では、どちらの説もないとも言い切れないし、どちらが有力だともいえない状況だ。
無責任なようだが、私の能力では、今後の情報公開に期待するほかにはない。
過去の考察のカテゴリーはこちら→「森友問題」考察
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