「森友問題」会計検査院報告の「その後の検査について」(2018/11/22)のまとめと考察(後半)―内容の考察

架空小説「仮名手本森友学園」

「森友問題」会計検査院報告の「その後の検査について」(2018/11/22)のまとめと考察(前半)―要点の整理からの続き。

前回記事では、会計検査院報告「その後の検査について」について、要点をまとめたが、今回記事ではそのまとめを踏まえて、考察を試みたい。

会計検査院、”「学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査の結果について」(平成29年11月報告)に係るその後の検査について”、平成30年11月22日。

http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/29/pdf/301206_sonogo_01.pdf会計検査院ホームぺージにて、2018/12/06公開。(参照2018-12-23)

[公開:2018/12/23]

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「森友問題」会計検査院報告の「その後の検査について」(2018/11/22)のまとめと考察(前半)―要点の整理

架空小説「仮名手本森友学園」

森友問題に関する会計検査院報告は、いったん2017年11月22日に公開されたが、その後、財務省の改ざん、さらに、廃棄したとしていた応接記録等の資料があることが発覚したため、その影響を再び検査し、報告することになっていた。

その結果が、2018年11月22日に報告された。ようやく、と言っていいだろう。

だが、当日のうちに会計検査院のホームページに見に行ったが、該当する文書は見つけられず、その後2,3日ほど時折のぞいてみたが、アップされていないようだった。
1年前の報告書は、即日に概要と全文がアップされたのに、なぜ今回はアップしないのかと不信が募った。

そして、月が替わって、臨時国会が終わったあと、アップされていることを間接的に知り、会計検査院のページを見に行った。トップページの新着情報に「2018年12月6日」付で掲載したと書かれてあった。だがそれは、独立したページではなく、去年の平成29年11月報告のページの下の方に、まるでオマケのように1行でPDFリンクを貼ってあるだけだった。そしてその下には小さく1行

※本資料は、会計検査院法第30条の3の規定に基づき検査の結果を報告するものではありません。

http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/29/h291122.html(2018-12-17参照)

と書かれてあった。いろいろと、ツッコミどころと、不信を募らせる点はあったが、この追加報告について、要点をまとめたうえで考察したい。

[要点のまとめが長くなってしまったため、当記事は前半と後半で分けることにした。当記事は前半部で、要点のまとめを中心に整理、次回の後半部では考察を加えたい。]

[公開:2018/12/17]

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「森友問題」で今日分かったことのまとめと考察(2018/11/30)

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2018年11月30日に「森友問題」で分かったこと

[公開:2018/12/03]

しんぶん赤旗「森友8億円値引き売却直後 13億円の不動産鑑定評価 衆院委 宮本岳氏追及」2018年12月2日(日)

(要旨)

  • 宮本岳志議員が、11/30の衆院国土交通委員会で、独自資料から明らかに
  • 国が8億円を値引きし1億3000万円で国有地を売却した直後、同じ土地に13億円の不動産鑑定評価が出されていた
  • 13億円の不動産鑑定評価を出した同研究所の不動産鑑定士は、森友学園に8億円の値引きで国有地を売却することを承認した国有財産近畿地方審議会の委員をつとめていた熊澤一郎氏

しんぶん赤旗、”森友8億円値引き売却直後 13億円の不動産鑑定評価 衆院委 宮本岳氏追及”、2018年12月2日(日)。http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-12-02/2018120202_02_1.html

(参照2018-12-03)

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「森友問題」応接記録で隠しきれなかった本省理財局の関わり具合のまとめ(2018/11/21)

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2018/06/18に、共産党により公表された、「応接録の公表についての検討メモ」とみられる文書には、次のような一文があった。

近畿財務局と理財局のやり取りについては、最高裁まで争う覚悟で非公表とするのだろう

https://www.jcp.or.jp/web_info/images/20180618_moritomo_tatsumi.pdf
(参照2018-11-21)

日本共産党中央委員会、”記者会見で公開した森友関連の文書”。
http://www.jcp.or.jp/web_info/html/post-8.html
(参照2018-11-21)

財務省はいまだ、資料を隠しており、それが都合の悪いものであることを、自白しているようなものだ。

実際、財務省は、政治家の関わりだけではなく、本省理財局の関わりも消そうとしていたことが、改ざん発覚後に不十分ながらもようやく公表した応接記録により、明らかになっている。

「行政文書の改ざん」という、歴史への犯罪行為をしておきながら、財務省は、改ざん発覚後も、未だに何の反省もないようだ。

そこで今回は、不十分だが公表された記録を基にして、森友問題において、本省理財局がどのようにかかわってきたのかを、整理したい。

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「森友問題」で今日分かったことのまとめと考察(2018/10/11)

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2018年10月11日に「森友問題」で分かったこと

[公開2018/10/12]

朝日新聞「ごみ深さ「3.8メートル」ない疑い 値引き根拠揺らぐ 森友国有地」(2018/10/11)

(要旨)

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「森友問題」で今日分かったことのまとめと考察(2018/09/21)

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2018年9月21日に「森友問題」について分かったこと

[公開2018/09/22]

朝日新聞「籠池氏「秘密にする内容でない」 森友の書類不開示訴訟」(2018/09/21)

(要旨)

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「森友問題」取材記者による記事で分かったこと(2018/09/07)

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2018年9月6日の大阪日日新聞に、森友学園事件の取材報道に携わっていた元NHK記者の方によるあいさつ文が載っていた。

大阪日日新聞、「野分 大阪発・論点 大阪から野分(台風)を起こします」、相沢冬樹、”大阪日日新聞で何を目指すか 森友学園事件と私 ”、2018/9/6。
http://www.nnn.co.jp/dainichi/column/nowaki/180906.html
(参照2018-09-07)

この記者の方の動向については、話題となっており、当ブログでも、2回取り上げた。(「森友問題」これまでのNHKスクープのまとめと考察(2018/05/18)「森友問題」NHKスクープのまとめと現時点での評価(2018/09/03))。

こうやって、実際に取材されている方の記事が読めるのは、大変ありがたい。というのも、その記事の書き方によって、取材経緯や時期などを、考察することができるからだ。

つい先日も、別件で、2018年度新聞協会賞に、朝日新聞の「財務省による公文書の改ざんをめぐる一連のスクープ」が選ばれ、その受賞記事がスクープの経緯と共に朝日新聞に載っていた。

朝日新聞デジタル、”改ざん「あり得ない話ではない」 調査報道で明らかに”、2018年9月5日14時29分。
https://www.asahi.com/articles/ASL8Z5Q1QL8ZUTIL03R.html
(参照2018-09-07)

この記事もまた、改ざんを知るに至った経緯や時期を、ある程度の幅に絞れる表現をしてくれており、いろいろな考察の材料を提供してくれた。

今回は、この2つの記事から読み取れることを考察してみたい。

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「森友問題」「ごみ論法」の研究

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先の通常国会では、

「ご飯論法」

という言葉が、注目された。

上西充子、”「朝ごはんは食べたか」→「ご飯は食べてません(パンは食べたけど)」のような、加藤厚労大臣のかわし方”、5/7(月) 16:15 。
https://news.yahoo.co.jp/byline/uenishimitsuko/20180507-00084931/
(参照2018/09/04)

高度プロフェッショナル法案をめぐり、加藤厚生労働大臣のはぐらかしの答弁の手法を端的に示す言葉として、わかりやすく、反響を呼んだ。

「森友問題」でも、「ご飯論法」の答弁はいくつかあって、

「金額の交渉はあったが価格の交渉は無い」、「述べたのは一般的な規則」、「関係するといったのは贈収賄のこと」・・・

などが、思い起こされる。

ご飯論法が、安倍政権の特徴だと言ってしまえばそれまでだが、今回とりあげるのは、「森友問題」における「ご飯論法」ではない。

私が提示したいのは、「ゴミ論法」だ。

「森友問題」では当初から、「ゴミの存在」が議論となっていた。この「ゴミ」については、いくつかの経緯を経ているため、発信する側によって意味が異なっており、受け取る側によっては混乱して分かりにくくなっている。

そしてその分かりにくさを利用して「ゴミがある」と言ったり「ゴミがない」と言って都合のいいように使い分けて悪用する人物も存在する。ここでは、「ご飯論法」のネーミングを借用して、これを「ゴミ論法」と名付け、考察を試みたい。

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「森友問題」NHKスクープのまとめと現時点での評価(2018/09/03)

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森友問題では、朝日新聞のスクープが際立っているが、他の報道機関も(一部の報道機関を除いて)、それぞれの強みを生かしたと思われるスクープニュースを出し、競い合って、森友問題で隠蔽された情報を明らかにしてきた。

NHKも、森友問題では重要なニュースをいくつか出している。

そして先日8/30、ある日刊紙に次の記事が出た。

日刊ゲンダイDIGITAL、”“左遷”の森友スクープ記者「記者続けたい」とNHKを退職へ”、2018年8月30日。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/236473
(参照2018-09-03)

この記事は、以前、当ブログ(「森友問題」これまでのNHKスクープのまとめと考察(2018/05/18))でも取り上げた、

日刊ゲンダイDIGITAL、”森友問題スクープ記者を“左遷” NHK「官邸忖度人事」の衝撃”、2018年5月17日。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/229227/
(参照2018-09-03)

の続報と言える。

以前取り上げた際には、NHKニュースによる、森友問題関連スクープ報道を、私が把握している範囲で取り上げて、列挙してまとめた。

その後、財務省が隠していた応接記録の公表、改ざんについて報告書等が出て、いくつかのNHKスクープの正しさは証明された。

ただ、森友問題は、複数の時系列と複数の立場を把握し、かつ、リアルタイムで報道を追っていないと、スクープかどうかの判断はできない。一般の人が、「朝日のスクープは知っているけど、NHKにスクープはあったっけ?」と思っていても仕方のない面もある。

そこで今回は、前回まとめたNHKスクープ時系列を基に、新たに分かった点も含めて、これまでのNHKスクープについての評価をしてみたい。

[公開:2018/09/03]

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「森友問題」「(決裁参考メモ)森友学園事案に係る今後の対応方針について(H28.4.4)」の考察(2018/08/23)

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「森友問題」が皮肉なのは、政権を守るはずの側が、文書の重要性を理解せずに、

「これが無実の証拠だ」

と公開するが、内容をよく読むと、むしろ関与していた疑いが強くなり、擁護どころか、隠したい政権の足を引っ張ってしまうことである。

今回取り上げるのは、

「(決裁参考メモ)森友学園事案に係る今後の対応方針について(H28.4.4)」

についてだ。

この文書を、「政権が関与していない証拠」だという、トンデモ主張をする人がいるようなので、この文書の真の重要性を指摘するとともに、このような主張をしてしまうことの考察をしてみたい。

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